2025年リリーカップ(H3) レース展望と出走馬
2歳牝馬スプリント女王決定戦、リリーカップとは?
ホッカイドウ競馬の2歳牝馬路線において、夏の終わりを告げる重要な一戦、それが「HTB杯 リリーカップ(H3)」です 。未来のダートスプリント界を担う若き才能が集結し、そのスピードを競い合うこのレースは、単なる一重賞に留まらず、後の全国的な大舞台へと続く登竜門として極めて高い注目度を誇ります。
レースの舞台は門別競馬場のダート1000m(右回り)。2歳牝馬限定戦であり、全馬が55.0kgの定量で出走します 。特筆すべきは、近年のレース距離の変化です。かつては1200mで施行されていた時期もありましたが 、2023年以降は1000mに定着しています 。この200mの短縮は、レースの性質を純粋なスピードとゲートセンスが支配する電撃戦へと変貌させ、予想戦略においても根本的な見直しを迫る重要なファクターとなっています。優勝馬には、翌年度の種牡馬ホットロッドチャーリーの配合権利が副賞として贈られるなど 、生産界からの期待も背負う一戦です。
2025年リリーカップ 出走予定馬一覧
本年のリリーカップも、将来性豊かな8頭の俊英牝馬が顔を揃えました。予想オッズからも上位人気馬の実力が拮抗している様子がうかがえ、激戦は必至。まずは確定した枠順と各馬の基本情報をご確認ください。
枠 | 馬 番 | 印 | 馬名 | 父名 | 母父名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 厩舎 | 予想 オッズ | 人 気 |
1 | 1 | スルーザミル | タニノフランケル | マンハッタンカフェ | 牝2 | 55.0 | 秋元耕成 | 川島洋人 | 34.2 | 8 | |
2 | 2 | ゴールデンリング | フォーウィールドライブ | スクリーンヒーロー | 牝2 | 55.0 | 桑村真明 | 角川秀樹 | 10.8 | 5 | |
3 | 3 | リュウノフライト | ホッコータルマエ | ケイムホーム | 牝2 | 55.0 | 宮内勇樹 | 山口竜一 | 3.2 | 2 | |
4 | 4 | ポルタロマーナ | フィレンツェファイア | スクリーンヒーロー | 牝2 | 55.0 | 小野楓馬 | 小野望 | 31.7 | 7 | |
5 | 5 | ミスティライズ | パイロ | フレンチデピュティ | 牝2 | 55.0 | 阿部龍 | 角川秀樹 | 3.0 | 1 | |
6 | 6 | スプリンガフォート | フリオーソ | サウスヴィグラス | 牝2 | 55.0 | 服部茂史 | 田中淳司 | 19.1 | 6 | |
7 | 7 | ミソドレミ | パイロ | トゥザグローリー | 牝2 | 55.0 | 石川倭 | 角川秀樹 | 3.5 | 3 | |
8 | 8 | トリップス | ゴルトマイスター | クロフネ | 牝2 | 55.0 | 落合玄太 | 小野望 | 9.0 | 4 |
過去データ徹底解剖!リリーカップ攻略の3大ポイント
競馬に絶対はありませんが、リリーカップは過去のレース結果に驚くほど明確な傾向が表れています。特に距離が1000mに定着してからのデータは、馬券戦略を組み立てる上で不可欠な羅針盤となります。ここでは過去の膨大なデータを分析し、的中に繋がる「3つの鉄則」を導き出しました。
ポイント1 -「先行絶対有利」の鉄則。4コーナー5番手以内が勝利の絶対条件
リリーカップを攻略する上で、最も重要かつ揺るぎない鉄則は「先行馬を狙うこと」です。特に現行の1000m戦においては、この傾向は「絶対」と言っても過言ではありません。
過去のレース結果が、この事実を雄弁に物語っています。2024年の覇者リオンダリーナは、4コーナーを2番手で通過し、そのまま押し切って勝利しました 。2023年の勝ち馬シシャモフレンドも同様に、4コーナー通過時点で先頭に立ち、後続の追撃を許しませんでした 。さらに時計を遡り、同じく1000mで施行された2012年、優勝したハニーパイも道中2番手追走から抜け出す王道の競馬で栄冠を掴んでいます 。
この「先行絶対有利」という傾向は、単なる偶然の産物ではありません。門別1000mというコース形態に起因する、構造的な特徴なのです。
- 距離の短さ: 1000mという距離は、スタートからゴールまで息を入れる暇のない、まさに電撃戦です。レースタイムが約60秒という極めて短い時間で決着するため 、後方で脚を溜めてから追い上げる「追い込み馬」には、物理的に挽回する時間が残されていません。
- 短い直線: 門別競馬場の直線は、後方一気を決めるには十分な長さとは言えません。そのため、勝負は最終コーナーを回る時点ですでに大勢が決しているケースがほとんどです。
- レース展開: スタート後のポジション争いがレースの全てを決定づけます。ゲートの出が良く、スムーズに先行集団に取り付けるかどうかが、勝敗を分ける最大の分水嶺となります。
以上の分析から導き出される結論は明白です。2025年のリリーカップを予想する上で、各馬の過去のレースぶりから「先行力」と「ゲートセンス」を見極めることが最優先事項となります。道中後方から競馬を進めるタイプの馬は、能力が高くてもこのレースに限っては評価を大きく下げるべきでしょう。
ポイント2 – 人気馬の信頼度は高いが、2・3着の「ヒモ荒れ」に高配当の妙味あり
リリーカップのもう一つの興味深い特徴は、勝ち馬の傾向と2着以下の傾向が全く異なる点にあります。この二面性を理解することが、高配当馬券を仕留める鍵となります。
まず、勝ち馬に関しては、上位人気馬がその期待に応えるケースが非常に多いです。
- 2024年 優勝馬 リオンダリーナ (1番人気)
- 2023年 優勝馬 シシャモフレンド (2番人気)
- 2022年 優勝馬 スティールグレイス (1番人気)
- 2020年 優勝馬 ソロユニット (1番人気)
このように、1番人気または2番人気の馬が順当に勝利を収める確率が極めて高く、馬券の軸馬は上位人気馬から選ぶのがセオリーと言えます。
しかし、その一方で2着、3着には人気薄の馬が頻繁に絡み、波乱を演出しています。この「ヒモ荒れ」こそが、リリーカップが「儲かるレース」と言われる所以です。その象徴的な例が2023年のレースでした。1着は2番人気のシシャモフレンドでしたが、2着には9番人気(単勝オッズ97.7倍)のオーソレリカが激走。この結果、馬連は15,050円、3連単は142,410円という特大万馬券が飛び出したのです 。2019年も2着に8番人気、3着に9番人気の馬が入り、高配当となっています 。
この傾向は、2歳牝馬限定戦というレースの特性を色濃く反映しています。
- 完成度の差: この時期の2歳馬はまだキャリアが浅く、心身ともに発展途上です。一戦ごとの成長度合いが著しく、前走からの変わり身を見せる馬が多いため、オッズ通りに決まりにくい側面があります。
- 能力の把握: 市場(ファン)は、最も能力が傑出している1頭(勝ち馬候補)を見抜くことには長けていますが、それ以外の馬たちの序列を正確に判断するのは困難です。
- 展開のアヤ: 短距離戦ゆえに、少しの出遅れや道中の不利が着順に大きく影響します。能力はあっても展開が向かずに凡走する馬、逆に展開に恵まれて能力以上の走りを見せる馬が出やすいため、2着以下は着順が入れ替わりやすいのです。
これらの分析から、最適な馬券戦略は「1頭軸マルチ」方式であると結論付けられます。信頼度の高い上位人気馬から軸馬を1頭選定し、相手(ヒモ)には人気薄の馬まで手広く流す。この形が、リリーカップの傾向に最も合致した、高配当を狙うための合理的なアプローチと言えるでしょう。
表1: 過去5年間 リリーカップ 主要データ分析
年 | 距離 | 優勝馬 | 人気 | 騎手 | 厩舎 | 4角通過 | 2着馬 | 人気 | 3着馬 | 人気 | 馬連配当 |
2024 | 1000m | リオンダリーナ | ① | 石川倭 | 小国博行 | 2番手 | ジャイヴトーク | ③ | ボディコンシャス | ④ | 410円 |
2023 | 1000m | シシャモフレンド | ② | 落合玄太 | 田中淳司 | 1番手 | オーソレリカ | ⑨ | シトラルテミニ | ④ | 15,050円 |
2022 | 1200m | スティールグレイス | ① | 桑村真明 | 角川秀樹 | – | アサクサロック | ② | エイシンシュトルム | ③ | 440円 |
2021 | 1200m | スピーディキック | ① | 岩橋勇二 | 石本孝博 | – | レディーアーサー | ② | グッバイ | ⑤ | 330円 |
2020 | 1200m | ソロユニット | ① | 阿部龍 | 角川秀樹 | – | レディブラウン | ⑤ | マイハンプス | ④ | 1,060円 |
ポイント3 – 血統と厩舎力が鍵。最重要は「角川厩舎」とスピード血統「パイロ産駒」
最後のポイントは、目に見えない力、すなわち「血統」と「厩舎力」です。特にホッカイドウ競馬においては、特定の厩舎が特定のレースに対して強いこだわりと実績を持つケースが多く、リリーカップもその典型例です。
まず注目すべきは、圧倒的な実績を誇る「角川秀樹厩舎」の存在です。過去10年以上にわたり、2020年のソロユニット、2017年のストロングハート、2015年のモダンウーマン、そして2012年のハニーパイと、数多くの優勝馬を送り込んできました 。このレースをどうすれば勝てるのか、そのノウハウを知り尽くした厩舎と言えるでしょう。また、近年では田中淳司厩舎も台頭しており、2023年には1・3着、2024年には2着馬を管理するなど、見逃せない存在です 。
次に血統面です。1000mの電撃戦で求められるのは、何よりも「仕上がりの早さ」と「絶対的なスピード」。その観点から、今年の出走馬で最も注目すべきは「パイロ産駒」です。父パイロは、産駒が早い時期からダートの短距離戦で活躍することで知られる、まさにこのレースにうってつけのスピード血統です。かつてこのレースを制したハニーパイの父サウスヴィグラスも、ダート短距離界を代表する名種牡馬であり 、スピードの重要性は歴史が証明しています。
そして、2025年のリリーカップにおける最大の分析ポイントは、これら2つの要素が「一点に収束している」という事実にあります。
- 最強厩舎: 角川秀樹厩舎が、今年も有力馬を送り込んできた。
- 最適血統: パイロ産駒が、このレースの条件に完全に合致している。
- 収束点: その角川秀樹厩舎が、パイロ産駒であるミスティライズとミソドレミの2頭を登録してきた。
これは単なる偶然ではありません。このレースを勝ち抜くための「最適解」を知るトップトレーナーが、その戦略に最も合致する「最高の血統」を持つ馬を意図的に選択し、万全の体制で送り込んできた、という強力なシグナルです。この「厩舎力と血統の融合」こそが、今年の予想における最重要核となります。
3つのポイントから浮上する!2025年リリーカップ注目馬ピックアップ
上記の「3つの鉄則」を今年の出走馬に当てはめていくと、馬券の軸となるべき馬、そして高配当の使者となりうる馬が自ずと浮かび上がってきます。
注目馬1: ミスティライズ
3つの攻略ポイント全てを最高レベルで満たす、今年の最有力候補です。予想オッズ3.0倍の1番人気が示す通り、その能力と完成度は世代トップクラスと目されています。
- ポイント1 (先行力): これまでの走りから高い先行力を備えていることは明らか。鞍上の阿部龍騎手は、このリリーカップを過去3度(2020年、2017年、2015年)も制している「リリーカップ・マイスター」 。門別1000mの乗り方を熟知した名手の手綱捌きは、この上ない強みです。
- ポイント2 (人気): 1番人気という信頼性は、過去のデータが示す通り、勝ち馬の最右翼であることを示しています。
- ポイント3 (厩舎・血統): まさに「力の収束点」。最強の角川秀樹厩舎と、最適のパイロ産駒という、これ以上ないほどの黄金タッグです。勝利への布陣は完璧に整っています。
注目馬2: リュウノフライト
ミスティライズに待ったをかける対抗馬の筆頭。予想オッズ3.2倍の2番人気が、その実力の高さを証明しています。
- ポイント1 & 2 (先行力・人気): 上位人気に推されていることからも、先行してレースを運べるだけのスピード能力は備えていると判断できます。ミスティライズをマークする形でレースを進めることが予想されます。
- ポイント3 (厩舎・血統): 父ホッコータルマエはダートの頂点を極めた名馬であり、その産駒はパワーとスタミナに定評があります。パイロ産駒のような純粋なスピードタイプとは一線を画す血統背景であり、もし前がやり合うような厳しい展開になれば、そのスタミナが活きてくる可能性も。ミスティライズとの能力比較が最大の焦点となります。
注目馬3: ミソドレミ
角川厩舎が送り込むもう一頭の刺客。単なる僚馬ではなく、こちらも主役を張れるだけの資質を秘めています。
- ポイント1 & 2 (先行力・人気): 3番人気という評価は、陣営が寄せる期待の高さの表れ。鞍上の石川倭騎手は2024年と2018年のリリーカップを制している実力者で 、こちらも勝ち方を知るジョッキーです。
- ポイント3 (厩舎・血統): ミスティライズと同じく「角川厩舎 × パイロ産駒」の黄金配合。厩舎が2頭出しで臨む場合、どちらかがペースを作る役目を担うこともありますが、両馬ともに勝ち負けできる能力を持っていると考えるのが自然です。角川厩舎による「二の矢」として、決して軽視はできません。
穴馬候補 (Longshot to Watch): トリップス
馬券に妙味を求めるなら、この馬の存在は外せません。ポイント2で解説した「ヒモ荒れ」を演出する可能性を秘めた一頭です。
- ポイント2 (ヒモ荒れ): 予想オッズ9.0倍の4番人気というポジションは、まさに高配当を狙う上で絶好の位置取りです。上位3頭の牙城の一角が崩れた際に、真っ先に台頭してくるのがこのクラスの馬です。
- ポイント3 (血統): 母の父に注目。母父クロフネは、芝・ダートを問わない万能性とスピードを産駒に伝える大種牡馬です。父ゴルトマイスターはまだ実績が少ないものの、母系に潜むこの「隠れたスピード」が、1000mの電撃戦で覚醒する可能性を秘めています。3連系の馬券では必ず押さえておきたい一頭です。
結論:最終的な印・買い目は専門家の最終決断をチェック!
本記事では、過去の膨大なデータに基づき、2025年リリーカップの攻略法を徹底的に分析しました。
- 勝利の絶対条件は「4コーナー5番手以内」の先行力。
- 軸は信頼度の高い上位人気馬、相手は手広く「ヒモ荒れ」を狙う。
- 「角川厩舎 × パイロ産駒」という力の収束点が最大の鍵。
上記の3つのポイントを踏まえ、注目馬をピックアップしましたが、最終的な馬券の結論、◎○▲△といった印、そして具体的な3連単の買い目については、レース当日の馬場状態やパドックでの馬の気配といった直前の情報も加味した上で最終決定いたします。
私の最終的な決断と、高配当を狙うための具体的な買い目は、以下のリンク先で独占公開しています。この最終見解を参考に、ぜひ馬券的中を掴んでください!
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