デヴィルナイトが接戦を制しG1ブルーダイヤモンドSを戴冠!
2025年2月22日、コールフィールド競馬場で行われた2歳馬によるオーストラリア最高峰のレース、G1ブルーダイヤモンドS(1200m)は、マイケル・ディー騎乗のデヴィルナイトが接戦を制し優勝しました。Yulong Investmentsが所有するこの2歳牡馬は、わずか2戦目でのG1制覇を成し遂げ、将来を嘱望される若駒として競馬界にその名を刻みました。
レース概要
ブルーダイヤモンドSとは?
ブルーダイヤモンドSは、毎年2月にオーストラリアのビクトリア州メルボルンにあるコールフィールド競馬場で開催される2歳馬限定のG1レースです。1200mの距離で行われ、オーストラリアの秋競馬シーズンのハイライトの一つとして位置づけられています。総賞金は200万豪ドルで、2歳馬限定のレースとしては、ビクトリア州で最も高額な賞金がかけられています。
このレースは、設定重量戦で行われます。これは、牡馬と騸馬は56.5kg、牝馬は54.5kgの斤量を背負ってレースを行うことを意味します。
歴史と過去の優勝馬
ブルーダイヤモンドSは1971年に創設され、初年度はToleranceが優勝しました。その後、Manikato (1978年)、Redoute’s Choice (1999年)、Alinghi (2004年)、Sepoy (2011年)、Extreme Choice (2016年)、Tagaloa (2020年)など、多くの名馬がこのレースを制しています。近年では、2022年にDaumier、2023年にLittle Brose、2024年にHayasugiが優勝しています。
2003年には、ミック・プライス調教師の牝馬Roedeanが優勝しましたが、後に禁止薬物が検出され失格となりました。このため、2着だったKusiが繰り上がり優勝となりました。
今年の注目ポイント
今年のブルーダイヤモンドSは、前哨戦のブルーダイヤモンド・プレリュード(G3)を制したField Of Play、牝馬限定のブルーダイヤモンド・プレリュード(G2)を制したPalm Angel、そしてデビュー戦で鮮烈な勝ち方を見せたCherish Meの3頭が人気を集めていました。
レースの傾向
ブルーダイヤモンドSでは、近年、1番人気の馬の成績が良く、2011年から2025年までの間に6頭の1番人気馬が勝利しています。また、前走で勝利している馬が好成績を収める傾向があり、2010年から2024年までのブルーダイヤモンドSの優勝馬のうち、前走で勝利を収めていた馬は11頭でした。
レース結果
着順とレース展開
レースは、The Playwrightがハナを切る展開となり、Devil Nightが2番手につけ、その後ろにField Of Play、My Gladiolaなどが追走しました。Cherish Me、Temptedなどは後方からレースを進めました。
直線に入ると、Devil Nightが先頭に立ち、後続馬との差を広げにかかりました。しかし、外からTentyris、内からTemptedが猛追し、ゴール前は3頭の激しい競り合いとなりました。最後は、Devil Nightがクビ差でTentyrisを振り切り、優勝しました。3着にはTycoon Starが入りました。
着順 | 馬番 | 馬名 | 騎手 | 斤量 | 着差 | 単勝倍率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | デヴィルナイト | M・ディー | 57キロ | – | 16.0 |
2 | 4 | テンティリス | D・レーン | 57キロ | 短頭 | 21.0 |
3 | 2 | タイクーンスター | M・ザーラ | 57キロ | 1.25 | 17.0 |
4 | 8 | ザプレイライト | R・バイリス | 55キロ | 1.25 | 21.0 |
5 | 16 | エデンローズ | D・スタックハウス | 55キロ | 0.75 | 201.0 |
6 | 1 | フィールドオブプレイ | B・シン | 57キロ | アタマ | 4.0 |
7 | 15 | テンプテッド | C・ウィリアムズ | 55キロ | クビ | 7.5 |
8 | 11 | マイグラディオーラ | J・モット | 55キロ | 短頭 | 7.0 |
9 | 6 | オータムミステリー | P・モロニー | 57キロ | 0.5 | 41.0 |
10 | 14 | チェリッシュミー | J・メルハム | 55キロ | 短首 | 6.5 |
11 | 3 | エクストラクター | B・メルハム | 57キロ | 1.75 | 18.0 |
12 | 12 | ミスセリーヌ | J・マクニール | 55キロ | 1.5 | 41.0 |
13 | 9 | パームエンジェル | E・ブラウン | 55キロ | アタマ | 9.5 |
14 | 13 | ウィルトシャースクエア | H・コフィー | 55キロ | アタマ | 17.0 |
15 | 7 | オラタンド | B・イーガン | 57キロ | 2.75 | 151.0 |
各馬の走り
デヴィルナイト: 2番手追走から、直線で力強く抜け出し、接戦を制しました。騎乗したマイケル・ディー騎手は、「思ったよりもプレッシャーが少なかった。彼は少し気合が入っていて、力強く走ってくれた。彼のおかげで勝てた」とコメントしました。
テンティリス: 後方からレースを進め、直線で鋭く伸びてきましたが、わずかに及ばず2着となりました。
タイクーンスター: 中団追走から、直線で脚を伸ばして3着に入りました。不利な外枠からの発走でしたが、力強い走りを見せました。騎手のマーク・ザーラは「素晴らしい走りだった。もし良い枠だったら勝っていたかもしれない」とコメントしています。
ザプレイライト: 逃げる展開となりましたが、直線で力尽きて4着となりました。
エデンローズ: 大外枠からの発走で、後方からの競馬となりましたが、直線でよく伸びて5着に入りました。
フィールドオブプレイ: 1番人気に支持されましたが、6着に敗れました。騎乗したブレイク・シン騎手は、「暑さに苦しんでいたようだ。レース前に興奮してしまい、それがパフォーマンスに影響したと思う」とコメントしました。
テンプテッド: 中団追走から、直線で伸びてきましたが、7着に終わりました。
マイグラディオーラ: 先団追走から、直線で粘りましたが、8着に敗れました。騎手のジェイミー・モットは、「今日は彼女にカバーを与えることができたが、カバーを得たらもっと伸びると思っていた。彼女は準備の終わりに来たようにレースをした」とコメントしています。
オータムミステリー: 後方からレースを進め、直線で外から追い込んできましたが、9着となりました。騎手のパトリック・モロニーは、「素晴らしい走りだった。今日のレースの形は彼には不利だった。彼らは落ち着いたテンポで行って、本当にスプリントしたが、彼はまだ外側にラインを見つける大胆さを持っていた。彼は3歳になってもう少し地面を克服するのに本当に適しているだろう。いい馬だ」とコメントしています。
チェリッシュミー: 後方追走から、直線で脚を伸ばしましたが、10着に終わりました。騎手のジェイミー・メルハムは、「とてもいい馬だが、まだそこにいない。彼女は道を下ってグループ1を作るようになったが、彼女は呪文が必要だ、彼女はただ2歳ではない」とコメントしています。
優勝馬デヴィルナイト
デヴィルナイトは、父Extreme Choice、母Mischief Nightという血統の2歳牡馬です。Yulong Investmentsが所有し、ホークス厩舎(Michael, John & Wayne Hawkes)に所属しています。
マジックミリオンズ・イヤリングセールで140万豪ドルで落札された高額馬で、今回のブルーダイヤモンドSが2戦目でした。デビュー戦は、ブルーダイヤモンド・プレリュード(G3)でField Of Playの2着でした。
関係者コメント
調教師のウェイン・ホークス氏は、「素晴らしい勝利だ。G1制覇は久しぶりで、本当に嬉しい。Yulong Studに感謝したい。彼らは私たちに5頭しか預託していないが、このような素晴らしい結果を出せて本当に光栄だ」と喜びを語りました。
また、ホークス氏は、「彼らはマジックミリオンズでこの馬に多額の資金を投じ、ブルーダイヤモンドで勝利を収めた。ワオ。ユロングに感謝しなければならない。彼らは私たちに5頭の馬しか預けていない。それは素晴らしい努力であり、ご存知のとおり、私は大きな牡馬でそれをするのが大好きです。これが今、このゲームになっているものです – 大きな牡馬。私は勝利したトレーナーとしてこれを言っていることは知っていますが、彼らはユロングにお金を払っており、彼らは国内最大のオーナーです。張氏は前進することに後退していません。彼は成功するたびに成功に値します。なぜなら、彼よりも多くのお金をゲームに投入している人はいないからです。」と述べています。
騎乗したマイケル・ディー騎手は、「彼は少し気合が入っていて、力強く走ってくれた。彼のおかげで勝てた」とコメントしました。
レース後の分析
各馬の今後
デヴィルナイト: 今後のレースについては、陣営は未定としていますが、ゴールデンSlipper(G1)やATCサイアーズプロデュースS(G1)など、更なるG1制覇を目指していくものと思われます。
テンティリス: 惜しくも2着でしたが、力強い走りを見せ、今後の活躍が期待されます。
タイクーンスター: 不利な外枠を克服して3着と好走し、今後のレースでも注目を集めそうです。
その他: Field Of Playは、暑さの影響もあったようですが、敗因を分析し、巻き返しを図るでしょう。Cherish Me、Temptedなども、まだまだ成長途上であり、今後の活躍が期待されます。
専門家による解説
競馬評論家のDean Evans氏は、Betfair Hubで公開したレース分析記事の中で、Devil Nightの勝利を高く評価しました。同氏は、「Devil Nightは、スタートから力強い走りを見せ、直線でも最後まで粘り強く走り抜いた。彼のポテンシャルの高さが証明されたレースだった」と述べています。
また、同氏は、Tycoon Starについても、「不利な外枠からよく3着に入った。もし、内枠だったら、勝っていたかもしれない」と評価しています。
レース回顧
多くの騎手がレース後、それぞれの馬の走りについてコメントを残しています。
- デヴィルナイトに騎乗したマイケル・ディー騎手は、「思ったよりもプレッシャーが少なかった。彼は少し気合が入っていて、力強く走ってくれた。彼のおかげで勝てた」とコメントし、馬の強さを称えました。
- テンティリスに騎乗したダミアン・レーン騎手は、「彼はとてつもなく走った、すべての勢いがあったが、一歩足りなかった」と、惜敗を悔やんでいます。
- タイクーンスターに騎乗したマーク・ザーラ騎手は、「彼はスーパーに走った、あえて言えば、バリアがあれば勝てたかもしれない」と、外枠が響いたことを示唆しました。
- フィールドオブプレイに騎乗したブレイク・シン騎手は、「額面通りがっかりだ。彼は本当に暑いコンディションに苦しんでいたと思う。彼はレース前に自分を奮い立たせ、それが彼のパフォーマンスに影響したと思う」と、馬のコンディションを敗因に挙げました。
これらのコメントからも、レースが非常に激しい接戦であったこと、そして各馬が持てる力を出し切ったことが伺えます。
今後のレース展望
ブルーダイヤモンドSを制したデヴィルナイトは、今後、ゴールデンSlipper(G1)やATCサイアーズプロデュースS(G1)など、大きなレースに駒を進めていく可能性があります。 他の2歳馬たちも、それぞれの目標に向かって、成長を続けていくことでしょう。
関連情報
ブルーダイヤモンドSに関連するレース
ブルーダイヤモンドSの前哨戦として、ブルーダイヤモンド・プレリュード(G3)とブルーダイヤモンド・プレビュー(LR)が開催されます。これらのレースで好走した馬は、ブルーダイヤモンドSでも有力候補となります。
ブルーダイヤモンドSデーに開催されるその他のG1レース
ブルーダイヤモンドSデーには、ブルーダイヤモンドS以外にも、2つのG1レースが開催されます。
- オークリープレート (G1):1100mで行われるハンデキャップ戦。短距離馬の頂点を決めるレースとして知られています。
- フューチュリティステークス (G1):1400mで行われる重量戦。中距離馬の実力馬が集結するレースです。
これらのレースも、ブルーダイヤモンドSと同様に、オーストラリアの秋競馬シーズンの重要なレースとして位置づけられています。
補足情報
ブルーダイヤモンドSは、オーストラリアの秋競馬シーズンの開幕を告げる重要なレースです。毎年、多くのファンがコールフィールド競馬場に詰めかけ、熱戦が繰り広げられます。
結論
2025年のブルーダイヤモンドSは、デヴィルナイトが制し、Yulong Studに大きな栄誉をもたらしました。デヴィルナイトは未勝利馬ながら、わずか2戦目でのG1制覇を成し遂げました。これは、1999年のRedoute’s Choice以来の快挙です。 1 また、レースは全体的にスローペースで流れ、これがデヴィルナイトに有利に働いた可能性も指摘されています。 2 このレースは、今後の2歳馬路線を占う上でも重要な一戦となり、今後のレース展開に大きな影響を与えるでしょう。