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パドックの見方:馬体チェックで穴馬を見抜く方法

はじめに:パドックは予想の宝庫

パドックとは、レース前に出走馬が周回する場所のことです。競馬場でしか見られないこのシーンには、データだけでは分からない情報が詰まっています。

「馬体重が増えた・減った」はデータでわかりますが、「毛艶が良い」「歩様がスムーズ」「気合が乗っている」といった情報は、実際に目で見ないとわかりません。この記事では、パドックの見方を基礎から解説し、穴馬発見のヒントをお伝えします。

パドックで見るべき5つのポイント

1. 毛艶(けづや)

馬の毛並みの輝きは、健康状態を示す重要な指標です。

良い状態

  • 黒光りしている(黒鹿毛・青鹿毛の場合)
  • 栗毛・鹿毛なら金色に輝いている
  • 毛並みが整っている

悪い状態

  • 毛がボサボサしている
  • 白っぽく見える(冬毛が抜けていない可能性)
  • くすんで見える

ワンポイント:晴れた日は毛艶が良く見えやすく、曇りや雨の日は判断が難しくなります。天候による見え方の違いも考慮しましょう。

2. 歩様(ほよう)

歩き方は、馬の体調や脚元の状態を反映します。

良い歩様

  • 踏み込みが深い:後ろ脚が前脚の蹄跡を超えて着地
  • リズムが一定:スムーズに周回している
  • 首を使って歩いている:首が上下に自然に動く

注意が必要な歩様

  • びっこを引いている:脚元に問題がある可能性
  • チャカチャカ歩き:入れ込んでいる(テンションが高すぎる)
  • 重そうに歩く:疲れが残っている可能性

ワンポイント:パドックを2〜3周見ると、各馬の歩様の違いがわかりやすくなります。

3. 馬体(ばたい)

馬の体つきから、仕上がり具合を判断します。

チェックポイント

  • トモ(後躯)の張り:お尻周りの筋肉が盛り上がっているか
  • 腹回り:太すぎないか、絞れているか
  • 首の筋肉:しっかり筋肉がついているか
  • あばら骨:うっすら見える程度が理想(見えすぎは絞りすぎ)

馬体重との関連

  • プラス体重+腹が出ている:太め残り(調整不足の可能性)
  • マイナス体重+あばらが見える:絞りすぎ(スタミナ不安)
  • 体重変動なし+引き締まった体:順調な調整

4. 気配(けはい)

馬のメンタル状態を読み取ります。これが最も難しく、最も重要なポイントです。

良い気配

  • 落ち着いている:周りをキョロキョロしない
  • 適度な気合:耳を立てて集中している
  • 目に力がある:どこか遠くを見ている

注意が必要な気配

  • 入れ込んでいる:汗をかいている、チャカチャカ歩く
  • 無気力:目に覇気がない、ダラダラ歩く
  • 物見(ものみ):周りの観客や物音に過敏に反応

ワンポイント:「入れ込み」と「気合が乗っている」は紙一重です。汗の量や歩き方を総合的に判断しましょう。

5. 発汗(はっかん)

汗のかき方は、馬のコンディションを示す重要なサインです。

正常な発汗

  • 夏場に全身にうっすら汗をかいている
  • 首筋に少し汗が見える程度

注意が必要な発汗

  • 白い泡状の汗:「石鹸汗」と呼ばれ、極度の緊張を示す
  • 冬場なのに汗だく:入れ込んで体力を消耗している可能性
  • 股間(内股)の汗:特に緊張が強い状態

パドックの見方:実践編

ステップ1:全体を俯瞰する

まずはパドック全体を見渡し、「明らかに良く見える馬」と「明らかに悪く見える馬」を見つけます。この時点で細かく見る必要はありません。

ステップ2:気になる馬を重点的に見る

自分が馬券で狙っている馬、または全体を見て気になった馬を重点的にチェックします。2〜3周見ると、その馬の状態がより明確になります。

ステップ3:比較する

同じレースの馬同士を比較します。「この馬よりあの馬の方が毛艶が良い」「この馬は歩様がスムーズ」など、相対的な評価が重要です。

ステップ4:前走と比較する(リピーター向け)

同じ馬を複数回見ていると、「前回より良くなっている」「前回の方が良かった」という変化がわかるようになります。これがパドックの上級者テクニックです。

穴馬を見抜くパドックのコツ

人気薄でも好気配の馬を探す

オッズを見ると10番人気以下なのに、パドックでは明らかに状態が良い馬がいることがあります。このような馬は「穴馬」として狙い目です。

「いつもと違う」を見抜く

いつもは入れ込む馬が落ち着いている、いつもは地味な馬が今日は毛艶ピカピカ。このような「いつもと違う」変化は、激走のサインになることがあります。

厩務員の表情をチェック

馬を引いている厩務員の表情も参考になります。自信に満ちた表情をしていれば、馬の仕上がりに手応えを感じているかもしれません。

パドックでよくある誤解

「チャカチャカ歩いている馬は気合十分」は間違い

入れ込んでいる馬は体力を消耗するため、レース後半にバテる可能性があります。特に長距離戦では要注意です。

「毛艶が良い=調子が良い」は半分正解

毛艶は体調の指標ですが、レースの結果に直結するとは限りません。毛艶が良くても、仕上がりが甘ければ好走できません。

「大きい馬が強い」は距離による

大きな馬体は迫力がありますが、小回りコースや急坂では不利になることも。コース適性と合わせて判断しましょう。

天候・季節別のパドック注意点

夏(6〜9月)

  • 汗をかいていても正常な場合が多い
  • 毛艶は良く見えやすい
  • 暑さに弱い馬(大型馬など)は消耗に注意

冬(12〜2月)

  • 冬毛で毛艶が判断しにくい
  • 汗をかいていたら入れ込みの可能性大
  • 寒さで体が硬くなっている馬もいる

雨の日

  • 毛艶の判断は困難
  • 濡れた馬場を嫌がる馬もいる(歩様に出る)
  • 落ち着いている馬が有利な傾向

パドックを見る場所のおすすめ

正面(スタンド側)

  • 馬の全体像が見やすい
  • 歩様をチェックしやすい
  • 混雑することが多い

コーナー部分

  • 馬が近くを通る
  • 毛艶や表情を見やすい
  • 比較的空いている

出口付近

  • 最後の周回を見られる
  • 馬場入場直前の状態がわかる

まとめ:パドックは「経験」が物を言う

パドックの見方は、本を読んだだけでは身につきません。実際に競馬場に足を運び、何度も馬を見ることで徐々にわかるようになります。

初心者向けアドバイス

  • 最初は「良く見える馬」「悪く見える馬」の2択で判断する
  • データ予想と組み合わせて使う(パドックだけで決めない)
  • 同じ馬を何度か見て、その馬の「基準」を覚える

パドックを見る目が養われると、データだけでは得られない情報で穴馬を見つけることができるようになります。ぜひ競馬場でパドック観察を楽しんでください。

関連記事:調教(追い切り)の見方、競馬場の選び方

ヤナシ社長(旧:生成系競馬予想)

競馬予想家 (経験20年)

データ関連企業の社長であり、学生時代にはアルゴリズムコンテストで世界3位に入賞したAI技術者。20年以上にわたり統計解析を競馬予想に応用してきた競馬予測家でもあります。生成系AIを駆使した客観的で革新的な競馬予想を提供し、「生成AI競走馬評価」などのコンテンツを通じて、競馬をより深く楽しめるようサポートしています。

専門分野:AIを使った競馬予想。生成AIを使ったコンテンツ作成
実績・資格:

主な活動実績 AI競馬マスターズ2023: 3位入賞 俺プロ: 馬将認定 参考成績(中央): https://yoso.netkeiba.com/?pid=yosoka_profile&id=562 参考成績(地方): https://yoso.netkeiba.com/nar/?pid=yosoka_profile&id=562

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