競馬ファンの間で永遠のテーマとも言える「最強馬論争」。今回は、2000年に年間無敗・古馬王道完全制覇を成し遂げた「世紀末覇王」テイエムオペラオーと、2023年に世界ランキング1位に君臨した「現代の怪物」イクイノックスを、特に「天皇賞(春)」という観点から比較します。
天皇賞(春)実績の違い
両馬のキャリアにおいて最も顕著な違いの一つが、長距離G1「天皇賞(春)」への参戦です。
テイエムオペラオー:連覇の偉業
テイエムオペラオーは、3200mという過酷な舞台で無類の強さを誇りました。2000年と2001年の天皇賞(春)を連覇しており、特に2000年はここから「年間無敗」の伝説がスタートしました。タフな展開でも決して崩れない精神力とスタミナは、まさに「王道」を歩む王者そのものでした。
イクイノックス:未出走の理由
対するイクイノックスは、天皇賞(春)には出走していません。彼のキャリアは、よりスピードと瞬発力が求められる中距離レース(2000m〜2400m)を中心としていました。体質的な面や、近年の競走馬の使い分け・海外遠征(ドバイシーマクラシック等)を重視するトレンドも背景にあります。その分、天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念などでのパフォーマンスは圧巻の一言でした。
「強い」の意味が変わったのか?
テイエムオペラオーの時代は、春の盾(天皇賞・春)を制することこそが古馬最強の証でした。しかし、イクイノックスの時代には、世界的な評価や中距離でのスピード能力が重視されるようになりました。
「過酷なローテーションを走り抜き、全て勝つ」テイエムオペラオーと、「狙った大レースで、他を寄せ付けない圧倒的なパフォーマンスを見せる」イクイノックス。異なる「強さ」を持つ2頭の比較は、競馬の時代の変化そのものを映し出していると言えるでしょう。