芝・ダート兼用の適性を巡って議論が続くダート界の雄フォーエバーヤング。BCクラシック制覇などの実績を持つ同馬の次走には、ダート最高峰のレースだけでなく、芝のG1レースである有馬記念や天皇賞(秋)への挑戦が期待されています。本記事では、ファンや関係者の間で交わされている、芝挑戦のメリット・デメリット、種牡馬価値への影響について議論をまとめます。
ダートG1を複数制覇し、海外でも目覚ましい活躍を見せるフォーエバーヤング。しかし、一部の競馬ファンや関係者の間では、国内のダート路線よりも芝G1への挑戦を求める声が多く上がっています。この背景には、現役馬としてのレガシー構築と、引退後の種牡馬としての将来が深く関わっています。
現状、日本国内においてダート専門種牡馬の需要は限定的であり、高額な種付け料を維持できる環境ではありません。フォーエバーヤングがもしダート馬のまま引退した場合、数年で種牡馬としての地位が終わる可能性があると指摘されています。
芝のGIを勝つことができれば、日本国内での種牡馬需要が飛躍的に高まり、「芝でも走れる産駒を出すだろう」という期待から、10年以上の重用が期待されます。芝挑戦は、単なるレース選択ではなく、同馬の将来を左右する重要な決断となります。
一部のファンからは、「ダート馬は鈍足だからダートを走っている」という厳しい意見があり、ダート路線が芝の二軍であるという見方が根強く残っています。
フォーエバーヤングが芝G1で結果を出すことは、この「鈍足」という先入観を打ち破り、BCクラシック馬が日本の高速芝でも通用することを証明する意味を持ちます。ただし、惨敗した場合は、逆に「所詮ダート馬」の烙印を押されてしまうことになります。
芝への挑戦を検討するにあたり、最も現実的な候補として有馬記念と天皇賞(秋)が挙げられています。特に馬主サイドと調教師サイドで意見が分かれている様子が見て取れます。
馬主である藤田晋氏は、昨年の時点で有馬記念への出走を示唆していました。有馬記念は、ファン投票で出走馬が決まる特殊なレースであり、ダート最強馬が年末のグランプリに出走すること自体が大きな話題性となり、結果に関わらずストーリーを作りやすいというメリットがあります。
ラストランを有馬記念に設定し、そこで予後不良となるリスク(予後る)を懸念する声がある一方、ドバイWCとBCクラシックの同一年連覇という偉業の後に、記念出走として有馬記念で大団円を迎えることを望む声もあります。
鞍上(坂井瑠星騎手と推測)は、馬の適性から天皇賞(秋)を推奨しているという意見もあります。天皇賞(秋)は芝2000mであり、フォーエバーヤングの父リアルスティールのベスト距離(1800m~2000m)に近いことから、適性を考慮した場合、有馬記念よりも有利な条件になる可能性があります。
本番の芝G1を使う前に、札幌記念やオールカマーを叩き台(芝テスト)として使う案もファンの間で浮上しています。
しかし、トライアルレースで勝っても「箔が付かない」上に、故障のリスクはダートよりも高まるため、陣営としては選択しにくいとの意見もあります。
| 路線候補 | 推奨者(主たる意見) | メリット(期待されること) | リスク(懸念) |
|---|---|---|---|
| 有馬記念 | 馬主(藤田晋氏) | 最高潮の盛り上がり、国内ラストランとしてのロマン性 | 距離適性度外視、惨敗時の「枠潰し」批判、予後不良のリスク |
| 天皇賞(秋) | 鞍上(坂井騎手) | 馬の適性距離(1800m-2000m)に近い、芝G1挑戦の証明 | BCCとのローテーション調整が難しい、良馬場だと勝ち目がない可能性 |
| 札幌記念 | ファンの一部 | 芝適性を試す慣らし運転、洋芝適性の確認 | 勝っても種牡馬価値向上に繋がりにくい、故障リスクが高い |
芝挑戦には大きなロマンがありますが、ダート最強馬の地位を揺るがしかねないリスクも伴います。特に「故障」と「評価の下落」の二点が主な懸念事項です。
芝G1で惨敗した場合、逆に「芝で通用しないダート馬」の烙印を押され、種牡馬価値が下落する可能性があります。生産界からすれば、種牡馬として結果を出すためには「余計な挑戦」は避けるべきという意見もあります。
「ほぼ負けるから芝でもやれていた」と匂わせたまま引退する方が、種牡馬価値的には正解ではないか、という冷静な意見も存在します。
フォーエバーヤングは体が大きく、芝を走ることで怪我をするリスクを懸念する声もあります。また、これまでの調教やレース経験によってダートに適応させてきた馬を、今から芝のトップ戦線で戦わせることはリスキーであるという指摘も妥当性があります。
過去には、ダートや障害のトップホースが芝のG1に挑戦した事例がいくつかあります。これらの事例は、フォーエバーヤングの進路を考える上で参考になります。
「日本馬で新馬戦からダートを使っている時点で鈍足認定された馬」という批判に対し、新馬戦ダート組が後に芝G1を制したケース(例:ヴェラアズール)を挙げて反論する意見もあります。また、デビュー前の関係者の判断が必ずしも絶対ではない、という点も指摘されています。
一方、陣営がフォーエバーヤングを芝馬だと思っていたにも関わらず、調教助手の意見でダートで下ろしたところ大成功したという具体的な経緯が語られており、芝適性の判断は難しい状況です。
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