競馬界でディープラーニングを活用したAI予想の研究が進む中、岡山県の津山高専に所属する20歳の学生が、驚異的なシミュレーション結果を発表し、大きな話題となっています。彼が開発したAIモデルは、過去の血統データを詳細に分析することで、最大で回収率150%を超える成績を叩き出しました。この記事では、その革新的なAIモデルの仕組み、開発のきっかけ、そして競馬ファンからのさまざまな反応について詳しく解説します。
津山高専総合理工学科情報システム系5年の大澤凜太朗さんが研究テーマとして掲げたのは、「ディープラーニングに基づいたリターン最大化競馬予測モデルの提案」です。この研究の核となるのは、「当てること」(的中率)ではなく、「増やすこと」(回収率)の最大化です。
大澤さんは、競馬が「ブラッドスポーツ」と呼ばれるほど血統が重要であるにもかかわらず、既存のAI予想が血統情報を十分に活用できていない点に着目。血統のつながりを「グラフ畳み込みネットワーク(GCN)」という技術で深くまで学習させることで、精度の向上を目指しました。
AIモデルは、血統情報をネットワーク構造として表現し、祖父母の代までさかのぼってその関係性をGCNで学習します。この血統から得た特徴量と、以下のレースデータを組み合わせて最終的な勝利スコアを算出します。
オッズ情報を使用せず、AIが「一番勝ちそうだ」と判断した馬に単勝100円ずつ賭け続けたと仮定したシミュレーションでは、以下のような結果が得られました。
特に、16番人気という人間が買いづらい大穴馬に高いスコアを与えて的中させた例もあり、AIが血統的な背景(例:サンデーサイレンスの3×4インブリード)を深く捉えている可能性が示唆されています。
大澤さんが競馬に興味を持った原点は、スマートフォン向けゲーム「ウマ娘」の大流行でした。ゲームをきっかけに本物の競馬にのめり込み、その興味が現在のAI研究へと発展しました。大澤さんは今後も研究を続け、ゲーム・IT業界への就職を視野に入れています。
AI予想による高回収率のニュースは、ネット上の競馬コミュニティでも大きな反響を呼びました。特に回収率の信憑性や、AIが馬券市場に与える影響について、活発な議論が交わされています。
津山高専生によるAI研究は、血統分析の奥深さと、回収率最大化を目的としたディープラーニングの可能性を強く示すものです。この技術は、競馬に留まらず、医療資源の最適配分や金融ポートフォリオの構築など、幅広い社会課題への応用も期待されています。AIの進化に伴い、競馬予想の常識は今後数年で大きく塗り替えられる可能性を秘めています。
従来のAI予想があまり利用しなかった血統情報を、グラフ畳み込みネットワーク(GCN)を用いて祖父母の代までさかのぼって「血のつながり」をネットワークとして学習させている点です。これにより、血統的な特性を深く分析することが可能となりました。
この回収率150%は、過去のデータを用いたシミュレーションの結果として発表されています。実際の購入実績ではありませんが、シミュレーションでは「的中率約26%」で「最大ドローダウン1~2%」という高いリスク管理性能も示されています。
AIがオッズを考慮して「期待値が高い」と判断した馬券に投票が集中すると、締め切り直前にその馬のオッズが急激に下がる現象が起こります。将来的にはAI利用者が多数派になった場合、お互いに利益を削り合う「AIがAIの養分になる」状況も懸念されています。