2025年12月6日 競馬レース分析鳴尾記念（GIII）＆ステイヤーズステークス（GII）

本レポートは、2025年12月6日に開催される中央競馬の東西重賞レース、鳴尾記念（GIII）とステイヤーズステークス（GII）における出走予定馬の追い切り評価を詳細に分析したものです。調教タイム、陣営コメント、血統背景、コース適性を総合的に評価し、各馬の仕上がり具合とレースでの可能性を診断します。

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鳴尾記念推奨馬

最終追い切りで圧巻の動きを見せたウエストナウ。

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ステイヤーズS推奨馬

長距離適性とラストの切れ味を両立したホーエリート。

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S〜Cで格付け

全出走馬について、追い切り評価をS〜Cで格付け。

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詳細解説

調教タイム、陣営コメント、血統背景を統合し、各馬の仕上がり具合を詳細に解説。

1. 2025年東西重賞の展望（エグゼクティブ・サマリー）

2025年12月6日、中央競馬は師走開催の初日を迎え、西の阪神競馬場では第78回鳴尾記念（GIII）、東の中山競馬場では第59回ステイヤーズステークス（GII）が開催されます。年末の有馬記念や翌年の飛躍を見据える有力馬が集結するこのレースでは、調教過程における各馬の仕上がりが勝敗を大きく左右します。本レポートでは、出走予定の全馬について直近の調教データ、陣営コメント、前走パフォーマンス、血統背景を網羅的に分析し、「追い切り評価」を主軸に、馬の精神状態、肉体的な完成度、レース適性を深く掘り下げていきます。

2. 鳴尾記念2025 追い切り評価・出走馬分析

2.1. レース概況とコース特性

鳴尾記念が施行される阪神芝1800m（外回り）は、向正面からスタートするワンターンのレイアウトです。最初のコーナーまで距離が長く枠順の有利不利は少ないものの、ゴール前の急坂を含む長い直線での瞬発力とパワーが問われます。2025年は実績馬と上がり馬が混在し、調教での気配が馬券検討の重要な判断材料となるでしょう。

ウエストナウ（牡4・栗東・佐々木晶三厩舎）

評価：S

• 調教内容分析: 12月3日の最終追い切りで、主戦の団野騎手を背に栗東CWで3頭併せを敢行。先行する2頭を内から鋭く差し切り、6ハロン80.5秒、ラスト1ハロン11.4秒という驚異的な時計をマークして最先着。1週前は軽め、最終追いで一気にギアを上げるメリハリの効いた調整過程で、体調の上向きは明らかです。
• 陣営の感触と背景: 佐々木調教師は「併せ馬で気持ちが乗って反応も良かった。いいと思うものを全て取り込んだ」と絶対の自信を示しています。前走のアンドロメダSでオープン初勝利を挙げた勢いは本物で、一度使われた上積みは計り知れません。
• 血統・適性分析: 父キズナ、母父フランケル。キズナ産駒のパワーと母父フランケルのスピードが融合し、阪神外回りの瞬発力勝負に高い適性を示します。追い切りで見せた抜群の伸び脚は血統的特長が最大限に発揮された結果と言えます。

オールナット（牡4・栗東・高野友和厩舎）

評価：A

• 調教内容分析: 約3ヶ月ぶりですが、1週前に栗東坂路で一杯に追われ53.3秒の好時計をマーク。心肺機能はレースレベルに達しています。最終追い切りは北村友一騎手を背に坂路で馬なり調整。直前は整える程度という厩舎のパターン通りで、仕上がりは良好です。
• 陣営の感触と背景: 高野調教師は「総合的により良くなってきている」と前走以上の完成度を示唆。「GIIIで満足したくない素材」と将来への期待も高く、ここでのパフォーマンスに注目が集まります。
• 血統・適性分析: 父サトノダイヤモンド、母父オーペン。長く良い脚を使うタイプで、持続力勝負の阪神1800mは歓迎。半姉にショウナンパンドラがいる良血で、本格化を迎えた今なら昇級戦でも通用するポテンシャルを秘めています。

グランヴィノス（牡5・栗東・友道康夫厩舎）

評価：A

• 調教内容分析: 長期休養明けを一度使われ、上昇度が著しい一頭。12月3日の最終追い切りでは、栗東坂路で併せ馬を敢行し、先行していた相手を0.6秒突き放す圧巻の走りを見せました。ラスト2ハロンの加速ラップと反応の鋭さが光ります。
• 陣営の感触と背景: 友道調教師は「最後までしっかり走れていた」と評価。脚元の故障で長期離脱しましたが、復帰後は先行できるレース運びができるようになり、「馬がしっかりしてきた」と手応えを感じています。
• 血統・適性分析: 父キタサンブラック、母ハルーワスウィートという超良血。きょうだいにシュヴァルグラン、ヴィルシーナ、ヴィブロスがおり、血統背景は随一。豊富なスタミナと阪神コースへの高い適性が、5歳を迎えて開花しつつあります。

その他の出走馬

• B+センツブラッド（牡3）
• B+デビットバローズ（セン6）
• B+ショウナンマグマ（セン6）
• Bオニャンコポン（セン6）
• Bドゥラエレーデ（牡5）
• B+ナムラエイハブ（牡4）
• Cサンストックトン（牡6）
• Bニホンピロキーフ（牡5）
• Bブラックシールド（牡6）
• Bマテンロウレオ（牡6）
• Bラーグルフ（牡6）

3. ステイヤーズステークス2025 追い切り評価・出走馬分析

3.1. レース概況とコース特性

JRA平地最長の3600mで行われる「マラソンレース」。中山内回りコースを2周する特殊なレイアウトで、絶対的なスタミナ、折り合う精神力、器用さ、そして強靭な足腰の全てが求められます。騎手のペース配分も勝敗に直結する、人馬一体の総合力が試される一戦です。

ホーエリート（牝4・美浦・田島俊明厩舎）

評価：A

• 調教内容分析: 最終追い切りは美浦Wで軽快な動き。馬なりのまま併せ馬を2馬身突き放し、ラスト1ハロンは11.6秒をマーク。長距離仕様の調整の中でもスピードが鈍っておらず、フットワークには余裕と力強さが感じられます。
• 陣営の感触と背景: 田島調教師は「動きは問題なく良かった」と状態に合格点。3600mの未知の距離にも「折り合いに問題がない」と前向きで、近走の重賞での安定感から信頼度は高いです。
• 血統・適性分析: 父ルーラーシップ、母父ステイゴールドというスタミナと底力の塊のような血統構成。中山の長丁場という舞台設定は、血統的にベストマッチと言えるでしょう。

ワープスピード（牡6・美浦・高木登厩舎）

評価：A

• 調教内容分析: 1週前にWコースで強めに追われ、最終は菅原明良騎手を背に馬なりで併入。高木調教師が「だいぶ、やる気が上がってきました」と語るように、精神面での復調が著しい点が最大のプラス材料です。
• 陣営の感触と背景: 「スタミナは問題ない。タメて、じっくり構えた方がいい」と師が語る通り、3600mの距離は望むところ。前走大敗は度外視可能で、得意の長距離戦での巻き返しに期待がかかります。
• 血統・適性分析: 父ドレフォンながら、母父ディープインパクト、母系にサドラーズウェルズの血を持ち、母系のスタミナを色濃く受け継いでいます。消耗戦になればなるほど強さを発揮するタイプです。

クロミナンス（牡8・美浦・尾関知人厩舎）

評価：B+

• 調教内容分析: 8歳でも若々しく、最終追い切りは美浦Wで強めに追われ81.5-11.9をマーク。「前走以上の動き」と評され、上積みは十分。1週前にはGI馬ドゥレッツァと併せて互角の動きを見せており、充実ぶりが目立ちます。
• 陣営の感触と背景: 前走は休み明けが影響したとの陣営コメント通り、叩き2戦目での良化は明らか。調教過程がその変化を証明しています。
• 血統・適性分析: 父ロードカナロアですが、母父マンハッタンカフェ、母母父トニービンという血統が、高齢でも衰えないスタミナを支えています。距離延長も母系の血がカバーするでしょう。

その他の出走馬

• B+マイネルカンパーナ（牡5）
• Bヴェルミセル（牝5）
• Bヴェルテンベルク（牡5）
• B+ブレイヴロッカー（セン5）
• Bピュアキアン（牡4）
• Cシルブロン（牡7）
• B+チャックネイト（セン7）
• Cミクソロジー（セン6）
• Bメイショウブレゲ（牡6）
• Bラスカンブレス（牡4）
• Cワイズゴールド（牝5）

4. 有力馬データ比較総括

4.1. 鳴尾記念（GIII）有力馬比較表

4.2. ステイヤーズS（GII）有力馬比較表

5. 結論：調教推奨馬

🎯鳴尾記念（GIII）の推奨馬

◎ ウエストナウ

調教過程における上昇度が群を抜いています。CWコースでの80.5秒、ラスト11.4秒という数字は本格化を告げるシグナル。3頭併せで見せた闘争心と反応の鋭さは、直線の長い阪神外回りで最大の武器となるでしょう。陣営の強気なコメントも裏付けとなり、勝ち負け必至の仕上がりにあると判断します。

○ オールナット

1週前のハードトレーニングと当週のソフト調整のバランスが絶妙です。厩舎の勝負仕上げパターンに合致しており、前走重賞勝ちの勢いをそのまま持ち込んでいます。

🌟ステイヤーズステークス（GII）の推奨馬

◎ ホーエリート

長距離戦仕様のラップを刻みつつ、ラスト1ハロンで11.6秒というスピードを見せた点が素晴らしいです。スタミナ勝負で最後に他馬をねじ伏せるだけの瞬発力と余力を証明しています。血統的にも中山3600mはベストの舞台と考えられます。

○ ワープスピード

「やる気」というメンタル面での復調が最大の推奨理由です。能力はGII級であり、気持ちさえ乗っていればこのメンバー相手に力負けすることはないでしょう。