2025年12月4日、園田競馬場で行われた第10レース「カンツバキ賞B2一」は、競馬ファンに衝撃を与える大波乱の展開となりました。圧倒的1番人気に推されていた有力馬が競走除外となるアクシデントが発生し、一気に混戦ムードへ。そんな激しい戦いを制したのは、3番人気の伏兵、メリッササンライズでした。
レース回顧:1番人気除外で激変した展開
レースはスタート直前から異変がありました。9番ビナハロンがゲートに向かう際に暴れ、8番メリッササンライズにもゲートインの懸念が実況されるなど、出走馬の集中力に影響を与える場面が見られました。しかし、最も大きな出来事は、単勝オッズ1.1倍と圧倒的支持を集めていた6番エノラブエナが、発走前に競走除外となったことです。
これにより、レースは一変。大きな出遅れなくゲートが開くと、2番レオキーがハナを奪い、5番タイキエルキーオが2番手で追走する流れとなります。人気を分けた馬たちが後方に控える中、レースは淡々と進みます。
勝負所の3コーナーから4コーナーにかけて、馬群は大きく動きを見せます。先行するレオキーを目標に、中団から8番メリッササンライズが一気に進出。さらに後方では、1番サトノルクソンと3番メイショウコホクが外を回して追い上げを開始しました。
直線に入ると、メリッササンライズが粘るレオキーを捕らえて先頭へ。内からは4番ファンシンレディーが狭いスペースを巧みに突き、外からはサトノルクソンとメイショウコホクが猛然と追い込みます。ゴール前は団子状態の激しい叩き合いとなりましたが、粘り腰を見せた8番メリッササンライズが先着。2着に1番サトノルクソン、3着に3番メイショウコホクが入り、大混戦を伏兵が制する結果となりました。
カンツバキ賞B2一 結果
最終的な入着馬は以下の通りです。
| 着順 | 馬番 | 馬名 | 人気 | 騎手 |
|---|---|---|---|---|
| 1着 | 8 | メリッササンライズ | 3番人気 | 鴨宮祥行 |
| 2着 | 1 | サトノルクソン | 2番人気 | 小牧太 |
| 3着 | 3 | メイショウコホク | 6番人気 | 田野豊三 |
| (除外) | 6 | エノラブエナ | 1番人気 | 吉村智洋 |
今後のレースで覚えておきたいポイントとアクシデント
このカンツバキ賞の結果は、今後の馬券戦略において重要な示唆を含んでいます。
圧倒的1番人気「エノラブエナ」の競走除外
- 圧倒的な支持を集めた馬が突然の除外となったことで、レースの難易度が急激に上がりました。
- 馬のコンディションは直前まで変化する可能性があり、オッズだけに頼らず、直前の情報やパドックの様子も重要な判断材料となります。
- エノラブエナの能力自体は高く評価されていたため、次走以降の出走時には状態面を慎重にチェックする必要があります。
勝者「メリッササンライズ」の勝負根性
- ゲート周りで落ち着きを欠く場面があったにも関わらず、本番ではしっかり力を出し切りました。
- 3番人気という評価ながら、混戦となったレース展開を見事乗りこなし、直線での勝負強さを見せました。今回の勝利でクラスB2一の突破に成功し、今後の上昇度にも期待が持てます。
追い込みを見せた「サトノルクソン」「メイショウコホク」
- 2着のサトノルクソン(2番人気)、3着のメイショウコホク(6番人気)は、共に後方から外を回るロスの多い競馬ながら、直線で鋭い脚を見せました。
- 特にサトノルクソンは1番人気不在の混戦を考慮すると、勝ちきれなかった点は課題ですが、着実に力を示しています。
- メイショウコホクは高齢ながらも健在。展開ひとつでさらに上の着順も狙える持久力と末脚を持っています。
今回のレースは、競馬の予測不能な側面を改めて示す結果となりました。直前の情報とレース展開、そしてアクシデントへの対応力が勝敗を分けた一戦として、記憶に留めておくべきでしょう。