2025年12月14日
2025年12月21日に開催される第77回朝日杯フューチュリティステークス（G1）の予想ポイントを解説。デイリー杯2歳Sレコード勝ちのアドマイヤクワッズ、異次元の末脚を持つエコロアルバ、完成度の高いダイヤモンドノットなど、有力馬の仕上がりを「一週前追い切り」を中心に徹底分析。阪神芝1600mのコース特性や血統背景も踏まえ、2歳マイル王決定戦の核心に迫ります。
この記事の要点
- ✓2025年朝日杯FSは、重賞ウィナーが集うハイレベルな混戦模様。
- ✓アドマイヤクワッズはレコード勝ちの反動なく、一週前追い切りで抜群の動きを見せ、状態は万全。
- ✓エコロアルバは規格外の末脚が武器。調教での動きはメンバー随一で、長距離輸送が鍵。
- ✓ダイヤモンドノットはレースセンスと完成度が高く、好位で立ち回れる器用さで大崩れしにくい。
- ✓阪神芝1600mは最後の急坂が特徴で、「底力」と「瞬発力の持続性」が問われるコース。
目次
朝日杯FS 2025 予想のポイントとコース特性分析
2025年12月21日、阪神競馬場の芝1600m（外回り）を舞台に開催される第77回朝日杯フューチュリティステークス（G1）は、2歳世代のマイル王者を決定づける極めて重要な一戦です。本年のメンバーは、各路線の重賞ウィナーや素質馬が一堂に会するハイレベルな混戦模様を呈しています。
阪神芝1600m（外回り）のコース特性
阪神芝1600m外回りコースは、枠順の有利不利が比較的少ない設計ですが、最大の特徴はゴール手前の急坂です。単なるスピードだけでなく、最後まで脚色を衰えさせない「底力」と「瞬発力の持続性」が不可欠となります。本レースで重要視すべきファクターは以下の3点です。
- 調教における「終いの反応」: 追い切りでラスト1ハロンで加速ラップを刻めているかが、急坂攻略のスタミナを測る指標となります。
- マイルへの距離適性と折り合い: 道中でリラックスして走り、直線の爆発力につなげられる精神的な成熟度が問われます。
- 血統的背景: 瞬発力に優れたサンデーサイレンス系や、パワーを補完する米国型ノーザンダンサー系の血を持つ馬が好走傾向にあります。
有力馬の調教トレンド分析
上位人気が予想される有力馬たちは、栗東CW（チップ）コースでの長めの追い切りと、坂路でのスピード調教を併用するパターンが多く見られます。特に、一週前追い切りでしっかり負荷をかけ、当週は微調整する「直前軽め、一週前ハード」の調整パターンが好走馬の典型であり、評価の分かれ目となるでしょう。
有力馬 徹底分析コラム
ここからは、出走予定馬ごとの詳細な分析を行います。一週前追い切りの時計、ラップ推移、併せ馬の内容、そして血統背景を統合し、本番でのポテンシャルを論じます。
アドマイヤクワッズ ～レコードホルダーが示す万全の仕上がり～
前走のデイリー杯2歳Sでレコードを更新する圧倒的なスピードを見せたアドマイヤクワッズ。その反動が懸念されましたが、一週前の調整を見る限り不安は皆無と言える充実期にあります。
調教分析：一週前追い切りの評価
| 日付 | コース | 騎乗者 | 時計 (6F-1F) | 位置 | 脚色 | 短評 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 12/11 | 栗東CW | 坂井瑠 | 82.9 – 67.6 – 52.4 – 36.3 – 11.2 | 内 | 末強め | 力強い脚捌き |
全体時計も優秀ですが、特筆すべきはラスト1ハロン11.2秒という鋭い切れ味です。中間から一貫して活気十分な状態を維持しており、前走の疲労を感じさせない弾むようなフットワークは、現時点での完成度の高さを示唆しています。
血統と適性分析
父はリアルスティール（ディープインパクト系）、母父はStorm Catという配合。阪神マイルで求められる「キレ」と「パワー」のバランスが絶妙な黄金配合です。
前走振り返りと本番への展望
デイリー杯2歳Sではレコード勝ちを収め、坂井騎手も操縦性の高さと勝負根性を高く評価しています。激戦後も順調に乗り込まれている点は最大の強みであり、優勝候補の筆頭として揺るぎない評価を与えられます。
エコロアルバ ～規格外の末脚、東の横綱が阪神に挑む～
東京のマイル戦で見せたパフォーマンスは「大物」のそれでした。美浦からの長距離輸送が課題ですが、調教の動きはそれを補って余りある迫力です。
調教分析：一週前追い切りの評価
| 日付 | コース | 騎乗者 | 時計 (5F-1F) | 脚色 | 短評 |
|---|---|---|---|---|---|
| 12/10 | 美浦W | 助手 | 65.3 – 50.6 – 36.3 – 11.4 | 一杯 | 追って伸び上々 |
水準を大きく上回る好タイムであり、古馬オープン級の馬を子供扱いするほどの脚力は2歳馬の枠を超えています。
血統と適性分析
父はモズアスコット、母父はヘネシー（Storm Cat系）という、スピードとパワーに特化した血統構成。阪神の急坂も全く苦にしないパワーを秘めています。
前走振り返りと本番への展望
前走のサウジアラビアRCでは、出遅れて最後方から全馬を差し切る離れ業を演じました。スタートに不安は残りますが、阪神外回りの長い直線はこの馬の末脚を最大限に発揮できる最高の舞台です。
ダイヤモンドノット ～完成度の高さと鞍上の信頼、死角なき優等生～
京王杯2歳Sを制し、無傷の連勝を狙うダイヤモンドノット。陣営の並々ならぬ意気込みが伝わってきます。
調教分析：一週前追い切りの評価
| 日付 | コース | 騎乗者 | 時計 (6F-1F) | 位置 | 脚色 | 短評 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 12/10 | 栗東CW | 調教師 | 81.0 – 65.8 – 51.9 – 37.0 – 11.5 | 内 | 強め | 脚取り確か |
併せ馬に楽々先着した内容は秀逸で、フォームのブレがなく体幹の強さが窺えます。状態面での不安要素は見当たりません。
血統と適性分析
父ブリックスアンドモルタル（Storm Cat系）、母父ディープインパクトという現代日本競馬のトレンドを押さえた配合。マイルこそがベスト条件である可能性が高いです。
前走振り返りと本番への展望
京王杯2歳Sでは横綱相撲で完勝。レースセンスの良さはメンバー随一で、好位で立ち回れる器用さは大きな武器となります。崩れるシーンが想像しにくい、軸馬として最適な一頭です。
カヴァレリッツォ ～良血が開花する時、逆転の可能性を秘める～
デイリー杯2歳Sで2着に敗れたものの、ポテンシャルの高さを見せたカヴァレリッツォ。良血馬らしい成長曲線を描いており、逆転候補として無視できない存在です。
調教分析：一週前追い切りの評価
| 日付 | コース | 騎乗者 | 時計 | 短評 |
|---|---|---|---|---|
| 12/10 | 栗東坂 | 助手 | 4F 58.9 – 14.1 (馬なり) | – |
| 12/06 | 栗東CW | 助手 | 6F 83.1 – 12.1 (馬なり) | 推進力ある走り |
週末にCWコースで負荷をかけられているため、調整過程は順調と判断できます。大きな上積みは強調しづらいですが、高いレベルで状態を維持しています。
血統と適性分析
父サートゥルナーリア、母父ハーツクライ、祖母は名牝シーザリオという超良血馬。阪神マイルは能力を全開にするのに不足はない舞台です。
前走振り返りと本番への展望
前走では精神的な若さを見せましたが、サートゥルナーリア産駒特有の学習能力に期待がかかります。幼さが解消されれば、勝ち負けに加わる能力は十分に秘めています。
タガノアラリア ～坂路で躍動するスピードスター、一発の魅力～
秋明菊賞を制し、勢いに乗るタガノアラリア。坂路調教で見せる動きはスプリンター並みのスピード感に溢れています。
調教分析：一週前追い切りの評価
| 日付 | コース | 騎乗者 | 時計 (4F-1F) | 脚色 | 短評 |
|---|---|---|---|---|---|
| 12/11 | 栗東坂 | 助手 | 54.8 – 39.3 – 24.8 – 12.0 | 末強め | 抜群の脚捌き |
ラスト12.0秒でまとめている点は、終いの粘り強さが増している証拠であり、距離延長への対応力を示唆しています。
血統と適性分析
父ミスターメロディ、母父ディープインパクトという配合。マイルへの距離延長が最大の課題ですが、母父の血がスタミナ面をサポートできるかが鍵となります。
前走振り返りと本番への展望
秋明菊賞では勝負根性を見せて勝利。馬群を恐れない精神力は多頭数のG1でも武器となり、距離さえこなせれば上位食い込みの可能性があります。
その他の注目馬 短評分析
上位人気馬以外にも、調教や血統から浮上する穴馬候補、および不安要素を抱える馬について簡潔に分析します。
リアライズシリウス
新潟2歳Sの覇者ですが、一週前追い切りでは併せ馬に遅れをとり「追われて案外」との厳しい短評。休み明けの影響か、一時的な停滞期の可能性も否定できず、最終追い切りでの良化がなければ評価は慎重にならざるを得ません。
カクウチ
栗東CWでの一週前追い切りでは「一気に突き放す」動きを見せ、状態の良さが際立ちます。血統はアドマイヤマーズ×フレンチデピュティと、いかにも阪神マイル向きのパワーマイラーであり、伏兵として激走の予感が漂います。
サンブライト
新馬戦勝ちからの参戦。一週前追い切りは「まずまず仕上がる」との評価。前走で見せたレースセンスは侮れず、キャリアは浅いですが注意が必要です。
グッドピース
デイリー杯2歳Sは6着でしたが、外枠で力んだことが敗因。一週前追い切りでは「力強い脚捌き」を見せており、折り合いさえつけば巻き返しの余地はあります。
レッドリガーレ
新馬戦を勝ったばかりですが、「順調に乗り込む」との評価。モーリス産駒らしく、使われつつの良化が期待できます。
総合評価・結論
状態面のジャッジ
一週前追い切りの内容を比較すると、アドマイヤクワッズとエコロアルバがS評価に値する動きを見せています。ダイヤモンドノットとタガノアラリアもA評価と高く、仕上がりは良好です。一方で、リアライズシリウスは動きに物足りなさが残ります。
血統・適性面のジャッジ
阪神マイル（外回り）という舞台設定に対し、血統面で最も適合性が高いのはアドマイヤクワッズ（リアルスティール×Storm Cat）とエコロアルバ（モズアスコット×Hennessy）の2頭です。
最終結論
第77回朝日杯FSにおける中心視すべき存在は、アドマイヤクワッズです。デイリー杯2歳Sのパフォーマンスを調教内容が裏付けており、死角が最も少ないと判断します。
対抗には、爆発的な末脚を秘めるエコロアルバ。単穴として、完成度とレースセンスに秀でたダイヤモンドノットを評価します。
穴候補としては、調教での良化が著しく舞台適性も高いカクウチに注目。配当妙味十分な一頭として警戒が必要です。
最終的な判断は、当週の追い切りや枠順確定後の情報を加味して行ってください。
出典: 20251221_5回阪神6日目_11R_第７７回 朝日杯ＦＳ.txt (出馬表, 調教データ, 厩舎コメントデータ, 前走インタビューデータ, 血統表, 能力表)
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