米三冠戦線やドバイ、サウジなどで歴史的な活躍を見せたフォーエバーヤング。この功績にもかかわらず、日本のダート路線が芝路線と並ぶ形で整備される機運が高まらなかったことに対し、ネット掲示板で活発な議論が交わされました。JRAのスタンス、地方競馬との役割分担、そして世界のダート主要競走の存在など、多角的な視点からその背景を分析します。
フォーエバーヤングは「ダート界のディープインパクト」とも称されるほどの活躍を見せましたが、ユーザーからは「主要レースが全部海外なのに盛り上がるわけがない」「結局日本競馬でダートが人気になるのは無理なのか」といった悲観的な意見が寄せられました(投稿2, 4, 1)。
一方で、一部のユーザーは「ポインセチアステークスが作られた」「少なくとも2歳3歳のダートクラシックに向けた整備は少しずつされている」と、今後の変化に期待する声も挙げています(投稿10)。
ダート路線が本格的に整備されない最大の理由として、JRAがダートを「地方競馬が主体」とする領分だと考えている点があります(投稿15, 40)。JRAはダートを盛り上げてもしょうがないと判断し、ダート三冠を地方に委託することで「損切り」を図ろうとしたという厳しい見方もあります(投稿39)。
また、ダートはJRAが力を入れなくても馬券が勝手に売れていくため、整備への優先度が低いのではないかという指摘や(投稿18, 53)、JRAの競馬が歴史的に欧州の芝路線を範としているため、根本的な方針転換が難しいという意見も根強いです(投稿43)。
ダート路線の頂点とされるレース(ケンタッキーダービー、BCクラシック、サウジカップ、ドバイワールドカップ)は中東やアメリカに集中しており、JRAが国内に新しいGIを設けたとしても、世界の主要路線に「入り込む余地がない」という意見が目立ちました(投稿29, 24)。
さらに、フォーエバーヤング自身が中央のダート重賞をほとんど走らず海外で結果を出したことで、「JRA中央をガン無視しても活躍できる」という前例を作ってしまったため、中央での整備の必要性が薄れたとの見解もあります(投稿25)。
JRAが動かない背景には、地方競馬(NAR)主導での大きな変革が進行していることが挙げられます。具体的には、2028年以降に地方のJpnIをGIに昇格させていく計画が進められています(投稿23, 50)。
また、ダート競馬の課題解決のため、JRA/NAR/生産者間で協力が進められており、地方馬強化を目的とした「ネクストスター」競走の新設、競馬法改正によるJRA資金のNARへの流入、国際競走で好成績を上げた地方馬への報奨金支給などが実施されています(投稿41, 57)。ただし、こうした整備をもってしても「不十分」との意見もあります(投稿46)。
一方で、「芝のレースが小頭数化する中で、ダートレースを過剰に増やせば芝に迷惑がかかる」という反対意見もあり、路線整備のバランスの難しさが浮き彫りになっています(投稿31, 38)。
本記事は、以下のインターネット掲示板の投稿内容を基に構成しています。