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ジャパンカップで見えた現実:イクイノックスを頂点とする日本芝馬の右肩下がり問題

近年、日本の芝馬のレベル低下を懸念する声が競馬ファンの間で高まっています。特に国際レースでの苦戦や、特定の血統への依存、生産・育成体制に関する議論が活発です。本記事では、インターネット掲示板に寄せられた様々な意見を基に、日本の芝馬の現状と、その背景にあると考えられる要因について深く掘り下げていきます。

目次

「日本の芝馬のレベルが下がっている」というファンの声

インターネット上では、日本の芝馬のレベルが「ヤバイな」「どんどん下がっている」といった危機感を表明する声が多数見受けられます。特に、近年の国際競争における日本馬の苦戦が、この議論に拍車をかけているようです。

イクイノックス世代以降の右肩下がり?

多くのユーザーが、GIを席巻したイクイノックス世代を「頂点」とみなし、それ以降の世代については「右肩下がり」であると指摘しています。ある意見では「来年のクラシックが底だぞ」とまで悲観的な見通しを示す声もありました。

イクイノ世代を頂点として右肩下がり

このような意見は、特定の強豪馬が世代全体のレベルを底上げする一方で、その後の世代に同様の勢いが見られないことへの懸念を示唆しています。

海外での苦戦と国内G1への言及

国際レースでの成績は、芝馬のレベルを測る重要な指標の一つです。一部のユーザーからは、香港ヴァーズですら3年連続で欧州勢に敗れている状況を挙げ、「笑えん」という厳しい意見が出ています。また、「ホームでも負け中立地でもボコボコにされ 海外馬がいないガラパゴス国内G1でイキるしか無くなった芝馬さん…」と、国内での勝利を過大評価しているのではないかという懸念も示されています。

狩場とか言ってたヴァーズですら3年連続欧州勢にボコられてるの笑えん

ホームでも負け中立地でもボコボコにされ 海外馬がいないガラパゴス国内G1でイキるしか無くなった芝馬さん…

さらに、具体的なレース名を挙げて、「香港で全く勝負にならず大敗するアーバンシックが0.2差に来るような天皇賞秋や欧州馬に勝たれたJCなんかを持ち上げなきゃいけない時点で日本の芝馬はゴミですって言ってるのと同じだから」と、現状を厳しく評価するコメントも見られました。

現役最強馬とされる馬のレベルについても議論があり、「今って現役最強クラスがレガレイラなんでしょ?レガレイラはピークすぎたシャフよりちょっと強い程度の馬」といった比較を通じて、全体のレベルが低下しているのではないかという推測がされています。

レベル低下の主要因として挙がる「血統」の問題

芝馬のレベル低下の背景には、血統構成の変化を指摘する声が非常に多く見られます。特に、サンデーサイレンス系血統の飽和と、ディープインパクト系種牡馬への依存が主要な論点として挙げられています。

サンデーサイレンス系血統の飽和と瞬発力の低下

「日本馬の力の源泉であるサンデーサイレンスの筋肉の収縮力が、代を経るにつれて薄れてきた」「キレが全くない」といった意見は、サンデーサイレンス系血統の広がりが、かつての瞬発力を失わせている可能性を示唆しています。「サンデーの血が溢れすぎて飽和してる」「ネクストサンデーが見つからない」というコメントは、現在の日本の芝馬の血統構成が袋小路に入っているとの見方を示しています。一方で、「サンデーの近親配合とか鈍足が強化される」といった慎重な意見もあります。

日本馬の力の源泉であるサンデーサイレンスの筋肉の収縮力が、代を経るにつれて薄れてきたな 瞬発負けする 勝つときも先頭からの粘り込みしかなくなった

日本馬はキレが全くない

サンデーの血が溢れすぎて飽和してる ネクストサンデーが見つからない

ディープインパクト系種牡馬への依存と影響

ディープインパクト産駒の種牡馬たちへの過度な依存が、レベル低下に繋がっているという指摘も多数あります。「サンデーの良いところがディープインパクトの孫に全く受け継がれていないのが全て、ディープ牝馬から大物が殆ど出てないのも問題 ディープインパクトに頼りすぎた反動が出ている状況だろうか」という意見は、ディープインパクトの血が、期待された形では受け継がれていない可能性を示唆しています。また、「ディープ産駒種牡馬の血統表ってディープインパクトというチビ以外は サンデーサイレンス含めてみんなダート馬まみれな事に気付いた そりゃダート強くなるよね」と、ダート適性への偏りを指摘する声も見られます。

サンデーの良いところがディープインパクトの孫に全く受け継がれていないのが全て、ディープ牝馬から大物が殆ど出てないのも問題 ディープインパクトに頼りすぎた反動が出ている状況だろうか

一部のユーザーは、「忌わしきディープの血が入っていないイクイノックスが最後の希望」とまで語り、ディープインパクト系以外の血統への期待を表明しています。

アメリカ血統への偏重と芝適性の変化

「アメリカ血統輸入しまくりなのでアメリカダートは走るけど 芝はもうあかんな」という意見は、日本の芝馬がアメリカ系の血統に偏りすぎ、結果としてダート適性が高まり、芝での能力が低下している可能性を示唆しています。サンデーサイレンス自身がアメリカ血統との親和性が高かったこともあり、「アメリカ競馬適性ばっか上がってくよね」という分析もなされています。

ネクストサンデーサイレンスの不在

サンデーサイレンスやキングカメハメハ、トニービンといった「名血が代を経て薄れていった」一方で、「代わりになる種馬がでなかった」という現状認識も共通しています。イクイノックスのような稀有な存在を除き、次世代を担うような圧倒的な種牡馬が見当たらないことが、長期的なレベル低下に繋がると危惧されています。

生産・育成・調教体制への疑問

血統問題と並行して、日本の競馬全体の生産・育成・調教体制に対する疑問も呈されています。

騎手・調教師・育成牧場の質への言及

馬だけでなく「人間の質が下がってる」という意見があり、特に「騎手だけじゃなくて調教師もやべーでしょ」という声や、「そもそも馬育成できるヤツがいないんだからレベル下がるしただ回ってくるだけになるさ」と育成現場への懸念が表明されています。しかし、一方で「調教師は向上してるでしょ」という反論もあり、笹針などの旧来の調教方法と比較して、現代の調教技術は進化しているという見方もあります。また、「それ以上に育成牧場だろ 特に馴致」と育成牧場における初期段階の教育の重要性を指摘する意見もありました。

馬じゃなくて人間の質が下がってる派なんだが同士おる? 騎手だけじゃなくて調教師もやべーでしょ

それ以上に育成牧場だろ 特に馴致

高速馬場化と馬づくりへの影響

「スピードや軽さを追い求めすぎると底力やタフさが徐々に無くなって奥の無い馬しか作れなくなる」という指摘は、日本の馬場が異常なまでに高速化していることと、それに合わせた馬づくりが、本来必要な地力や体力を損なっている可能性を示唆しています。結果として、「走りやすい馬場でタイム競っているみたいなレースばかりしているから 心肺能力は普通なのに筋力でどうにか勝たせているから結局バテる」という構造になっているとの見解もあります。

馬場を異常に高速ガラパゴス化し続けるのをヨシとするJRA その高速専用機の馬しか作らず雑魚を種牡馬として優遇する社台ノーザン まぁこいつらが戦犯

また、「全般種馬が早熟特化しすぎなのも原因」であり、国際競争が古馬戦であるにも関わらず、2歳・3歳がピークのような馬がリーディング上位にいる現状も問題視されています。

社台グループの生産体制と市場への影響

一部からは、社台グループの生産体制が日本の芝馬のレベルに影響を与えているという声も上がっています。「社台グループが悪いよ ブランドでごまかして日本でだけ勝てる馬を生産し続けてきたツケ」という意見や、社台グループが「競争が働かなくなっちゃった」原因であるとの厳しい指摘も見られます。具体的には、「ドーピング駄馬のザコ産駒に海外の高級繁殖与えまくってる」といった表現で、その生産方針への批判が寄せられています。一方で、「社台グループがなきゃ日本の馬産と競馬自体ここまでなってねえよ馬鹿w」と、日本競馬への貢献を強調する意見も存在し、評価は二分されています。

さらに、社台グループの独占的な状況に対し、スタリオンの解体や牧場の馬主・馬主グループの禁止、すべての馬のセールへの売り出し義務化といった大胆な改革を求める意見も見受けられました。

ダート路線の台頭と芝馬との比較

芝馬のレベル低下議論において、ダート路線の現状と比較する声も多く聞かれます。

「ダートは世界で戦えるが、芝は…」

「ダートは世界のどこでも戦える馬が出てるのに芝は欧州どころか香港でも通用せずとは」という意見が示すように、フォーエバーヤングのようなダート馬が国際舞台で活躍する一方で、芝馬が苦戦している現状が対比されています。冗談交じりに「もうフォーエバーヤングに芝走ってもらうしかない」というコメントも出るほどです。

ダートは世界のどこでも戦える馬が出てるのに芝は欧州どころか香港でも通用せずとは

ダート馬が芝で活躍する現状への見解

興味深いのは、「ジャンタルマンタルは血統的にどう見てもダート馬 本来ならダート走る馬が芝で勝てちゃう それだけ日本の芝が弱いってことだ」という指摘です。これは、本来ダート適性が高いと見られる馬が芝のGIを勝てる状況が、日本の芝路線のレベル低下を裏付けているのではないかという見方を示しています。しかし、「日本ではダートは芝の2軍 芝で走れない馬がダート走るんだからな」という伝統的な認識も根強く、この点については意見が分かれています。

高額賞金化によるダートへの注力

「昔からいざ知らずダートで高額賞金狙える現状最初からダート狙うんだよ だからレースの層も芝よりダートのが厚い」という意見が示すように、ダート路線の賞金増額が、生産者がダート馬生産に注力する理由となっているようです。実際に「日高あんまり芝馬作らなくなってる」「今年のブックフルもダート種牡馬めちゃくちゃ多い」といった情報も寄せられており、生産現場のシフトが垣間見えます。

現状への異なる見解と今後の展望

すべての意見が悲観的というわけではありません。現状を肯定的に捉える声や、今後の展望について語る意見もあります。

特定のレースや馬を挙げてレベル維持を主張する意見

一部のユーザーは、日本の芝馬のレベルが依然として高いことを示す例を挙げています。例えば、「JCのカランダガンとマスカレードボールの叩き合いはJC史上でも時計的にもハイレベルなレースでお前らも興奮した筈だ」として、特定のレース内容を高く評価する声がありました。また、「今のマスカレードボールより強い馬なんて歴代でも数える程しかいないけどな これでルメール曰く馬体と気性が未完成という恐怖」と、将来性を期待させる馬の存在を指摘する意見もあります。

しかし、こうした意見に対しては、「アーバンシックに0.2差付けて勝って欧州馬にJCで負けたら歴代最強クラスだよなんて気狂いしか言わないよ」といった反論もあり、評価は分かれているようです。

「日本競馬はよくやっている」という見方

「日本はいろんなカテゴリーを好き勝手につまみ食いしてるような感じだから むしろようやっとる」という意見は、日本競馬が多様な路線を模索している現状を肯定的に捉え、その中での健闘を評価しています。また、「海外馬にとってはJCは敷居が高いから、香港に行く馬も増えてるからな カランダガンまでは行かなくてもそれなりの馬が勝ちに来てるからレースレベルは昔より上がってるよ」と、国際レースのレベルそのものが向上しているという見方も提示されています。

イクイノックスに続く「希望」の有無

イクイノックスのような突出した馬の存在は、日本の芝馬の未来に希望を与えます。「北さんがイクイノックスみたいな ホームラン打つしかない」という期待の声や、「忌わしきディープの血が入っていないイクイノックスが最後の希望」といった、血統的な多様性を求める声もあります。しかし、一方で「正直イクイノックスがコケたらマジで長期的にやばくなるかもしれん 他にめぼしい奴もいないし」と、一頭のスター馬への依存の危険性を指摘する意見もありました。

まとめ:日本の芝馬の未来を考える

インターネット掲示板の議論からは、「日本の芝馬のレベルが低下しているのではないか」というファンの強い懸念が浮き彫りになりました。その原因としては、サンデーサイレンス系血統の飽和やディープインパクト系種牡馬への過度な依存といった「血統的な行き詰まり」が最も多く指摘されています。加えて、高速馬場に特化した馬づくり、生産・育成・調教体制への疑問、そしてダート路線の充実による相対的な芝馬の地位低下なども、複合的な要因として挙げられています。

一方で、特定のレースや馬のレベルは高いと主張する声や、日本競馬が全体として多様性を追求している点を評価する意見も存在し、単純にレベルが下がったとは一概に言えない複雑な現状が見えてきます。イクイノックスのようなスターホースの登場は希望を与えるものの、持続的な高レベルの維持には、血統の多様化、育成・調教の改善、そして国際競争力を意識した馬づくりの継続が不可欠と言えるでしょう。日本の芝馬が再び世界の頂点を目指すためには、ファンが示すこれらの多角的な問題提起と真摯に向き合うことが求められます。

参考元

ヤナシ社長(旧:生成系競馬予想)

競馬予想家 (経験20年)

データ関連企業の社長であり、学生時代にはアルゴリズムコンテストで世界3位に入賞したAI技術者。20年以上にわたり統計解析を競馬予想に応用してきた競馬予測家でもあります。生成系AIを駆使した客観的で革新的な競馬予想を提供し、「生成AI競走馬評価」などのコンテンツを通じて、競馬をより深く楽しめるようサポートしています。

専門分野: AIを使った競馬予想。生成AIを使ったコンテンツ作成
実績・資格:

主な活動実績 AI競馬マスターズ2023: 3位入賞 俺プロ: 馬将認定 参考成績(中央): https://yoso.netkeiba.com/?pid=yosoka_profile&id=562 参考成績(地方): https://yoso.netkeiba.com/nar/?pid=yosoka_profile&id=562

ヤナシ社長(旧:生成系競馬予想)

データ関連企業の社長であり、学生時代にはアルゴリズムコンテストで世界3位に入賞したAI技術者。20年以上にわたり統計解析を競馬予想に応用してきた競馬予測家でもあります。生成系AIを駆使した客観的で革新的な競馬予想を提供し、「生成AI競走馬評価」などのコンテンツを通じて、競馬をより深く楽しめるようサポートしています。