2025年12月20日開催のターコイズステークス(GIII)の予想をお届けします。ウンブライル、ボンドガールなど有力馬の一週前追い切りを徹底分析し、調教タイムや血統背景から攻略の鍵を探ります。中山芝1600mのハンデ戦を制すのはどの馬か、データに基づき注目馬を推奨します。
2025年12月20日、中山競馬場で開催される第11回ターコイズステークス(芝1600m)は、冬の中山開催を彩る牝馬限定のハンデ重賞です。年末の総決算である有馬記念ウィークを控えたこの時期、来春のヴィクトリアマイルを見据える実績馬や、条件戦を勝ち上がり勢いに乗る上がり馬たちが激突する重要な一戦となります。
本記事では、出走予定馬の「一週前追い切り」の動き、詳細な「血統背景」、そして「前走時の騎手・陣営コメント」に基づいた徹底的な分析をお届けします。特に、ハンデ戦特有の混戦が予想される中、調教過程における各馬の状態変化や、中山マイルというトリッキーな舞台への適性を、客観的データのみを用いて深掘りしていきます。
中山芝1600mという舞台設定、およびハンデ戦という条件から、本レースの予想における重要なポイントは以下の3点に集約されます。
中山芝1600mは、スタート直後にコーナーを迎える特殊なレイアウトであり、外枠の馬は距離ロスを強いられやすい傾向があります。また、ゴール前には急坂が待ち構えており、単なるスピードだけでなく、坂を駆け上がるパワーと持続力が要求されます。
血統面では、過去の傾向や今年の登録馬の背景を見ると、以下の系統が鍵となりそうです。
師走の開催は、各馬にとって疲労の蓄積や、逆に休養明けのフレッシュさが成績に直結しやすい時期です。特に「一週前追い切り」でどの程度の負荷をかけられ、どのような反応を示したかは、本番でのパフォーマンスを占う最大の指標となります。栗東CW(ウッドチップ)や坂路で自己ベストに近い時計をマークしている馬や、併せ馬で先着している馬は、体調の良さを裏付けていると考えられます。
ハンデ戦であるため、前走で大敗していても斤量減や展開の不利が明確であれば巻き返しが可能です。騎手のコメントには、次走へのヒントが隠されていることが多くあります。例えば、不利な枠順、距離適性、馬場状態など、具体的な敗因が語られている馬は、条件替わりでの激走が期待されます。
ここからは、登録馬全頭について、提供された資料を基に詳細なコラム形式で分析を行います。
| 父 | ロードカナロア |
|---|---|
| 母 | ラルケット |
| 母父 | ファルブラヴ |
| 調教評価 | 動きスムーズ (→) |
父ロードカナロア、母父ファルブラヴという配合。スピードの絶対値をベースにしつつ、母方の血が混ざることで、中山マイルのようなタフな流れにも対応できる強靭さを示唆しています。5歳を迎え、血統的な完成期に入っていると言えるでしょう。
前走の富士S(GII)では、牡馬相手に5着と健闘。ルメール騎手は「ソウルラッシュの後ろから運んで、いい競馬でした。精一杯の走りは見せてくれました」とコメント。直線では勝負根性も見せており、牝馬限定戦となる今回は能力上位は間違いありません。
12/10(水) 美浦W 良 84.7 – 68.7 – 53.7 – 38.9 – 11.8 馬なり余力。全体時計は目立ちませんが、ラスト1ハロン11.8秒を「馬なり余力」でマークしている点に注目。格の違いを見せる余裕のある動きで、好気配を維持しています。
| 父 | ダイワメジャー |
|---|---|
| 母 | コーステッド |
| 母父 | Tizway |
| 調教評価 | 順調に乗り込む (→) |
父ダイワメジャーは中山マイルとの相性が抜群。母系に米国スピード血統が並ぶ配合で、早期からの完成度とスピードの持続力が武器です。4歳秋を迎え、精神面の成長が伴えば、血統本来の爆発力が発揮される時期と考えられます。
前走は気性面と距離が敗因。津村騎手は「落ち着いてくれず出遅れた」「こういうタイプなので、この距離は長い」とコメントしており、今回のマイルへの距離短縮は最大のプラス材料となるでしょう。
12/11(木) 美浦W 良 85.3 – 68.7 – 53.6 – 38.5 – 11.6 G前仕掛け。美浦ウッドコースで、ラスト1ハロン11.6秒という鋭い伸びを見せました。終いの反応を確認する意図が感じられ、気性面の課題を抱える馬としては良い調整過程です。
| 父 | トーセンラー |
|---|---|
| 母 | プレシャスドロップ |
| 母父 | フレンチデピュティ |
| 調教評価 | 先着で脚色に余裕 (→) |
父トーセンラー(ディープインパクト系)に、母父フレンチデピュティというパワー血統の組み合わせ。6歳でも衰えを見せないのは母系のタフさによるものでしょう。中山の急坂をこなすパワーは十分に備わっています。
前走はG1のスプリント戦で、ハイペース追走で脚が溜まらなかった可能性があります。丹内騎手は「意外と脚を使えなかった」と振り返っており、今回のマイル戦への距離延長とクラス替わりで見直しが必要です。
12/10(水) 栗東CW 良 79.3 – 64.0 – 50.3 – 36.4 – 11.2 強めに追う。栗東CWで6ハロン79.3秒の猛時計をマークし、ラストも11.2秒と切れました。「先着で脚色に余裕」との評価通り、前走からの上積みは非常に大きく、体調は絶好調にあると判断できます。
| 父 | サトノダイヤモンド |
|---|---|
| 母 | ローズベリル |
| 母父 | キングカメハメハ |
| 調教評価 | 一息入るも仕上る (→) |
父サトノダイヤモンドに母父キングカメハメハという配合で、マイル適性が強化されています。一族に活躍馬が多い良血で、3歳牝馬としての成長力と持久力に期待が持てます。
前走の秋華賞では6着と健闘。西村淳騎手は「少し距離が長かったよう」とコメントしており、2000mからの距離短縮は明確なプラス材料です。状態面も安定しています。
12/11(木) 栗東坂路 良 52.7 – 38.6 – 25.1 – 12.1 一杯に追う。西村淳騎手を背に一杯に追われ、水準以上の時計をマーク。「一息入るも仕上る」との評価通り、休み明けを感じさせない動きで、態勢は整いつつあります。
| 父 | ダンカーク |
|---|---|
| 母 | ライトリーチューン |
| 母父 | マンハッタンカフェ |
| 調教評価 | 推進力ある走り (→) |
父ダンカーク(Unbridled’s Song系)のスピードとパワー、母系のスタミナが融合した血統。先行力としぶとさが生きるマイル戦で持ち味を発揮するタイプです。
前走は枠順の不利が響きました。戸崎騎手は「条件が噛み合えば、もっとやれた」とコメントしており、GIIIのマイル戦で自分のリズムで走れれば巻き返しは十分可能です。
12/10(水) 美浦W 良 82.9 – 66.6 – 51.7 – 37.7 – 11.6 強めに追う。美浦ウッドで優秀な時計をマークし、「推進力ある走り」と評されています。横山典騎手が騎乗して感触を確かめている点も不気味で、警戒が必要な一頭です。
父ハーツクライ、母ソーマジックという良血ですが、前走スワンS(18着)では落鉄の影響があったとのコメント。一週前追い切りは栗東坂路で一杯に追われましたが、53.5秒止まりで「動き今ひと息」との評価。本来の切れ味が見られず、最終追い切りでの変わり身がなければ評価は慎重にならざるを得ません。
父ルーラーシップ、母父ディープインパクトという配合。前走アイルランドT(13着)は三浦騎手が枠順とコースロスを敗因に挙げており、内枠なら一変の可能性も。しかし、一週前追い切りは栗東坂路で終いが12.8秒とかかり気味で「追われて案外」との短評。反応の鈍さが気になります。
父ベーカバド(Danzig系)で、時計のかかる馬場や急坂コースで真価を発揮するタイプ。一週前追い切りは美浦ウッドで軽めの調整ながら「久々も動き軽快」と評されており、リフレッシュ効果が感じられます。
父ジャスタウェイ(ハーツクライ系)で爆発力を秘めますが、気性的に難しい面があります。一週前追い切りは坂路で52.2秒と水準級ですが、終いが12.6秒とかかり「本調子には今一息」との評価。復調にはもう少し時間が必要かもしれません。
各馬の「一週前追い切り(主に12/10、12/11実施分)」のデータを、コース別に整理し比較します。
| 馬名 | 日付 | コース | 全体時計 (6F/5F) | ラスト1F | 評価・短評 |
|---|---|---|---|---|---|
| ドロップオブライト | 12/10 | 栗CW | 79.3 (6F) | 11.2 | 先着で脚色に余裕 |
| ダンツエラン | 12/10 | 栗CW | 80.8 (6F) | 11.5 | デキ安定 |
| ジョイフルニュース | 12/11 | 美W | 81.1 (6F) | 11.4 | 馬体充実動き目立 |
| リラボニート | 12/11 | 栗CW | 82.1 (6F) | 10.9 | 1ハロンの伸び抜群 |
| カピリナ | 12/10 | 美W | 82.9 (6F) | 11.6 | 推進力ある走り |
| ウンブライル | 12/10 | 美W | 84.7 (5F) | 11.8 | 動きスムーズ |
| ボンドガール | 12/11 | 美W | 85.3 (6F) | 11.6 | 順調に乗り込む |
| ランフォーヴァウ | 12/10 | 栗CW | 79.8 (6F) | 11.6 | この一追いで良化 |
| ソルトクィーン | 12/10 | 栗CW | 81.2 (6F) | 11.8 | 順調に乗る |
| フィールシンパシー | 12/10 | 美W | 87.9 (6F) | 12.0 | 久々も動き軽快 |
| キタウイング | 12/10 | 美W | 59.5 (4F) | 13.4 | 攻め軽めも順調 |
| 馬名 | 日付 | コース | 全体時計 (4F) | ラスト1F | 評価・短評 |
|---|---|---|---|---|---|
| ジューンオレンジ | 12/10 | 栗坂 | 52.2 | 12.6 | 本調子には今一息 |
| ドゥアイズ | 12/10 | 栗坂 | 52.3 | 12.8 | 追われて案外 |
| ビップデイジー | 12/11 | 栗坂 | 52.7 | 12.1 | 一息入るも仕上る |
| スリールミニョン | 12/10 | 栗坂 | 53.0 | 12.0 | スピード感十分 |
| ソーダズリング | 12/10 | 栗坂 | 53.5 | 12.4 | 動き今ひと息 |
| ホウオウラスカーズ | 12/10 | 美坂 | 53.8 | 12.5 | 軽快な動き目立つ |
| シングザットソング | 12/10 | 栗坂 | 54.0 | 12.3 | 順調に乗り込む |
| チェルビアット | 12/10 | 栗坂 | 55.0 | 12.2 | 好調持続 |
| エリーズダイヤ | 12/11 | 美坂 | 57.6 | 12.7 | 気性難見せる |
以上の詳細なデータ分析に基づき、2025年ターコイズステークスの注目馬を選定します。
一週前追い切りの動きが群を抜いています。CWで6ハロン79.3秒、ラスト11.2秒という時計は、GIIIレベルでは抜けた数字と考えられます。併せ馬で見せた「余裕のある先着」は、心身ともに充実している証拠。初重賞制覇も現実味を帯びます。
「馬なり」での調整ながら、動きの質が高く、5歳牝馬らしい落ち着きとロードカナロア産駒特有のスピード能力が融合しています。前走富士Sの内容も良く、軸として信頼できる一頭です。
距離短縮が最大の好材料。気性面に課題はあるものの、調教ではラスト11.6秒と鋭い伸びを見せており、ガス抜きができている様子が窺えます。能力の絶対値は高く、スムーズに運べれば圧勝まであり得ます。
リラボニートはCWのラスト1ハロン10.9秒という驚異的な瞬発力が魅力。展開がハマれば大駆けがあるかもしれません。カピリナはウッドコースでの「推進力ある走り」が光り、状態面での上積みが大きいと見られます。
2025年のターコイズステークスは、これらの調教絶好調馬を中心に、中山マイル適性とハンデを考慮した馬券戦略が求められます。最終追い切りまでしっかりとチェックし、当日のパドック気配も併せて判断することをお勧めします。
※本記事の分析は提供されたデータに基づいています。