2025年12月1日、帯広競馬場第8レース「松尾杯 グッバイ帯広」(B2-4組)は、まさに最終直線でのデッドヒートとなりました。好スタートから先行争いを繰り広げた9頭の中から、わずかな差で勝利をもぎ取ったのは8番コトブキテンザン。その激しいレース展開を詳細に回顧し、今後のばんえい競馬に繋がる注目点をお伝えします。
レースは全馬が一団となって第一障害に向かいます。ここで積極的に前に出たのは8番コトブキテンザンと、それに続いた9番クリスタルホーク。第一障害をスムーズにクリアした後、コトブキテンザンは中間点で一旦「刻む」(休む)戦略を選択。この時点で、クリスタルホーク、3番アカネリュウ、そして5番ハゴロモファルコンらが先行集団を形成し、息詰まる駆け引きが展開されました。前半52秒というペースは、タフなB2-4組らしい展開を示しています。
勝負の分かれ目となる第二障害手前で各馬が力を蓄め、一気に駆け上がります。ここで力強い押し上げを見せたのは、内から3番アカネリュウ、そして外の9番クリスタルホーク。クリスタルホークが力製(力強い引き)を見せ、先頭で障害をクリアする快挙を成し遂げます。しかし、すぐに8番コトブキテンザンが差を詰め、この二頭の激しいマッチアップが最終直線へと持ち込まれました。3番手にはアカネリュウが続き、上位3頭が抜け出す形となります。
残り30メートルを切り、帯広の直線はコトブキテンザンとクリスタルホークの激しい一騎打ちとなりました。両馬とも一歩も譲らないデッドヒートを展開し、場内の興奮も最高潮に達します。残り20メートル、並びかけるコトブキテンザンに対し、クリスタルホークも必死に応戦。しかし、最後は粘り強い末脚を見せた8番コトブキテンザンが、わずかに9番クリスタルホークを凌ぎ切り、勝利のゴール板を駆け抜けました。
この勝利でコトブキテンザンは今期2勝目(または通算12勝目)を達成。2着には惜しくも敗れたものの力強い走りを見せたクリスタルホーク、3着には最後まで粘り抜いた3番アカネリュウが入線しました。
今回の激戦から、今後のレースで注目すべき馬のパフォーマンスを振り返ります。