JRAが2026年からのG1レース賞金増額を発表しました。特にダートや牝馬限定、2歳G1が対象となり、フェブラリーSとチャンピオンズCは1.5億円に。この変更が日本の競馬界の国際競争力や、フォーエバーヤングに代表される有力馬の動向にどう影響するのか、発表内容とファンの様々な反応を解説します。
今回、JRAから発表された1着賞金の増額内容は以下の通りです。
特にダートG1であるフェブラリーSとチャンピオンズCが3000万円増の1億5000万円となり、牝馬限定G1のエリザベス女王杯、ヴィクトリアマイルと同額になりました。
この発表に対し、競馬ファンからは賛否両論、様々な意見が上がっています。
今回の賞金増額、特にこれまで比較的賞金が低かったレースが対象となったことについて、「地味だけど良い変更」「G2との賞金差が広がり、G1の価値が上がる」といった肯定的な意見が見られます。これまで古馬の中長距離G1の賞金が先行して引き上げられてきたため、他の路線とのバランスを是正する動きとして評価する声があるようです。
一方で、賞金増額の原資は馬券の売上であることから、「ファンに還元しろ」「控除率を変えるべき」といった声も根強く上がっています。また、「G1に出走できるようなトップクラスの馬主ではなく、弱小馬主や生産者を支援する方が先ではないか」という指摘も見られました。
賞金額がレースの「格」を示す指標の一つであることから、「天皇賞、ダービー、有馬記念、ジャパンカップといった伝統あるG1と、その他のG1でもっと賞金額に差をつけるべき」という意見も出ています。ファンの中には、歴史や重要性に応じて賞金にメリハリをつけるべきだと考える人も少なくないようです。
今回の増額で最も注目されているのが、フェブラリーSとチャンピオンズCのダートG1です。1着賞金1億5000万円は大きな金額ですが、世界の高額賞金レースと比較すると、その差は依然として大きいのが現状です。
ファンからは「この程度の増額では、フォーエバーヤングのようなトップクラスのダート馬は海外に流出するだろう」という冷静な見方が多く聞かれます。実際に「フェブラリーSの賞金がようやくサウジカップの5着賞金に追いついた程度」という比較や、「サウジカップが高すぎる」という指摘もあります。
中には「ダートG1は3億、いや5億くらいにしないと国内はスカスカのまま」という意見もあり、世界のダート競馬との賞金格差を埋めるには、まだ道半ばと捉えられています。また、フェブラリーSについては賞金だけでなく、「芝スタートというコース形態や、サウジ・ドバイへの海外遠征と日程が近いことも課題」という声も上がっています。
2歳G1である朝日杯FS、ホープフルS、阪神JFも増額の対象となりました。これまでの賞金額はG2のステップレースと大差ない水準だったため、「安すぎた」と感じていたファンも多く、今回の増額は妥当と見る向きがあります。
特にホープフルSは、過去の勝ち馬にサートゥルナーリアやコントレイルといった後のクラシックホースがいることから、「もっと評価されていい」という声もありました。
今回のJRAによるG1賞金増額は、特定の路線に偏っていた賞金体系のバランスを見直し、各カテゴリーの価値を高めようとする意図がうかがえます。しかし、特にダート路線においては、世界の高額賞金レースとの差は依然として大きく、トップホースの国内回帰に繋がるかは未知数です。
ファンからは様々な意見が出ていますが、この変更が日本の競馬全体のレベルアップと魅力向上に繋がることが期待されます。