クロワデュノール vs カランダガン、東京2400mの覇権争い
概要
2025年11月30日に第45回ジャパンカップ（GI、東京芝2400m）が開催される。 今年は欧州最強馬カランダガンが参戦し、日本ダービー馬クロワデュノールをはじめとする国内強豪馬と激突する。 過去20年間外国馬の勝利がない歴史が塗り替えられる可能性があり、注目の一戦となる。 本レポートでは、血統、コース、調教データに基づき、レースの予想ポイントを詳細に分析する。
記事の要点
- ✓欧州最強馬カランダガンと日本ダービー馬クロワデュノールが激突する歴史的な一戦。
- ✓東京芝2400mでは、持続力に優れた「トニービンの血」を内包する馬が有利な傾向。
- ✓調教ではクロワデュノールがS評価と抜群の動きを見せ、凱旋門賞からの立て直しに成功。
- ✓3歳馬マスカレードボールは天皇賞（秋）制覇の勢いと血統適性から有力候補。
- ✓カランダガンの実力は世界トップクラスだが、日本の高速馬場への適性が勝敗の鍵。
1. 歴史的背景と展望
レース概要
- **開催日**: 2025年11月30日
- **レース名**: 第45回ジャパンカップ (GI)
- **舞台**: 東京競馬場 芝2400m
- **創設目的**: 「世界に通用する強い馬作り」 (1981年創設)
近年の傾向と注目点
- **近年の傾向**: 2005年のアルカセット以来、20年間外国馬の勝利なし。
- **2025年の注目点**: 欧州最強馬カランダガンの参戦により、外国馬勝利の歴史が変わる可能性。
- **分析手法**: 直近2週間の調教データ、厩舎コメント、過去の血統傾向、コース適性を徹底分析。
主要参戦馬
- **欧州代表**: カランダガン (4歳セン馬、現役世界最強候補)
- **日本代表**: クロワデュノール (3歳牡馬、日本ダービー馬)
- **日本代表**: マスカレードボール (3歳牡馬、天皇賞（秋）優勝)
- ダノンデサイル (4歳牡馬、昨年のダービー馬)
- タスティエーラ (3歳牡馬、一昨年のダービー馬)
- ドゥレッツァ (昨年のジャパンカップ2着同着)
- シンエンペラー, ジャスティンパレス, ブレイディヴェーグ など
2. コース分析：東京芝2400m
コース特徴
- 日本競馬で最も実力が反映される舞台。「チャンピオンコース」。
- 紛れを排除し真の強者を選別する。
コースレイアウトとペース配分
- スタート地点: スタンド前の坂下。
- 1コーナーまでの距離: 約350m。
- 枠順: 過去10年、内枠（特に1桁馬番）からの好走例が多い傾向。
展開予測と勝敗要素
- 明確な逃げ馬不在。スロー～ミドルペースと予測。
- 勝敗を分ける要素: ポジショニング、東京特有の「上がり3ハロンの瞬発力」と「持続力」。
馬場状態とトラックバイアス
- 開催最終週、例年Cコース使用。馬場状態は例年良好。
- カランダガンのコメント「日本の芝への対応もできそう」は適応能力の高さを示唆。
3. 血統分析：「トニービンの血」
東京芝2400mにおいて、トニービン（Tony Bin）の血統的影響力は非常に大きい。
- 東京の長い直線で見せる「長く良い脚（持続力）」。
- 左回りコースへの高い適性。
- 欧州由来のスタミナと底力、日本の高速馬場に対応できるスピードの持続力。
2025年の「トニービン内包」該当馬
マスカレードボール (父ドゥラメンテ)
天皇賞（秋）制覇の勢いと血統適性が合致。3歳馬の斤量恩恵もあり有力。
ドゥレッツァ (父ドゥラメンテ)
昨年の3着馬。コース適性は証明済みで、巻き返しの余地あり。
ホウオウビスケッツ (母父ルーラーシップ)
先行粘り込みなら脅威。距離延長が課題だが血統はプラス。
ダノンベルーガ (父ハーツクライ)
東京コース適性は高いが、近走の反応の鈍さが懸念。
アドマイヤテラ (母父ハーツクライ)
スタミナ豊富。タフな展開になれば浮上。
特に注目: マスカレードボールとドゥレッツァは、ドゥラメンテ産駒としてトニービンの血を色濃く受け継ぎ、適性はメンバー中でも群を抜く。
4. 有力馬詳細分析
クロワデュノール
S
状態: ダービー時以上の迫力。凱旋門賞からの立て直しに成功し、ほぼ万全な態勢。
最終追い切り: C.デムーロ騎乗、3頭併せ。直線で鋭く伸び併走馬を圧倒。「格の違い」を見せる動き。ラスト1F 11.1秒。
分析: 肉体・精神面の充実が見て取れる。東京の良馬場で真価を発揮する可能性が高い。
マスカレードボール
A+
状態: 天皇賞（秋）優勝馬。中3週だが、疲れはなくさらに上昇気配。幼さが解消され精神面で成長。
最終追い切り: 53.0-38.1-25.0-12.4（馬なり）。「好気配保つ」。無理なく好時計。
分析: トニービン内包のドゥラメンテ産駒で血統適性ベストマッチ。3歳馬の斤量恩恵（56kg）も大きい。
カランダガン
A
状態: 欧州年度代表馬、世界ランキング1位。G1を3連勝中。来日後も動きは力強い。
最終追い切り: 東京芝で81.8-12.2（馬なり）。「体も動きも良く」、日本の硬い芝にも対応できそうな軽快なフットワーク。
分析: 唯一の懸念は日本の超高速馬場への適性だが、リズミカルなフットワークは瞬発力勝負にも対応可能。
ジャスティンパレス
A
状態: 昨年の天皇賞（春）覇者。前走3着も地力の高さを示した。叩き2走目で上積み大。
最終追い切り: 52.0-11.5（軽め）。「毛ヅヤの良さ」が特筆され、内臓面のコンディションが絶好調。
分析: 距離延長もプラス。C.デムーロ騎手とのコンビも魅力的。人気落ちなら狙い目。
ダノンデサイル
B+
状態: 2024年ダービー馬。前走海外遠征明け5着も、叩き2走目で良化見込み。
最終追い切り: 81.3-11.4（馬なり）。「馬体は上々」。
分析: 昨年のダービー制覇舞台で適性証明済み。筋肉が浮いて迫力十分の馬体で復活の可能性あり。
5. 穴馬・特注馬分析
ドゥレッツァ
昨年の菊花賞馬、JC2着。前走8着も「攻め強化」で変わり身狙い。
トニービンの血を持つドゥラメンテ産駒で東京2400mベスト。人気落ちで狙い目。
ホウオウビスケッツ
逃げ・先行力が魅力。調教「反応良化」。
スローペースならマイペースで運べれば残り目あり。トニービンの血も後押し。
ディープモンスター
7歳でも馬体若々しく、調教で気迫十分。「順調に乗り込む」評価。
内枠を活かして好位で立ち回れば上位入線も。
6. 総合評価と結論
予想のポイント・総括
- 3歳馬の優位性: クロワデュノール（調教S、ダービー馬）とマスカレードボール（調教A+、天皇賞秋優勝）は古馬を凌駕するポテンシャルと調教の動き。クロワデュノールの「格の違い」を見せる動きは圧巻。
- トニービンの血: マスカレードボール、ドゥレッツァ、ホウオウビスケッツの評価を上げる。特にマスカレードボールは勢いと血統の両面で推せる。
- カランダガンの取捨: 世界1位の実力は本物だが、日本の高速馬場への適性は未知数。調教での軽快な動きから対応の可能性も高く、「来ない」と決めつけるのは危険。馬券には必ず組み込むべき。
- ジャスティンパレスの復権: 前走敗戦で人気を落としている可能性。毛ヅヤの良さは体調の良さの証。C.デムーロ騎手の手綱捌きでインから強襲するシーンは十分にイメージできる。
有力馬比較表
| 馬番 | 馬名 | 騎手 | 調教評価 | 血統評価 (東京2400m) | 総合評価 | コメント |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2 | クロワデュノール | 北村友一 | S | A | ◎ | 調教絶好。ダービー馬の底力と斤量恩恵で王座奪還へ。 |
| 15 | マスカレードボール | C.ルメール | A+ | S (トニービン内包) | ○ | 天皇賞（秋）の勝者。血統適性抜群でG1連勝濃厚。 |
| 8 | カランダガン | M.バルザローナ | A | B (欧州血統) | ▲ | 世界ランク1位。日本の馬場に対応できれば圧勝も。 |
| 1 | ジャスティンパレス | C.デムーロ | A | A | △ | 内枠とC.デムーロ騎手で一発ある。毛ヅヤ最高。 |
| 14 | ダノンデサイル | 戸崎圭太 | B+ | A | △ | 昨年のダービー馬。叩き2走目で良化。 |
| 17 | ドゥレッツァ | A.プーシャ | B | A+ (トニービン内包) | ☆ | 昨年2着の実績と血統適性で見直し必要。 |
| 6 | ホウオウビスケッツ | 岩田康誠 | B+ | A (トニービン内包) | 注 | 先行力と血統的魅力。展開利あれば。 |
結論: 今年のジャパンカップは、3歳馬、世界最強の刺客、復権を期す古馬勢が入り乱れる大混戦。 調教抜群のクロワデュノールを筆頭に、マスカレードボール、カランダガン、ジャスティンパレスを中心とした馬券戦略が期待値の高い戦い方となる。
最終的な買い目とプロの結論
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