鳴尾記念 2025: 徹底分析と予想

冬の阪神開幕週、中距離重賞の頂点へ

概要とコース特性

レース概要

• レース名: 第78回鳴尾記念 (GIII)
• 開催日: 2025年12月6日
• 開催場所: 阪神競馬場 1日目
• 距離・馬場: 芝1800m (外回り)
• 特徴: 冬の阪神開幕週に開催される中距離重賞。かつては宝塚記念の前哨戦だったが、現在は実力馬が集う一戦。オーバーシードされた洋芝の状態が鍵となり、スピードだけでなくタフな馬場をこなすパワーと急坂を駆け上がる底力が求められる。

阪神芝1800m (外回り) コース特性

• 向こう正面からスタートし、最初のコーナーまで約665mの長い直線。
• 枠順の有利不利は比較的小さい。
• 3コーナーから4コーナーにかけて緩やかな下り坂でペースが上がりやすい。
• 最後の直線は473.6mと長く、高低差1.8mの急坂がある。
• 瞬発力と持続力の両方が求められ、追い切りでのラスト1ハロンの加速力が重要指標となる。

有力馬分析

オールナット

• 一週前追い切り診断: 11月27日、栗東坂路で「一杯」に追われ、53.3 – 38.4 – 24.6 – 12.1を記録。力強い脚捌きで自己ベストに迫る好時計。中間も意欲的に乗り込まれ、状態は疑いようがない。ラスト1ハロン12.1秒は急坂をこなすパワーを示唆。
• 前走分析: チャレンジカップ覇者。馬群の中で巧みに立ち回り、直線で鋭く抜け出し勝利。操縦性の高さと瞬発力を証明。北村友一騎手への乗り替わりだが、完成の域にあるため問題視されない。
• 血統背景: 父サトノダイヤモンド、母父フレンチデピュティ。持続力とパワー・スピードのバランスが良く、現在の阪神コースに適した配合。
• 評価: 盤石の仕上げで重賞連勝へ。信頼度最も高い。

グランヴィノス

• 一週前追い切り診断: 11月27日、栗東CWコースで主戦の川田将雅騎手を背に追い切られ、ラスト1ハロン11.3秒という圧巻の切れ味を披露。全体時計82.7秒も優秀。シャープな脚捌きから本格化した様子がうかがえ、メンバー屈指の瞬発力に注目。
• 前走分析: チャレンジカップでオールナットの2着。昇級初戦の重賞で地力の高さを示した。叩き2戦目となる今回は、前走以上のパフォーマンスが期待でき、上積みという点で最大の魅力。
• 血統背景: 父キタサンブラック、母ハルーワスウィートという超良血。兄姉にヴィルシーナ、シュヴァルグランらがいる。古馬になって本格化する血統で、5歳を迎えた今が充実期。直線の長い阪神外回りは絶好の舞台。
• 評価: 逆転を誓う良血の申し子。上積みは計り知れず、逆転の可能性も十分。

ウエストナウ

• 一週前追い切り診断: 11月30日、栗東CWコースで88.8秒と軽めの調整。中2週を考慮し、前走時の良い状態維持に主眼。プール調整を取り入れ、脚元ケアと心肺機能向上を意図。陣営の自信の表れと見られる。
• 前走分析: アンドロメダステークスで大外枠から豪快な差し切り勝ち。距離ロスをものともしないパフォーマンスは着差以上に強く、展開に左右されない自力の高さが武器。直線の長い阪神コースでも末脚は通用する。
• 血統背景: 父キズナ、母父フランケル。パワーとスタミナに優れ、タフな馬場も苦にしない血統構成は、師走の阪神で歓迎材料。
• 評価: 規格外のポテンシャル。底知れぬポテンシャルを秘める。

ダノンエアズロック

• 一週前追い切り診断: 11月26日、美浦Wコースでラスト1ハロン11.1秒という驚異的な時計をマーク。格上馬を相手に楽々と先着し、休み明けを感じさせない絶好の動き。「久々も好仕上がり」の短評通り、初戦から能力全開で走れる状態。
• 前走分析: ジューンステークス5着は馬場の悪さとキックバックが敗因で度外視可能。開幕週のきれいな馬場なら本来のスピード能力を発揮できる可能性が高く、一変が期待される。
• 血統背景: 父モーリス、母モシーン。マイルG1級のスピードを秘める。1800mは守備範囲であり、スローペースからの瞬発力勝負になればスピードが最大の武器となる。
• 評価: 半年ぶりの実戦も態勢万全。休み明けで人気が落ちるなら絶好の狙い目。追い切りの動きはG1級のポテンシャルを示唆。

穴馬・特注馬評価

デビットバローズ

評価: 先行策からの粘り込みが期待できる。栗東CWでの一週前追い切りでラスト1ハロン11.1秒を記録。長めから追われて最後まで鋭く伸び、状態は良好。父ロードカナロアのスピードを活かし、開幕週の馬場を味方につければ粘り込みが期待できる。調教の動きも良く、ノーマークは危険。

ショウナンマグマ

評価: 展開の鍵を握る逃げ候補。美浦Wコースでの追い切りは意欲的な内容。メンバー構成的に単騎逃げが濃厚で、マイペースに持ち込めれば一発の可能性を秘める。去勢明け2戦目で粘り強さも増しており、軽視は禁物。

ニホンピロキーフ

評価: CWで好調持続。栗東CWで好調を維持していることを示す動きを見せた。父キタサンブラック産駒らしく、長くいい脚を使えるタイプ。スタミナが活きる阪神外回りコースは合っており、展開が向けば上位争いに加わる力はある。

オメガギネス

評価: ダート実績馬の芝挑戦。坂路で50.1秒という猛時計を記録しており、スピード能力は確か。今回は芝への挑戦だが、父ロゴタイプ、母父ハービンジャーという血統なら芝適性は十分。芝替わりで新味を見せる可能性を秘めた不気味な存在。

予想ポイントと推奨馬

展開シミュレーション

ショウナンマグマが逃げ、デビットバローズが続くスローペースが濃厚。前半1000mは60秒前後で推移し、勝負は直線での瞬発力とトップスピードの質で決まる。後方からの追い込みは難しく、好位からスムーズに加速できる馬が有利。

調教・状態面からの推奨

• ◎ オールナット: 坂路での入念な乗り込みと持続力のある末脚。どんな展開にも対応できる自在性があり、信頼度は最も高い。
• ○ グランヴィノス: CWでのラスト11.3秒は本格化の証。叩き2戦目の上積みは計り知れず、逆転の可能性も十分。

穴馬推奨

• ▲ ダノンエアズロック: 休み明けで人気が落ちるなら絶好の狙い目。追い切りの動きはG1級のポテンシャルを示唆。
• △ デビットバローズ: 開幕週の馬場を活かした先行策が魅力。調教の動きも良く、ノーマークは危険。

結論と予想印

前走チャレンジカップの上位2頭、オールナットとグランヴィノスの再戦ムードが濃厚。両馬とも素晴らしい追い切りの動きを見せており実力は伯仲だが、レースセンスと自在性で勝るオールナットを本命に推奨。この2頭に割って入る存在として、底知れぬポテンシャルを秘めたウエストナウ、休み明けでも万全のダノンエアズロックが続く。

◎

○

▲

△

△

注

オールナットグランヴィノスウエストナウダノンエアズロックデビットバローズショウナンマグマ

一週前追い切りタイム一覧（11/26〜11/30）