ウェイワードアクト徹底分析と東京ダート1400m攻略データ
開催概要
- レース名: 霜月ステークス
- 開催日: 2025年11月23日
- 場所: 東京競馬場
- 距離: ダート1400m
- クラス: オープン・別定重量戦
- 位置づけ: 年末主要ダート戦線、翌年フェブラリーステークス(G1)へのステップレース
記事の要点
- 中心馬ウェイワードアクトは、長期休養明けでもG1級の調教時計を記録し、万全の態勢。
- 東京ダート1400mは芝スタートが特徴で、外枠有利の傾向がある一方、データ上は「5枠」が不振。
- 血統はネイティヴダンサー系(ミスプロ系)がスピードと持続力で優位性を持つ。
- 対抗馬は砂被りが課題のコンクイスタ、充実期のサルヴァトーレ。穴馬としてロジアデレードも注目。
1. コース・バイアスとトレンド分析:東京ダート1400mの「解」
コース特性:
- JRAのダートコースの中でも特異な形状。
- 向こう正面の芝コース上にスタート地点が設けられている。
- ダートコース合流までの距離が長く、芝でのダッシュ力が序盤を支配する。
芝スタートと枠順の力学:
- 外枠有利セオリー: 外枠は芝部分を長く走れるため、加速を利用して好位を取りやすく、砂被りのリスクを軽減できる。
- 内枠の苦戦: 内枠は芝部分が短く、ダッシュがつかないと馬群に包まれ、砂を被り続ける厳しい展開になりやすい。
枠順別成績トレンド(過去10年):
- 「死の枠」: 5枠(勝率0.0%、連対率5.0%)。真ん中の枠は内外の馬に挟まれやすく、位置取り判断が難しいことが要因。
- 好走年齢: 3歳馬(複勝率27.3%)。古馬相手に健闘し、斤量差や成長力を活かせるため、人気薄でも警戒が必要。
- 不振枠の該当馬: タイセイブレイズ(9番)、ハチメンロッピ(10番)が5枠に入っており、統計的に厳しい戦いが予想される。
血統バイアス:
- 求められる資質: 東京ダート1400mは、直線の長い坂を越えるパワーと、1400mを走り抜くスピードの持続力が求められる。
- 優位性を持つ系統:
- ネイティヴダンサー系(ミスプロ系): 芝・ダート兼用のスピードタイプが多く、芝スタートの東京D1400mとの親和性が高い。該当馬例:ウェイワードアクト、エスカル、コンクイスタ。
- ナスルーラ系: グレイソヴリン系、ボールドルーラー系が含まれる。東京コース特有の「長い直線での末脚」や、力の要る馬場での粘り強さが武器。該当馬例:サルヴァトーレ(母父Boston Harbor)。
- サンデーサイレンス系: 日本の主流血統。瞬発力が武器だが、ダート戦においては「芝並みのスピード」が問われる東京D1400mで輝くケースがある。該当馬例:レディントン。
2. 有力馬徹底解剖:ウェイワードアクトとライバルたち
ウェイワードアクト (Wayward Act)
- 父: Maclean’s Music
- 母父: Majestic Warrior
- 厩舎: 美浦・田中博康
- 騎手: 戸崎圭太
- 予測オッズ: 2.3倍 (1番人気)
分析:
- 約6ヶ月の長期休養明けだが、調教で破格の時計を記録し、万全の態勢。
- 過去の休み明け実績は [3.0.0.0] で、久々を苦にしないどころか、フレッシュな状態でこそ真価を発揮するタイプ。
- 前走アハルテケステークス(OP)で不良馬場の中、先行押し切り勝ち。
- 調教ログ分析:
- 1週前(美浦W、良):78.4 – 63.2 – 49.7 – 36.2 – 11.2秒。「久々も好気配」。G1級と比較しても遜色ない時計。
- 最終追い切り(11/19水、美浦W、良):82.3 – 67.1 – 52.5 – 37.9 – 11.7秒。「万全の態勢整う」。余力残しでラスト11.7秒をマーク。
- 厩舎コメントも強気で、骨折は軽度で休養がプラスに働く見込み。
- 懸念点は前走後の戸崎騎手の「反応が良過ぎた」というコメントだが、調教での折り合いはついている。
コンクイスタ (Conquista)
- 父: ロードカナロア
- 母父: Pivotal
- 厩舎: 栗東・吉岡
- 騎手: 佐々木大輔
- 予測オッズ: 4.3倍 (2番人気)
分析:
- 前走東海ステークス(G2)6着は、砂を被る形が苦手だったことが敗因と見られる。能力負けではない。
- 相手関係が緩和され、巻き返しの絶好機。
- 懸念点: 「砂被りを嫌う」特性があり、4枠8番からいかにスムーズに外目のポジションを確保できるかが鍵。
- 調教の動きは軽快で、体調面に不安はない。
サルヴァトーレ (Salvatore)
- 父: キズナ
- 母父: Boston Harbor
- 厩舎: 美浦・和田郎
- 騎手: 荻野極
- 予測オッズ: 5.5倍 (3番人気)
分析:
- 前走ペルセウスステークス(OP)で2着。ハイペースを好位で追走し、しぶとく粘り込む競馬が板についている。
- 調教解説で「疲れは皆無。雰囲気は良好」と絶賛されており、前走以上のパフォーマンスが期待できる。
- 父キズナ×母父Boston Harborの血統は、東京ダート1400mの消耗戦に強い構成。
ワイワイレジェンド (Waiwai Legend)
- 父: ダノンレジェンド
- 母父: フォティテン
- 厩舎: 栗東・前川
- 騎手: 横山和生
- 予測オッズ: 10.9倍 (5番人気)
分析:
- 前走はカラ馬に絡まれながらも押し切る強い内容。昇級戦でも自分のリズムで運べれば通用するスピードを持つ。
- 調教でも強い負荷をかけられ、勝負気配が漂う。
- 大外枠(8枠15番)を引いたことで、内の出方を見ながらスムーズに先行できる点はプラス材料。
3. 穴馬と危険な人気馬の選定
特注穴馬:ロジアデレード (Logia Adelaide)
- 前走勝利の勢いそのままに昇級戦へ。
- 調教の動きは「力強さは十分で、見た目の動きは申し分なし」と高い評価。
- 先行力があり、立ち回り一つで上位に食い込む可能性を秘めた人気の盲点。
警戒が必要な馬:ユキマル (Yukimaru)
- 陣営コメントで「絶好調」とされており、状態面は文句なし。
- 前走1200mを勝ったスピードは大きな武器。父グレーターロンドン産駒はコース適性も高い。
- 距離延長さえこなせれば、単穴以上の評価が必要。
危険な人気馬の検証:フルム
- 近2走(11着、9着)の着順から、往年の鋭さが影を潜めている可能性。
- 調教解説で「走りはややこぢんまりしている」との指摘があり、実績上位でも過信は禁物。
4. 調教比較分析:最終追い切りの評価 (11/19実施分)
| 馬名 | コース | 時計 (全体-ラスト1F) | 評価 | 分析 |
|---|---|---|---|---|
| ウェイワードアクト | 美浦W | 82.3 – 11.7 | S | 文句なしの動き。1週前の猛時計の反動もなく、さらに上昇。 |
| コンクイスタ | 栗東坂 | 58.8 – 14.5 | B+ | 軽めだが予定通り。態勢は整っている。 |
| サルヴァトーレ | 美浦W | 82.4 – 11.9 | A | 単走で集中力あり。フットワークに力強さがあり好調キープ。 |
| ロジアデレード | 美浦坂 | 53.1 – 12.2 | A | 力強さ十分。昇級戦でも気後れしない動き。 |
| ユキマル | 美浦W | 84.8 – 11.6 | A | 「動きハツラツ」の短評通り。終いの伸びが鋭い。 |
5. 総合評価と結論
展開シミュレーション:
- ワイワイレジェンドが大外から主張し、ウェイワードアクトがそれをマークする形が予想される。
- ペースは平均〜ややハイペースで推移し、直線の坂で先行勢のスタミナが問われるタフな流れになる。
結論:ウェイワードアクト「1強」の様相
- 圧倒的な調教時計: 1週前の美浦W 78.4秒は、このクラスの馬が出せる時計の常識を超えている。
- 鉄砲実績: 休み明け [3.0.0.0] というデータは、長期休養がプラスに働くことを証明。
- コース適性: 父Maclean’s Musicの米国スピード血統は、芝スタートの東京ダート1400mに最適。
- 対抗: コンクイスタ(砂被りへの懸念あり)。
- 単穴: サルヴァトーレ(充実期)。
- 連下: ワイワイレジェンド(展開利)、ロジアデレード(昇級の勢い)。
推奨買い目構成:
◎4 ウェイワードアクト
○8 コンクイスタ
▲11 サルヴァトーレ
☆15 ワイワイレジェンド
△3 ロジアデレード, 5 ユキマル, 1 レディントン
買い目プラン:
- 単勝: 4
- 馬連/馬単: 4 – 8, 11, 15, 3 (本線は4-8, 4-11)
- 3連単フォーメーション: 1着: 4 / 2着: 8, 11, 15, 3 / 3着: 8, 11, 15, 3, 5, 1
注意: 最終的な馬券購入の判断は、当日のパドック気配、オッズ変動、馬場状態などを加味して行うこと。