第42回マイルチャンピオンシップ2025

最終追い切り評価・調教分析と推奨馬

レース名: 第42回マイルチャンピオンシップ (G1)

開催日: 2025年11月23日

記事公開日: 2025年11月20日

要点のまとめ

調教評価S:

• ジャンタルマンタル（王者の貫禄）
• ラヴァンダ（覚醒の域）

調教評価A+:

• ソウルラッシュ（切れ味抜群）
• アスコリピチェーノ（海外帰り）
• レーベンスティール（好調維持）

特記:

• ラヴァンダが栗東坂路で4F 50.5秒の最速時計を記録。
• ソウルラッシュは1週前CWでラスト1F 10.9秒をマーク。

穴馬推奨:

• ウインマーベル
• エルトンバローズ（状態上昇著しい）

調教分析の方法論と評価基準

以下の4つの指標を基に、各馬の調整過程を評価する。

• タイムと脚色 (Action): 全体時計、ラスト1ハロン（1F）の伸び脚、追う強度（馬なり、強め、一杯）を重視。
• 調教コース特性: 栗東坂路（パワー、登坂力）、栗東CW（持続力、折り合い）、美浦南W（コーナーワーク、実戦感覚）などコース特性を加味。
• 矢印 (Trend): 調教データに付随する矢印（↗：上昇、→：順調/平行線）を、陣営の手応えや馬の気配の客観的指標として重視。
• コメントと文脈: 前走時のコメントと今回の追い切り短評を照らし合わせ、課題克服状況や精神面の充実度を評価。

出走予定馬 全頭詳細分析

• プロフィール: ダイワメジャー産駒、4歳牝馬。パワーとスピード持続力に定評。海外遠征からの帰国初戦。
• 中間調整: 1週前（11月13日 木）栗東CWで6F 94.4秒、ラスト1F 11.3秒（強め）をマーク。遠征の疲れ感じさせず。
• 最終追い切り: 11月19日（水）栗東CW。全体時計96.1秒とゆったり。ラスト3Fからの加速が秀逸で、ラスト1F 11.2秒。短評「集中力出て」通り精神面も整う。
• 血統・適性: 母系にサドラーズウェルズの血。タフさ強化の可能性。CWでの鋭い切れ味は京都高速決着に対応可能。

• プロフィール: アイルハヴアナザー産駒、6歳牡馬。スワンステークス4着からの参戦。
• 中間調整: 1週前美浦Wで強めに追われ、前走からの上積み顕著。その後も意欲的に負荷をかけられる。
• 最終追い切り: 11月19日（水）美浦W。6F 85.1秒、ラスト1F 11.6秒を「馬なり」で楽にマーク。短評「好気配示す」。矢印「↗（上昇）」。
• 血統・適性: 1400mイメージも、充実期でマイルの流れに対応可能。

• プロフィール: ドレフォン産駒、4歳牡馬。前走富士ステークス9着。
• 最終追い切り: 11月19日（水）栗東坂路。全体時計56.5秒と目立たないが、終い重点でラスト1F 12.0秒をまとめる。「シャープな脚捌き」でキビキビした動き、調子の落ち込みなし。
• 血統・適性: ドレフォン産駒らしいパワータイプ。タフな流れで真価を発揮する可能性。

• プロフィール: ディープブリランテ産駒、5歳牡馬。毎日王冠5着からの巻き返し狙い。
• 最終追い切り: 11月19日（水）栗東坂路。西村淳也騎手騎乗。「馬なり」で4F 54.4秒、ラスト1F 11.8秒の鋭い切れ味。矢印「↗（上昇）」で状態はピーク近い。
• 血統・適性: 持続力勝負に強い血統。調教での11秒台連発はスピード能力の高さの証明。

• プロフィール: Farhh産駒、4歳牡馬（英国産）。スワンステークス制覇。
• 最終追い切り: 11月19日（水）栗東坂路。無理せず4F 53.4秒をマークし軽快な動き。「高いレベルで安定」と評され、前走勝利の勢いを維持。
• 血統・適性: 欧州血統だが日本の高速馬場に対応済み。速い流れで底力が活きる。

• プロフィール: キタサンブラック産駒、6歳牡馬。富士ステークス優勝馬。
• 最終追い切り: 11月19日（水）栗東坂路。1週前に51.6秒の猛時計。最終は軽め調整。「フットワーク軽快」で好調維持。
• 血統・適性: キタサンブラック×クロフネ配合でスタミナと持続力豊富。京都下り坂利用の競馬は理想的。

• プロフィール: ビッグアーサー産駒、5歳牡馬。スプリンターズS 9着からの距離延長。
• 最終追い切り: 11月19日（水）栗東坂路。4F 54.1秒、ラスト1F 12.0秒としっかりまとめる。「一息入るも仕上る」との短評でリフレッシュ効果見込める。
• 血統・適性: マイルへの距離延長での折り合いが鍵だが、調教での制御は効いている様子。

• プロフィール: パレスマリス産駒、4歳牡馬。富士S 2着、昨年のマイル王。
• 最終追い切り: 11月19日（水）栗東坂路。全体時計54.1秒、ラスト1F 11.8秒。坂路終いで11秒台連発は充実の証。矢印「↗（上昇）」。王者の仕上がり。
• 血統・適性: スピード絶対値はメンバー随一。京都良馬場なら能力を遺憾なく発揮可能。

• プロフィール: ドゥラメンテ産駒、5歳牡馬。富士ステークス8着。
• 最終追い切り: 11月19日（水）美浦坂路。4F 52.8秒の好タイム。最後まで脚を伸ばす。「終いの伸び良」は前走課題の集中力改善を示唆。
• 血統・適性: 精神面の課題解消なら巻き返し期待。

• プロフィール: ルーラーシップ産駒、7歳牡馬。富士ステークス3着の実力馬。
• 中間調整: 1週前（11月13日 木）栗東CWで6F 80.1秒、ラスト1F 10.9秒を記録。前走の重さ解消、究極の切れ味。
• 最終追い切り: 11月19日（水）栗東坂路。全体53.7秒、ラスト1F 12.1秒。臨戦態勢万全。
• 血統・適性: 7歳でも衰え知らず。京都外回りの直線勝負は得意舞台。CWで見せた10秒台の脚が炸裂すれば勝ち負け必至。

• プロフィール: ハービンジャー産駒、4歳牝馬。毎日王冠7着。
• 最終追い切り: 11月19日（水）美浦W。馬なりで軽快な動き、リラックスした走り。「動き軽快」で素軽さ増す。
• 血統・適性: ハービンジャー産駒は京都芝適性が高く、前走以上のパフォーマンス期待。

• プロフィール: ビッグアーサー産駒、6歳牡馬。スプリンターズS 10着。
• 最終追い切り: 11月19日（水）美浦W。直線強めに追われ、ラスト1F 11.7秒。「反応良し」で、前走指摘のズブさ懸念を払拭。
• 血統・適性: スプリント色強いが、反応の良さでマイルの流れに対応可能。

• プロフィール: Massaat産駒、5歳牡馬（外国馬）。英国からの参戦。
• 最終追い切り: 11月20日（木）京都芝コース。実戦形式でラスト1F 11.6秒を「馬なり」でマーク。日本の芝適応力高そう。「力強い脚捌き」でコンディションの良さ窺える。
• 血統・適性: 欧州馬特有の重さなく、京都の軽い芝に対応できる素地あり。

• プロフィール: キズナ産駒、3歳牡馬。富士ステークス10着。
• 最終追い切り: 11月19日（水）栗東坂路。1週前にCWで好時計。最終は調整程度。「先週好時計」で中間ガス抜きでき、折り合いつけば怖い存在。
• 血統・適性: キズナ産駒の爆発力侮れず。スムーズな競馬なら一変の可能性。

• プロフィール: シルバーステート産駒、4歳牝馬。アイルランドロフィー1着。
• 最終追い切り: 11月19日（水）栗東坂路。4F 50.5秒 – 3F 36.0秒 – 2F 23.5秒 – 1F 11.8秒。G1メンバー中でも群を抜く一番時計を「馬なり」でマーク。自己ベスト更新の圧巻パフォーマンス。矢印「↗（上昇）」で絶好調。
• 血統・適性: シルバーステート産駒特有のスピード能力が完全に覚醒した可能性。前走勝利の勢いそのままに進化。

• プロフィール: リアルスティール産駒、5歳牡馬。毎日王冠1着。
• 最終追い切り: 11月19日（水）美浦W。「馬なり」で6F 82.5秒、ラスト1F 11.6秒をマーク。「力強い脚捌き」で毎日王冠からの好調維持。
• 血統・適性: 長く良い脚を使えるタイプ。京都外回りはベストの舞台。

• プロフィール: ヴィクトワールピサ産駒、7歳セン馬。毎日王冠8着。
• 最終追い切り: 11月19日（水）美浦W単走。マイペース調整。「単走だけに上々」で、派手さはないがベテランらしく状態維持。
• 血統・適性: 展開の助けがあれば上位食い込みの力あり。

• プロフィール: カリフォルニアクローム産駒、4歳牝馬。スワンS 2着。
• 最終追い切り: 11月19日（水）栗東坂路。全体時計56.1秒と平凡だが、「細いが動き良く」軽快な動き。マイルこなせる可能性示唆。
• 血統・適性: 京都1400m得意だが、今の状態ならマイルでも対応可能。

調教データ比較・分析テーブル

栗東坂路：ラスト1F スピードランキング

分析: ラヴァンダの数字が突出。全体50.5秒でラスト11.8秒は驚異的な心肺機能。ジャンタルマンタルも同タイムだが、全体時計を抑え余力感じさせる。

ウッドチップコース（CW/美W）：ラスト1F 切れ味ランキング

分析: 1週前記録だが、ソウルラッシュの10.9秒は頭一つ抜ける。G1制覇の武器となる切れ味。アスコリピチェーノの11.2秒も優秀でポテンシャル高さを感じさせる。

総合評価と推奨

【S評価：絶好調・盤石の仕上がり】

• ジャンタルマンタル: 坂路での動き「依然絶好」。昨年の覇者としての貫禄と成長力。叩き2戦目の上積み明白で死角なし。
• ラヴァンダ: 坂路4F 50.5秒を馬なりでマーク。好調を超えた「覚醒」の域。血統的にも京都適性は高く、大仕事の雰囲気。

【A+評価：逆転可能なG1級の動き】

• ソウルラッシュ: 1週前CWでの10.9秒は圧巻。前走の重さ解消、悲願達成への執念の仕上げ。
• アスコリピチェーノ: 海外帰りを感じさせないCWでの鋭い動き。精神面での「集中力」向上で能力フルに発揮できる状態。
• レーベンスティール: 美浦での動き力強く安定。毎日王冠からの好調キープで、今の充実ぶりならマイルG1通用。

【特注・穴馬：調教から浮上する伏兵】

• ウインマーベル: 矢印「↗」が示す上昇度。ラスト11.6秒の切れ味は侮れない。
• エルトンバローズ: 西村騎手とのコンタクト密、矢印「↗」。昨年4着の実績馬が復調気配。

結論

今年のマイルCS は、極めて高いレベルにある馬が複数存在するハイレベルな一戦。ラヴァンダの爆発的な調教時計、ジャンタルマンタルの王者の安定感、ソウルラッシュの鬼気迫る切れ味がレースの行方を左右する可能性が高い。

注記: 本レポートは2025年11月6日から11月20日までの調教データおよび関連情報に基づく。最終検討は当日の馬体重やパドック気配も考慮すること。