先日、2012年の牝馬三冠を達成し、史上初のジャパンカップ連覇などG1を7勝した名牝ジェンティルドンナが16歳で亡くなったというニュースが報じられました。
現役時代、圧倒的な強さでファンを魅了した同馬は、人気コンテンツ『ウマ娘 プリティーダービー』にもキャラクターとして登場しており、多くの競馬ファン・ウマ娘ファンに衝撃を与えました。この訃報を機に、インターネット上の掲示板では、引退馬の寿命と『ウマ娘』の関連性について、様々な議論が交わされています。
掲示板のスレッドタイトルは「なぜウマ娘になった馬は死ぬのか?」と題され、ジェンティルドンナの死が、コンテンツと馬の寿命を結びつける、いわゆる「ウマ娘の呪い」説を再燃させました。
スレッド内では、「ウマ娘にさえならなければ不死の存在なのにな」「アニメ一期の主人公だったスペ(スペシャルウィーク)も放送中に亡くなった」といった、コンテンツ化された馬の死が注目を集めることへの皮肉や、時には「将来ウマ娘化する未来因果によってドゥラメンテが早世した」といった陰謀論的な意見までが飛び交いました。
しかし、これらの投稿は、馬の死という避けられない事象に対し、特定のコンテンツを結びつけることで話題化しようとする側面が強いことがうかがえます。
議論が進む中で、多くのユーザーが指摘したのは、生物としての競走馬の寿命と、メディアによる「注目度」の変化です。
馬は生き物であり、ウマ娘になったかどうかに関わらず、いつかは死を迎えます。ジェンティルドンナの16歳という年齢は、人間の年齢に換算すると50歳代半ばに相当し、決して不自然な早世ではありません。
実際、ジェンティルドンナの同期でウマ娘化されていないG1馬たち(ジョワドヴィーヴル、アポロマーベリック、ハナズゴール)も、それぞれ4歳から15歳で亡くなっています。また、ウマ娘化されていないツルマルボーイやマイネルネオスも最近亡くなっており、ウマ娘化の有無が寿命に影響を与えるという根拠は見当たりません。
むしろ、ウマ娘コンテンツの登場は、引退馬のその後の生活や訃報に対する世間の関心を大きく高めました。
ウマ娘になってる馬は微妙な成績のやつでも死んだら報道されるからそう見えるだけ
ウマ娘のおかげで引退して死んだ時まで話題にならないって状況が変わって本当に良かった
これまで一部のファンにしか知られなかった引退馬の状況が、ウマ娘化によって広く報道されるようになった結果、「ウマ娘になった馬がよく死ぬ」という錯覚を生んでいると分析されています。
その一方で、メジロドーベル(31歳)、ツルマルツヨシ(30歳)、メイショウドトウ(29歳)など、ウマ娘化されても長寿を誇る名馬も存在しており、コンテンツと寿命を結びつけることは、現実的ではないと言えるでしょう。
ジェンティルドンナの訃報は悲しいものでしたが、「ウマ娘化」が寿命を縮めるという説には根拠がありません。むしろ、ウマ娘コンテンツはナイスネイチャのドネーション活動に見られるように、引退馬の余生に対する関心と支援の輪を広げ、競馬界に大きな恩恵をもたらしているというポジティブな側面があることを忘れてはなりません。
参考情報:
本記事の元となったスレッドは下記をご覧ください。 なぜウマ娘になった馬は死ぬのか?