2025年デルマー競馬場で開催されるBCマイルの予想記事です。昨年の雪辱を期す欧州王者ノータブルスピーチを本命に、海外ブックメーカーの最新オッズと有力馬の動向を徹底分析。欧州3歳勢や米国馬の評価、日本からの馬券購入方法まで網羅的に解説します。
この記事の要点
- 本命は昨年の雪辱を期す欧州王者ノータブルスピーチ。
- 対抗は高いレベルで拮抗する欧州3歳馬ザライオンインウィンターとサーラン。
- 海外ブックメーカーのオッズは、全社がノータブルスピーチを不動の1番人気に支持。
- デルマー競馬場無敗の米国馬や昨年の2着馬など、コース適性を持つ穴馬にも注意が必要。
BCマイル 2025 最終予想印と出走馬・最新オッズ
まずは、ご提供いただいた予想データに基づく最終的な予想印と、海外主要メディアで発表されているモーニングラインオッズ(M/L Odds)を合わせた出走馬一覧をご覧ください。
| 枠 | 馬番 | 馬名 | 印 | M/L オッズ | プロ予想スコア (本命指数) |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 1 | ワンストライプ | 30-1 | 0% | |
| 2 | 2 | ノータブルスピーチ | ◎ | 5-2 (3.5倍) | 43% |
| 3 | 3 | サーラン | ▲ | 6-1 (7.0倍) | 13% |
| 4 | 4 | ザライオンインウィンター | ◯ | 6-1 (7.0倍) | 5% |
| 5 | 5 | プログラムトレーディング | △ | 10-1 (11.0倍) | 0% |
| 6 | 6 | グランオリエンテ | 30-1 | – | |
| 7 | 7 | ヨハネス | 8-1 (9.0倍) | 8% | |
| 8 | 8 | フォーミダブルマン | 10-1 (11.0倍) | 2% | |
| 9 | 9 | アルジーヌ | 20-1 (21.0倍) | 10% | |
| 10 | 10 | ジョンキル | △ | 10-1 (11.0倍) | – |
| 11 | 11 | レトリカル | 5-1 (6.0倍) | 18% | |
| 12 | 12 | ガスミーアップ | 30-1 | – | |
| 13 | 13 | キラート | 20-1 (21.0倍) | 0% |
※M/Lオッズは海外主要メディア発表のものを参考に記載。
有力出走予定馬 徹底分析
世界最高峰のマイラーが集うこの一戦。海外メディアの論調を基に、特に注目すべき有力馬をピックアップして分析します。
◎ 絶対王者への帰還:ノータブルスピーチ (Notable Speech)
本命(◎)は、ゴドルフィンが所有し、名伯楽チャーリー・アップルビー調教師が管理するノータブルスピーチです。2024年の英2000ギニー(G1)とサセックスS(G1)を制した実力は世代トップクラス。昨年のBCマイルでは1番人気に支持されながらも3着に敗れました。
アップルビー調教師は敗因を「アメリカ特有のタイトな小回りコースへの経験不足」と分析。今年は雪辱を果たすため、デルマーとコース形態が似ているカナダのウッドバインマイル(G1)をステップレースに選択。「アメリカのコーナーリングを思い出させるため」という陣営の狙い通り、このレースを圧勝し、万全の態勢を整えてきました。一度経験した舞台と明確な敗因の克服。王座奪還への準備は万端です。
◯ 欧州3歳世代の刺客:ザライオンインウィンター (The Lion In Winter)
対抗(◯)は、エイダン・オブライエン厩舎が送り出す3歳馬、ザライオンインウィンター。ムーランドロンシャン賞(G1)ではサーランに僅差の3着と惜敗しましたが、続く英クイーンエリザベス2世S(G1)で強力なメンバー相手に2着と好走。G1で常に勝ち負けできる能力を証明しています。
レースセンスに優れ、先行しても差しても競馬ができる自在性が最大の武器。ブリーダーズカップで史上最多の勝利を誇るオブライエン調教師の手腕も含め、古馬の壁を突き破る可能性は十分です。
▲ 欧州3歳世代の刺客:サーラン (Sahlan)
連下(▲)は、同じくヨーロッパの3歳馬サーラン。フランシス=アンリ・グラファール厩舎に所属し、前走のムーランドロンシャン賞(G1)では、ザライオンインウィンターらを抑え、大接戦を制しました。キャリアも浅く、まだ底を見せていない伸びしろは出走馬中随一の魅力を秘めています。
上記2頭の3歳馬の力関係は、ムーランドロンシャン賞の結果を見ても明らかで、着差はごく僅か。展開ひとつで逆転可能な実力は互角と見てよく、両馬ともに高い評価が必要です。
△ 穴候補の注目馬
穴(△)としては、アメリカのトップトレーナー、チャド・ブラウン厩舎のプログラムトレーディングと、3歳馬ジョンキルをピックアップ。
- プログラムトレーディング (Program Trading): クールモアターフマイル(G1)で2着に入るなど、G1レベルでの実績は十分。ブリーダーズカップで数々の勝利を収めてきたブラウン調教師の管理馬は、常に警戒が必要です。
- ジョンキル (Jonquil): キーンランドのターフマイル(G1)で3着に入ったヨーロッパの3歳馬。上位人気馬に割って入る力を持っています。
その他の注目馬
- レトリカル (Rhetorical): クールモアターフマイル(G1)を制し、現在4連勝中と絶好調。6戦5勝と底を見せておらず、その勢いは本物です。
- ヨハネス (Johannes): 昨年のBCマイル2着馬。今年は怪我で出遅れましたが、前哨戦のシティオブホープマイル(G2)を連覇し、昨年と同じローテーションでリベンジを狙います。
- フォーミダブルマン (Formidable Man): 開催地デルマー競馬場の芝コースで6戦6勝無敗を誇る「デルマーの帝王」。しかし、主戦騎手がヨハネスへの騎乗を選んだ点は最大の懸念材料です。
- アルジーヌ (Argine): 日本から参戦するロードカナロア産駒の5歳牝馬。鞍上にはL.デットーリ騎手を迎えますが、海外メディアからは「G3以上の勝ち星がなく、他の馬に魅力を感じる」という声もあり、世界の強豪相手にどこまで食い込めるか注目です。
海外ブックメーカー15社 オッズ徹底比較と傾向分析
海外のブックメーカーのオッズは、世界的な評価の「コンセンサス」を把握する上で非常に重要です。ここでは主要ブックメーカー15社の10月下旬時点のオッズを比較し、その傾向を分析します。
2025年ブリーダーズカップマイル 主要ブックメーカーオッズ比較表
| 出走予定馬 | Bet365 | FanDuel | Betfair | DK Horse | Paddy Power | Ladbrokes | Coral | William Hill | Betfred | TwinSpires | Sky Bet |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ノータブルスピーチ | 3.0 | 3.5 | N/A | 3.5 | 3.25 | 3.25 | 3.25 | 3.25 | 3.0 | 3.5 | 3.0 |
| サーラン | 8.0 | 7.0 | N/A | 7.0 | 8.0 | 8.0 | 8.0 | 8.0 | 5.5 | 7.0 | 7.0 |
| ザライオンインウィンター | 6.0 | 7.0 | N/A | 7.0 | 8.0 | 8.0 | 8.0 | 8.0 | 7.0 | 7.0 | 6.0 |
| ヨハネス | 9.0 | 9.0 | N/A | 9.0 | 12.0 | 12.0 | 12.0 | 12.0 | 12.0 | 9.0 | 9.0 |
| フォーミダブルマン | 9.0 | 11.0 | N/A | 11.0 | 13.0 | 13.0 | 13.0 | 13.0 | 13.0 | 11.0 | 9.0 |
| レトリカル | 9.0 | 6.0 | N/A | 6.0 | 11.0 | 11.0 | 11.0 | 11.0 | 9.5 | 6.0 | 9.0 |
| プログラムトレーディング | 11.0 | 11.0 | N/A | N/A | 13.0 | 13.0 | 13.0 | 13.0 | 13.0 | N/A | 11.0 |
| ジョンキル | 13.0 | N/A | N/A | 11.0 | 15.0 | 13.0 | 13.0 | 13.0 | 13.0 | 11.0 | 13.0 |
| アルジーヌ | 17.0 | N/A | N/A | 21.0 | 15.0 | 17.0 | 17.0 | 17.0 | 15.0 | 21.0 | 17.0 |
注:オッズは2025年10月下旬時点のものであり、変動する可能性があります。
オッズ傾向分析
- 不動の本命馬 (The Consensus Favorite):
表を見ても明らかなように、ノータブルスピーチが全てのブックメーカーで一貫して1番人気に支持されています。オッズは3.0倍から3.5倍に集中しており、これはレース直前のモーニングラインオッズ(5-2 = 3.5倍)とも一致。昨年の雪辱に向けた戦略的なローテーションと能力が世界的に高く評価されています。 - 混戦の2番手グループ (The Crowded Second Tier):
2番手評価は、ヨーロッパの3歳馬サーランとザライオンインウィンター、そして勢いに乗るアメリカのレトリカルによって形成されています。特に欧州3歳馬2頭はオッズが拮抗しており、ムーランドロンシャン賞での僅差の戦いがそのまま反映されています。 - アメリカ勢の評価と妙味 (Value in the American Contingent):
デルマー無敗のフォーミダブルマンや、昨年の2着馬ヨハネスは、9.0倍から13.0倍の範囲に位置しています。コース適性や昨年の実績を考慮すると、これらの馬は馬券的な妙味がある存在と言えるでしょう。
日本からBCマイルの馬券を購入する方法
日本の競馬ファンがブリーダーズカップマイルの馬券を購入するには、主に2つの方法があります。
JRAによる公式発売
JRAは、日本の競走馬が出走する海外の主要レースなどを対象に、馬券の公式発売を行っています。
- 購入方法: JRAのインターネット投票会員である「即PAT」または「A-PAT」の会員のみが購入可能です。競馬場やウインズの窓口・自動券売機での購入はできません。
- 注意点: JRAの海外競馬発売は、JRA独自のオッズ(パリミューチュエル方式)となるため、本稿で紹介した海外ブックメーカーの固定オッズとは異なります。
海外ブックメーカーの活用と注意点
もう一つの選択肢として、海外のブックメーカーをオンラインで利用する方法があります。
- 法的な位置づけ: 日本国内から海外のオンラインギャンブルサイトを利用することは、日本の法律上「グレーゾーン」とされている場合があります。利用はご自身の責任において判断してください。
- ブックメーカーの選び方: イギリス、マルタなど、信頼性の高い政府機関が発行したライセンスを取得している、信頼できる運営元を選ぶことが重要です。
- 固定オッズ: ブックメーカーの最大の利点は「固定オッズ」です。これは、馬券を購入した時点のオッズが、その後のオッズ変動に関わらず払戻し時に適用される仕組みです。
結論:BCマイル 2025 予想まとめ
2025年のBCマイルは、昨年の雪辱を期すノータブルスピーチ(◎)が、ブックメーカーのオッズからも分かる通り、確固たる本命として君臨しています。
対抗には、高いレベルで拮抗するヨーロッパの3歳馬ザライオンインウィンター(◯)とサーラン(▲)。さらに、穴としてチャド・ブラウン厩舎のプログラムトレーディング(△)、3歳馬ジョンキル(△)の食い込みに期待します。
世界最高峰のマイラーが決まる一戦。ぜひこの予想を参考に、レースをお楽しみください。


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