有力馬の死角と京都芝1200mの血統・コース傾向を徹底解剖
開催概要
- レース名: 醍醐ステークス
- 開催日: 2025年11月23日
- 開催場所: 京都競馬場
- 距離: 芝1200m
- 目的: 来季の短距離重賞戦線を占う重要な一戦
要点のまとめ
京都芝1200mはスタート直後の「淀の坂」が特徴で、単純なスピード勝負になりにくいテクニカルなコース。
Cコース使用により内側の馬場状態が良く、内枠の先行馬が有利になる可能性が高い。
最有力候補マックアルイーンは能力上位だが、ゲートの出遅れ癖が最大の懸念点。
3連勝中のブラックケリーや、先行有利の展開を活かせるサウスバンクも有力。
調教評価が最も高いのは、自己ベストを更新し絶好調のモンシュマン。
京都芝1200m(内回り・Cコース)のコース特性分析
コースレイアウトの幾何学的特性と「淀の坂」の力学▼
Cコース使用によるトラックバイアスの変化▼
前半3Fのラップ構成と展開の予測▼
出走馬全頭の詳細分析と評価
(外)マックアルイーン(3歳牡馬・美浦 木村哲也厩舎)
- 予想人気: 1番人気。
- 陣営コメント: 「当然首位争い」。
- 血統分析: 父Blue Point(欧州屈指のスプリンター)、母父スピード馬。純粋なスプリント仕様の配合で、日本の高速馬場への適性も高い。
- 調教評価: A。最終追い切りで併せ馬に楽々先着。解説では「折り合いスムーズで加速も鋭い」と絶賛。
- 死角と懸念点:
- ゲート: 前走でも出遅れており、後手を踏むと京都Cコースでは致命的になるリスク。
- 輸送: 美浦からの長距離輸送も考慮が必要。
サウスバンク(3歳牝馬・栗東 吉岡辰弥厩舎)
- 対抗馬: マックアルイーンに対抗しうる筆頭候補。
- 血統分析: 父グレーターロンドン(ディープインパクト系)×母父アフリート(ミスプロ系)。パワーとスピード持続力を両立させ、京都の坂もこなせる構成。
- 調教評価: A。最終追い切りは軽めだが、1週前に坂路で終い11.9秒の鋭い伸び。攻め量は十分で好調維持。
- 展開の鍵: テンのスピードが速く、先行策が濃厚。京都Cコース・先行有利バイアスを味方につければ押し切りも可能。
ブラックケリー(3歳牝馬・栗東 長谷川浩大厩舎)
- 勢い: 現在3連勝中。
- 血統分析: 父モーリス×母父ストラヴィンスキー。晩成傾向のモーリス産駒らしく成長期。スピードと勝負根性を兼備。
- 調教評価: A。坂路で馬なりながら好時計をマーク。「底見せぬ勢い」「力足りる」という調教師コメントも心強い。
- レース分析: 好位で脚を溜めて直線で爆発させる競馬は京都1200mに合致。展開不問の自在性が武器。
モンシュマン(4歳牡馬・栗東 上村洋行厩舎)
- 穴候補: 調教での動きが際立つ。
- 血統分析: 父ミッキーアイル(京都巧者を多く出す)。平坦コースでのスピード持続力に優れる。
- 調教評価: 特A。最終追い切りで坂路の自己ベストタイムを更新。この日の栗東坂路でも上位時計。絶好調。
- 適性と展望: 上村調教師コメント「競馬を覚えて、ひとためができるようになった」通り、精神面の成長が著しい。自在性が増しており、大きなアドバンテージ。
アンクルクロス(4歳牡馬・栗東 高橋亮厩舎)
- 一発の魅力: 休み明けながら仕上がりの良さが目立つ。
- 血統分析: 父タリスマニック×母父ダンスインザダーク。消耗戦になった際に底力を発揮するタイプで、京都コース適性も高い血統。
- 調教評価: A。CWとポリトラックで好時計を連発。高橋亮調教師も「いい頃の感じに戻ってきた」と復調をアピール。久々を感じさせない。
- 厩舎データ: 高橋亮厩舎の同レース勝率36.4%は無視できないプラス材料。
その他の注目馬と穴馬分析
- バンドシェル(4歳牡馬・栗東 西村厩舎): 終いの脚は確実。調教でも終い11.9秒と切れ味鋭く、前崩れの展開になれば浮上する可能性。
- ミルテンベルク(4歳牡馬・栗東 武英智厩舎): 近走不振だが、C.デムーロ騎手への乗り替わりで一変の可能性。能力は確か。
- ロードトレイル(4歳牡馬・栗東 藤岡健一厩舎): 中1週でも調教の動きは前走以上と陣営コメント。上昇カーブを描いており、京都コースに適応できれば面白い。
調教・状態面の総括
調教評価ランキング:
- 特A: モンシュマン (自己ベスト更新、気配絶好)
- A: マックアルイーン (併せ馬に楽々先着、加速鋭い)、ブラックケリー (馬なりで好時計、安定感抜群)、サウスバンク (直前軽めも1週前に猛時計)、アンクルクロス (好時計連発で仕上がり良好)
- B+: バンドシェル (終いの切れ味は特筆もの)
推奨:
調教面で最も推奨したいのはモンシュマン。マックアルイーンも素晴らしいが、輸送とゲートの不安が残る。ブラックケリーは高いレベルで安定。
馬券戦略と結論へのプロセス
レース展開のシミュレーション
- ペース想定: サウスバンクがハナを主張し、京都1200mの坂の特性から無謀な競り合いは起きにくく、平均~ややスローペースで流れると想定。
- 有利な馬: Cコースの恩恵を受ける内ラチ沿いの先行馬や、サウスバンクの直後につける馬。
- 差し馬の鍵: マックアルイーン、ブラックケリー、モンシュマンらは、3~4コーナーの下り坂でスムーズに加速できるかが勝負の分かれ目。
結論と推奨馬
- ◎本命:モンシュマン理由: 調教での自己ベスト更新による絶好調ぶりを最優先。ミッキーアイル産駒としての京都適性、精神面の成長、展開に左右されにくい自在性も魅力。
- 〇対抗:サウスバンク理由: 先行有利のコースバイアスを活かせるスピードの持ち主。自分の形に持ち込めれば押し切り可能。
- ▲単穴:マックアルイーン理由: 能力はメンバー最上位だが、ゲート難と輸送のリスクを考慮。スムーズなら圧勝もあり得る。
- ☆特注:ブラックケリー理由: 3連勝の勢いとモーリス産駒の成長力。陣営の自信のコメントも後押し。
- △連下:アンクルクロス、バンドシェル理由: アンクルクロスは休み明けでも仕上がり良好で厩舎データも強力。バンドシェルは展開が向けば鋭い末脚で突っ込む可能性。
最終的な買い目の構築に向けて
- 馬券戦略: モンシュマンを軸に、サウスバンク、マックアルイーンへ厚めに流す形を推奨。
- 配当妙味: アンクルクロスやバンドシェルを絡めた3連複なども面白い。
有力馬・注目馬の詳細スペック一覧 (2025年11月22日時点)
| 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 厩舎 | 父 | 母父 | 予想オッズ | 調教評価 | 短評 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| マックアルイーン | 牡3 | 57.0 | ルメール | 木村 | Blue Point | Winker Watson | 2.9 | A | 当然首位争い |
| サウスバンク | 牝3 | 55.0 | 川田将 | 吉岡 | グレーターロンドン | アフリート | 3.9 | A | ここも好勝負 |
| ブラックケリー | 牝3 | 55.0 | 横山武 | 長谷川 | モーリス | ストラヴィンスキー | 9.2 | A | 底見せぬ勢い |
| モンシュマン | 牡4 | 58.0 | 団野大 | 上村 | ミッキーアイル | Thewayyouare | 13.3 | 特A | メドが立った |
| アンクルクロス | 牡4 | 58.0 | レーン | 高橋亮 | タリスマニック | ダンスインザダーク | 11.8 | A | 走れる仕上り |
| バンドシェル | 牡4 | 58.0 | 鮫島駿 | 西村 | バンドワゴン | ルーラーシップ | 15.2 | B+ | 終いは確実に |
| ミルテンベルク | 牡4 | 58.0 | Cデムーロ | 武英 | モーリス | ディープインパクト | 9.7 | – | 立回りひとつ |