米デルマー競馬場で行われたブリーダーズカップ・ジュヴェナイル・フィリーズ・ターフ(芝)で、 ヴァレンティーナ(Valentina)が内ラチ沿いのわずかなスペースを突き抜ける “レール沿い一閃”で快勝。鞍上のオイシン・マーフィー騎手による大胆不敵な進路取りと、 直線での並外れた瞬発力が決め手となりました。
スタート直後、スイッチアンドラブが主導権を握り、 22.33秒(1/4)—45.96秒(1/2)というハイラップで牽引。 セレブリティウォリアー、ブレイヴデブがこれを追走し隊列は縦長に。 3〜4コーナーでグラウンドサポートが中団外から進出し先頭集団に接近。 後方インで待機のヴァレンティーナとパシフィックミッションも徐々に進出し、 直線で先行勢が密集する中、最内に狭いスペースが生まれ勝負の分岐点へ。
序盤から最内のポケットでじっと我慢。3〜4角でもインでロスなく立ち回り、直線入口は前が壁。 そこへグラウンドサポートの外進出に呼応するように内ラチ沿いに“隙間”が出現。 マーフィー騎手は一瞬の判断でレール沿いへ導き、 高リスク×高リターンのマニューバを完遂。大舞台でこそ映える、度胸と技術が結実しました。
“Turn of foot”は瞬発的な切れ味を指す競馬用語。 ヴァレンティーナはスペースが開いた瞬間に爆発的に加速し、前をまとめて差し切り。 デルマーの芝が活きる短い加速区間でのトップスピードが、今回も最大限に発揮されました。
前半ラップ:1/4 22.33 — 1/2 45.96(ハイペース)
展開:先行勢が厳しい流れ → 直線でインにスペース → 内差し決着
キーモーメント:直線序盤、内ラチ沿いの“狭い隙間”が勝敗を分けた
ヴァレンティーナの勝利は、コース取り(内)×タイミング×瞬発力が極限まで噛み合った“教科書的”な差し切り。 オイシン・マーフィーの胆力と即応力、そしてヴァレンティーナ自身のターン・オブ・フットが、 ブリーダーズカップの大舞台で忘れ難い名場面を生みました。
A. インでの我慢→最短距離の解放→瞬発力の爆発。この3点が高次元で噛み合いました。
A. 高リスクの“レール沿い強襲”を最適なタイミングで断行。大舞台でも冷静さと胆力が際立ちました。
A. はい。22.33-45.96という前半ハイペース。先行勢が苦しく、差しが決まりやすい流れでした。
A. 向正面〜コーナーで見せ場十分の進出。ただ、直線ではヴァレンティーナの瞬発力が一枚上でした。
A. デルマー芝は短い加速区間でトップスピードに乗れるタイプに好相性。ヴァレンティーナのターン・オブ・フットがまさにハマりました。