米デルマー競馬場で行われたブリーダーズカップ・ジュヴェナイル・フィリーズ・ターフ(芝)で、 ヴァレンティーナ(Valentina)が内ラチ沿いのわずかなスペースを突き抜ける “レール沿い一閃”で快勝。鞍上のオイシン・マーフィー騎手による大胆不敵な進路取りと、 直線での並外れた瞬発力が決め手となりました。
要点
- ヴァレンティーナが優勝。
- オイシン・マーフィー騎手は後方インで機を待ち、“レール沿い強襲”を成功。
- 勝利を決定づけたのは、ラスト1ハロンでの異次元の加速。
- グラウンドサポートは向正面〜3〜4角で中押しの進出も、直線で交わされる。
- 逃げはスイッチアンドラブ(日本馬)で、前半から速いペース。
レース総括:速い流れから劇的フィニッシュへ
スタート直後、スイッチアンドラブが主導権を握り、 22.33秒(1/4)—45.96秒(1/2)というハイラップで牽引。 セレブリティウォリアー、ブレイヴデブがこれを追走し隊列は縦長に。 3〜4コーナーでグラウンドサポートが中団外から進出し先頭集団に接近。 後方インで待機のヴァレンティーナとパシフィックミッションも徐々に進出し、 直線で先行勢が密集する中、最内に狭いスペースが生まれ勝負の分岐点へ。
勝因分析:3つのキーファクター
- 完璧なタイミング:混戦でのインの“空き”を待てた冷静さ。
- 高難度の進路取り:外へ回らず最短距離を選択。
- 瞬時の加速性能:スペースが開いた瞬間にギアが一段違う伸び。
オイシン・マーフィーの妙技:イン強襲の全貌
序盤から最内のポケットでじっと我慢。3〜4角でもインでロスなく立ち回り、直線入口は前が壁。 そこへグラウンドサポートの外進出に呼応するように内ラチ沿いに“隙間”が出現。 マーフィー騎手は一瞬の判断でレール沿いへ導き、 高リスク×高リターンのマニューバを完遂。大舞台でこそ映える、度胸と技術が結実しました。
「驚異のターン・オブ・フット」とは
“Turn of foot”は瞬発的な切れ味を指す競馬用語。 ヴァレンティーナはスペースが開いた瞬間に爆発的に加速し、前をまとめて差し切り。 デルマーの芝が活きる短い加速区間でのトップスピードが、今回も最大限に発揮されました。
ポストレース分析・関係者評価
- 騎手評価:英国トップのオイシン・マーフィーが、内で我慢→最短解放を完璧に体現。
- 運と実力:インが開く“運”も必要だが、その瞬間に突っ込める心技体がなければ成立しない妙技。
- 陣営評価:ドナカ・オブライエン厩舎、メダリオンレーシングにとっても鮮烈な欧州勢の勝利。
ラップ&ペースのポイント
前半ラップ:1/4 22.33 — 1/2 45.96(ハイペース)
展開:先行勢が厳しい流れ → 直線でインにスペース → 内差し決着
キーモーメント:直線序盤、内ラチ沿いの“狭い隙間”が勝敗を分けた
まとめ
ヴァレンティーナの勝利は、コース取り(内)×タイミング×瞬発力が極限まで噛み合った“教科書的”な差し切り。 オイシン・マーフィーの胆力と即応力、そしてヴァレンティーナ自身のターン・オブ・フットが、 ブリーダーズカップの大舞台で忘れ難い名場面を生みました。
よくある質問(FAQ)
Q1. 勝因は何ですか?
A. インでの我慢→最短距離の解放→瞬発力の爆発。この3点が高次元で噛み合いました。
Q2. オイシン・マーフィー騎手の騎乗は?
A. 高リスクの“レール沿い強襲”を最適なタイミングで断行。大舞台でも冷静さと胆力が際立ちました。
Q3. ペースは速かったの?
A. はい。22.33-45.96という前半ハイペース。先行勢が苦しく、差しが決まりやすい流れでした。
Q4. グラウンドサポートは?
A. 向正面〜コーナーで見せ場十分の進出。ただ、直線ではヴァレンティーナの瞬発力が一枚上でした。
Q5. コース適性は?
A. デルマー芝は短い加速区間でトップスピードに乗れるタイプに好相性。ヴァレンティーナのターン・オブ・フットがまさにハマりました。


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