2025年11月28日に浦和競馬場で行われた第5レース、浦和800ラウンド(C2)は、ゴール前の大激戦を制したブラックエンパイアが勝利を掴みました。人気が割れた一戦ながらも、2番人気の実力馬が短い距離で爆発的な末脚を見せつけました。一方、単勝1番人気に推されたロングビーチはスタート直後のアクシデントにより大きく着順を落とす波乱の結果となっています。
スタートはまずまず揃ったものの、注目を集めた1番人気・6番ロングビーチが「少し出しがつかない」という致命的な出遅れ。後方からの競馬を強いられる形となり、この時点で勝利が遠のいてしまいました。
先手を取ったのは10番ルージュルージュ。これに9番アースメロディ、3番ランウェイクイーン、そして2番ブラックエンパイアが並びかける形で最初のコーナーへ。短い800m戦は息つく間もなく、すぐに勝負所の直線へと入ります。
直線に入ると、逃げる10番ルージュルージュと外から並びかけてきた9番アースメロディの2頭が激しい先頭争いを展開。その外、大外から豪快に伸びてきたのが室陽一朗騎手騎乗の2番ブラックエンパイアでした。3頭が横一線に並ぶ壮絶な叩き合いとなりますが、内から伸びを欠いた1番キャストライトオンを尻目に、ブラックエンパイアが末脚でわずかに前を捉え切ってゴール。タイム0:48.2で優勝を飾りました。2着には粘り込みを見せたアースメロディ、3着には大健闘のルージュルージュが入っています。
勝った2番ブラックエンパイアは、2番人気という人気に応え、室陽一朗騎手が見事な手綱捌きを見せました。序盤は中団のやや外を追走し、最後の直線での爆発力を最大限に活かす競馬を展開。ハイペースで先行馬が苦しくなったところを、一気に飲み込む強烈な差し切りでした。持ち前のスピードと機動力を活かし、短距離戦線でのさらなる活躍が期待されます。
本レースの結果を踏まえ、今後の予想で覚えておきたいポイントとアクシデント情報です。
単勝2.6倍の1番人気に支持されながら、結果は10着に大敗した6番ロングビーチは、スタートで「少し出しがつかない」というアクシデントがありました。これにより、得意な形での競馬ができず、本来の力を出し切れませんでした。今回の敗戦は能力ではなく、スタートの不利が原因と考えられます。次走、スムーズなスタートが切れれば巻き返しは必至であり、人気が落ちるようであれば積極的に狙うべき一頭として覚えておきましょう。
2番人気の1番キャストライトオンは、最後まで上位争いに加わったものの、実況で指摘されたように「伸びを書いています」と、最後の粘りが一歩及びませんでした。クビ差の4着と惜敗しましたが、展開次第では十分勝ち負けできる地力を見せています。次走は馬体のフレッシュさ、騎手とのコンタクト改善があれば、即座に勝利圏内に浮上する可能性を秘めています。
単勝62.0倍の10番人気(着順データでは9番人気・オッズ69.8)だった10番ルージュルージュが3着に粘り込み、配当妙味を提供しました。終始前で積極的な競馬を展開し、直線でもしぶとさを発揮。今回の好走はフロックではない可能性があり、次走以降も短い距離での先行力には注目が必要です。
この浦和800ラウンド(C2)は、1番人気のロングビーチがスタートで躓いたことで大波乱となり、最終的に2番人気のブラックエンパイアが力強い末脚で勝利を飾るという、短距離戦らしいスピードと運が絡み合った一戦となりました。特にロングビーチの巻き返しは次走以降の大きな注目ポイントとなるでしょう。今後の浦和競馬を占う上で、非常に重要なデータが詰まったレースとなりました。