2025年11月6日に園田競馬場で開催される3歳重賞「楠賞」のレース展望。全国の強豪が集う一戦を前に、ケイズレーヴとベラジオドリームの再戦、JpnI戦線から参戦するスマイルマンボなど注目馬が多数。本記事では全12頭の調教、厩舎コメント、過去走データを網羅的に分析し、予想のポイントを解説します。
この記事の要点
- 名古屋のケイズレーヴと地元兵庫のベラジオドリームが再戦。過去の対戦ではケイズレーヴが2連勝中。
- JpnIなど中央の強豪と戦ってきたスマイルマンボが参戦し、実績面で上位評価。
- ハーフブルー、エイシンハリアーなど強力な先行馬が多く、ハイペースでの消耗戦が予想される。
- 展開利は、後方で脚を溜められるケイズレーヴやジーニアスレノンなどの差し馬に向く可能性がある。
楠賞2025 出走馬全12頭 徹底分析
枠順、馬名、斤量、騎手に加え、各馬の客観的データを「アナリスト分析」「近走パフォーマンス」「調教評価」「陣営コメント」の4つの視点から、馬番順に詳細分析します。
【1】タンバブショウ(牡3・竹村達・57kg)
アナリスト分析: 最大の課題は「折り合い」。前走の園田オータムT(1700m)は、序盤から掛かりながらも3着を確保し地力強化を示しました。気性面を考慮すると、緩急がつく中距離戦よりも、淀みなく流れる短距離戦の方がプラスに働くと見られています。1400mへの距離短縮は最大の好材料です。
近走パフォーマンス:
- 前走: 10/9 園田オータムT (1700m 良) 3着 (5人気)
- 2走前: 9/24 チャン (1400m 良) 1着 (1人気)
- 3走前: 9/3 初秋特 (1400m 重) 1着 (2人気)
調教評価: 最終追い切りは10月30日(木)に西脇で実施。「一杯」に追われ、50.0 – 37.1 の時計をマーク。短評は「動きハツラツ」と高評価です。
陣営コメント: 坂本師は「引っ掛かりやすい面を考えると、流れそうな今回のメンバー構成はプラスになってくれそう。スムーズに折り合えれば、ここでも悪い結果にならない」とコメントしています。
【2】ハーフブルー(牝3・笹川翼・55kg)
アナリスト分析: デビューから12戦して[5-5-0-2]、ダートに限れば[5-5-0-1]とほぼ完璧な連対率を誇ります。主戦場はスプリントですが、4走前の1400m戦でもクビ差の2着と好走しており、距離延長は許容範囲と見られています。
近走パフォーマンス:
- 前走: 7/17 優駿ス (1200m 重) 1着 (3人気)
- 2走前: 6/12 優駿ス (1200m 重) 2着 (1人気)
- 3走前: 1/30 ひなぎ (1400m 良) 2着 (1人気)
調教評価: 11月1日(土)に大井外で最終調整。「馬なり」で 68.0 – 53.2 – 39.2 をマークし、短評は「仕上がり良好」です。
陣営コメント: 鈴木啓師は「ここを目標に順調」「1400メートルは守備範囲」と状態面・距離面での不安はないとしていますが、「今回初めての長距離輸送と初コース」での対応がカギになるとの認識です。
【3】ジーニアスレノン(牡3・廣瀬航・57kg)
アナリスト分析: 中距離戦では決め手勝負で甘さが出ますが、短距離戦ではその弱点がカバーされると分析されています。自身の2勝はすべて1400m戦であり、昨年の兵庫ジュニアGP(JpnII)ではメンバー中最速の上がりを記録。展開が向けば一発の力を秘めるタイプです。
近走パフォーマンス:
- 前走: 10/22 特別C (1700m 稍) 4着 (4人気)
- 2走前: 10/1 C1,2 (1400m 良) 1着 (3人気)
- 3走前: 9/18 C1,2 (1400m 良) 4着 (2人気)
調教評価: 10月30日(木)に園田で「馬なり」調整(59.2 – 42.9)。併走馬と同入しており、短評は「併走気合良く」と順調さが窺えます。
陣営コメント: 保利平師は「現状では1400メートル戦の方がいい」と距離短縮を歓迎しており、「相手は強力だが、順調に来ている」とコメントしています。
【4】ケイズレーヴ(牡3・吉原寛・57kg)
アナリスト分析: 古馬と初対戦だった前走のゴールド争覇で、不利を受けながらも差し切り勝ち。5月の兵庫CS(JpnII)でも地方馬最先着の5着に入るなど実力は確か。この半年で馬体が20kg近く増え、成長著しいと評価されています。
近走パフォーマンス:
- 前走: 10/16 ゴール (1500m 不) 1着 (1人気)
- 2走前: 9/18 秋の鞍 (1500m 良) 1着 (1人気)
- 3走前: 7/13 兼六園 (1500m 良) 1着 (1人気)
調教評価: 10月31日(金)に名古屋で「馬なり」調整。49.1 – 36.2 をマークし、短評は「好調持続」です。
陣営コメント: 榎屋師は「初めて間隔を詰めて使える」「仕上がりは順調」と体調面を高く評価。「このあとは兵庫ゴールドトロフィーを予定している」と、陣営の自信が感じられます。
【5】リオンダリーナ(牝3・下原理・55kg)
アナリスト分析: 兵庫転入初戦だった前走は6着でしたが、中間の外傷の影響で仕上げが万全ではなかったため度外視可能とされています。この中間は攻め馬を強化し、昨年の園田プリンセスCを圧勝しており、コース相性は抜群です。
近走パフォーマンス:
- 前走: 10/3 ニッカ (1400m 良) 6着 (2人気)
- 2走前: 9/3 アフタ (1200m 良) 11着 (3人気)
- 3走前: 7/17 優駿ス (1200m 重) 2着 (1人気)
調教評価: 11月2日(日)に園田で「馬なり」(51.9 – 37.6)。併走馬に0.9秒先着しており、短評は「元気一杯」と体調の回復が示されています。
陣営コメント: 田中一師は「外傷明けだった前走が、今回はシッカリ攻めた」「体重的にも440キロ台で丁度いいだろう」と、前走からの明確な上積みを強調しています。
【6】エイシンハリアー(牡3・大山龍・57kg)
アナリスト分析: 前走はハイペースでの「大逃げ」にも関わらず、最後まで後続に並ばれることなく快勝。折り合いが難しい気性からも、速力を生かせる短距離戦が現状のベストと分析されています。
近走パフォーマンス:
- 前走: 10/1 特別B (1400m 良) 1着 (1人気)
- 2走前: 9/11 クリス (1700m 重) 7着 (1人気)
- 3走前: 7/18 特別B (1400m 不) 2着 (1人気)
調教評価: 10月30日(木)に西脇で「一杯」に追われ、66.6 – 50.3 – 37.9 を記録。短評は「活気十分」です。
陣営コメント: 坂本師は「1400メートル戦はベスト」と断言しつつ、「逃げが打てなくても流れに乗れさえすればひとつ後ろの位置からでも勝負できる」と自在性も示唆しています。
【7】ホーリーグレイル(牝3・矢野貴・55kg)
アナリスト分析: 川崎移籍後に連勝し、ニューイヤーCを制覇。右回りの競走で勝利がない点は懸念材料ですが、2走前の東京プリンセス賞(8着)は同型と競り合う厳しい展開が敗因と見られています。
近走パフォーマンス:
- 前走: 8/28 アレキ (1700m 良) 2着 (1人気)
- 2走前: 4/30 東京プ (1800m 稍) 8着 (2人気)
- 3走前: 3/20 桜花賞 (1500m 重) 2着 (1人気)
調教評価: 11月1日(土)まで牧場坂路で調整。「馬なり」で 38.0 – 24.6 – 12.2 をマーク。短評は「外厩調整」となっています。
陣営コメント: 内田師は「◎」と本命印を打つ高評価。「ここを目標に好仕上がり」「折り合いの付く1400メートルはベストの距離」と、陣営の期待度は最高レベルです。
【8】ベラジオドリーム(牡3・小牧太・57kg)
アナリスト分析: 地元重賞では常に小差の勝負を演じる実力馬。2走前の秋の鞍ではケイズレーヴと激しいデッドヒートを演じ頭差の2着。今回は地の利を生かせる地元・園田の舞台で、悲願の重賞初制覇を狙います。
近走パフォーマンス:
- 前走: 10/10 尼崎そ (1400m 重) 1着 (1人気)
- 2走前: 9/18 秋の鞍 (1500m 良) 2着 (3人気)
- 3走前: 6/26 兵庫優 (1870m 重) 2着 (2人気)
調教評価: 11月3日(月)に園田で「馬なり」調整(58.1 – 42.2)。短評は「上々の気合乗りで」と、万全の状態です。
陣営コメント: 担当厩務員は「◎」と最高評価。「これで負けたらもう仕方がないというレベルまで持ってこれた」「重賞では悔しい思いの連続だけに今度こそ勝ちたい」と、まさに”勝負駆け”の意気込みです。
【9】スマイルマンボ(牡3・吉村智・57kg)
アナリスト分析: 3歳ダートクラシック戦線で、雲取賞(JpnIII)3着、羽田盃(JpnI)4着と全国のトップレベル相手に好走。連対がマイル以下の距離に集中している点から、1400mへの距離短縮はプラス材料と見られています。
近走パフォーマンス:
- 前走: 10/8 ジャパ (2000m 良) 13着 (11人気)
- 2走前: 6/11 東京ダ (2000m 不) 8着 (7人気)
- 3走前: 4/29 羽田盃 (1800m 重) 4着 (5人気)
調教評価: 11月1日(土)に小林坂路で「馬なり」調整(30.1 – 14.4)。短評は「まずまず仕上がる」と、順当に良化している様子です。
陣営コメント: 坂井師は「休み明けを使った上積みは大きい」「1400メートルに変わるのはいいと思う」と明確な変わり身を期待。さらに「鞍上も地元のトップジョッキーに頼んだ」と万全の態勢です。
【10】ラピドフィオーレ(牡3・田野豊・57kg)
アナリスト分析: 前走の園田オータムTは勝ち馬のプレッシャーに屈したものの2着を死守。課題だった手前替えもスムーズになり、敗戦の中に収穫があったと評価されています。1400mは初タイトルを獲得した好相性の舞台です。
近走パフォーマンス:
- 前走: 10/9 園田オ (1700m 良) 2着 (2人気)
- 2走前: 9/7 西日本 (1900m 重) 1着 (1人気)
- 3走前: 8/3 黒潮菊 (1900m 重) 1着 (5人気)
調教評価: 10月30日(木)に園田で「稍強め」の追い切り(67.5 – 51.3 – 37.8)。併走馬を1.2秒ちぎっており、「伸び鋭く先着」と動きは抜群です。
陣営コメント: 田中範師は「発馬を決めて流れに乗れれば、1400メートルにも対応できるだろう」と距離対応に自信を見せています。
【11】ジュゲムーン(牡3・赤岡修・57kg)
アナリスト分析: 高知3歳二冠馬。前走サマーチャンピオン(JpnIII)では、軽ハンデとはいえJRA古馬相手に5着と健闘。連対のほとんどが1400m以下であり、今回の舞台も合いそうだと評価されています。
近走パフォーマンス:
- 前走: 9/4 サマー (1400m 良) 5着 (6人気)
- 2走前: 8/3 黒潮菊 (1900m 重) 2着 (1人気)
- 3走前: 6/22 高知優 (1900m 不) 1着 (1人気)
調教評価: 11月2日(日)に高知外で「馬なり」調整(52.4 – 38.4 – 12.7)。短評は「馬体の張り上々」と良好な状態です。
陣営コメント: 田中守師は「仕上がりは問題なく距離もベスト」と状態を評価しつつも、「メンバーも揃っているので、どれだけ頑張れるかだね」とやや慎重なトーンです。
【12】キングスピカ(牡3・笹田知・57kg)
アナリスト分析: 4走前の笠松・ぎふ清流C(1400m)では5着でしたが、上がり時計は上位馬と遜色ありませんでした。最も得意とする「園田1400m」が舞台であれば、当時以上の結果が期待できるとされています。
近走パフォーマンス:
- 前走: 8/20 チャオ (1400m 良) 2着 (2人気)
- 2走前: 7/23 特別C (1400m 良) 1着 (1人気)
- 3走前: 6/26 兵庫優 (1870m 重) 11着 (7人気)
調教評価: 10月30日(木)に園田で「馬なり」調整(55.0 – 40.3)。短評は「脚取り確か」です。
陣営コメント: 保利平師は「仕上がりは良さそうだが、ここに入ってどこまでやれるか」「ひと脚に賭けて少しでも上の着順を狙っていきたい」と、一発狙いの構えを見せています。
楠賞 予想ポイント総括【データ分析】
全12頭のデータを分析した結果、レースの展開を左右するいくつかの重要な「傾向」と「対立軸」が浮かび上がりました。
ペース展開予想: 激流必至の先行争い
複数の馬がハナを主張する可能性が極めて高く、序盤からペースが緩むことは考えにくいでしょう。1400mの距離ながらスタミナが問われる「ハイペースでの消耗戦」が予想されます。この展開は、後方で脚を溜められる差し馬に有利に働く可能性があります。
| 馬番 | 馬名 | 脚質/傾向 |
|---|---|---|
| 2 | ハーフブルー | 先行/逃げ |
| 6 | エイシンハリアー | 大逃げ |
| 8 | ベラジオドリーム | 逃げ/先行 |
陣営の勝負気配: 「◎」を打った2頭
多くの陣営が慎重なコメントを出す中、2つの陣営が公に「◎(本命)」印を打ち、最高の状態にあることを宣言しています。
| 馬番 | 馬名 | 陣営コメント要約 |
|---|---|---|
| 7 | ホーリーグレイル | 内田師: 「◎ 好仕上がり。1400メートルはベストの距離」 |
| 8 | ベラジオドリーム | 担当厩務員: 「◎ これで負けたらもう仕方がないというレベル」 |
ベラジオドリームの「◎」は、ライバルへの雪辱を期す本気の表れです。一方、ホーリーグレイルの「◎」は、近2走が適性外の距離であったことを示唆しており、人気と実力が乖離している可能性を示す注目データです。
楠賞2025 最終予想はこちら
本記事では、楠賞の出走馬全12頭に関する客観的なデータをまとめました。これらの分析データを基にした最終的な予想の結論や推奨買い目については、以下のリンクから専門家の見解をご確認ください。

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