2025年の室町ステークス(京都ダート1200m)の予想ポイントを、調教データや厩舎コメントから徹底解説。1番人気が予測されるスターターンは最高の仕上がりと評価される一方、陣営と調教班の評価にズレが見られるボナンザなど、伏兵も多数。特に「去勢効果」のカズゴルティスや「叩き2戦目」のキタノズエッジといった明確な変わり身が期待できる馬をピックアップし、レース展開の鍵を握る軽量馬まで分析します。
この記事の要点
- 1番人気予測のスターターンは、調教評価で「文句なし」の最高評価を受けており、万全の体制。
- ボナンザは陣営の強気なコメントに対し、調教班は「若干、余裕残り」と指摘しており、評価にズレが見られる。
- 「去勢効果」で前走快勝したカズゴルティスと、「叩き良化」が明言されているキタノズエッジは、明確な上積み要素を持つ注目馬。
- 軽量52kgのスマートアイや最内枠のメイショウホウレンが展開の主導権を握る可能性が高く、ペース次第で差し馬にもチャンスが生まれる。
室町S 2025 予想ポイント①:スターターンの「文句なし」の仕上がり
予測オッズで1番人気(2.9倍)に支持されるスターターン(牡4・川田将・56kg)。同馬のポイントは、前走からの上積みが完璧である点です。前走の藤森S(3着)について、川田将雅騎手は「この馬自身もいい内容で走れて復調を感じるレースぶりでした」とコメント。三津谷助手も「復調の兆しは見られました」と、あくまで叩き台としてその内容に手応えを感じていました。
そして迎えた今回、調教の評価が群を抜いています。最終追い切りの短評は「目下最高のデキ」であり、状態変化を示す矢印も、全出走馬の中で唯一「↗」(上昇)マークが点灯。攻め解説においても「これまでより攻めた調整内容。前肢を叩きつけて推進力満点。馬体も更に研ぎ澄まされてきた。文句なし」と、これ以上ないほどの賛辞が並んでいます。前走で復調のきっかけを掴み、今回の本番で最高の状態に仕上がった陣営の情報から、中心的存在と言えるでしょう。
室町S 2025 予想ポイント②:ボナンザの陣営評価と調教データの「ズレ」
予測2番人気(5.8倍)が想定されるボナンザ(牡5・団野大・57kg)は、スターターンとは対照的に、陣営と調教班の間にわずかな「温度差」が見られる点がポイントです。春の天王山S(4着)以来のレースとなりますが、前走内容について庄野調教師は「コンマ1秒差。内容は悪くなかった」と評価。休養明けの今回については、「ここ2週ジョッキーにしっかり追ってもらって、太めが解消して体ができてきた」と、仕上がりに自信を覗かせています。
しかし、「調教データ」の攻め解説では評価が異なります。最終追い切りは栗東坂路で49.8秒の好時計をマークしたものの、「騎手騎乗とはいえ、49秒台で最後は脚が上がった。若干、余裕残しの感あり。このひと追いで絞れてくれば」と分析されています。陣営が「太め解消」とコメントする一方で、調教班は「若干、余裕残り」と指摘。このわずかな差が、ゴール前の「ひと押し」にどう影響するか、当日の気配まで注視が必要です。
室町S 2025 予想ポイント③:データが示す「激変」候補2頭
ハンデ戦の妙味は、前走からの「変わり身」にあります。今回、データ上「激変」の可能性を明確に示している2頭に注目します。
カズゴルティス:去勢効果で本格化
前走・外房Sで鮮やかな勝利を飾ったカズゴルティス(セン4・西村淳・54kg)。その最大の要因は「去勢」です。前走時のメモには「去勢効果で鮮やかな変わり身を示した」とあり、騎乗した菅原明騎手も「去勢の効果があったのでしょうし、凄くいい馬です」と絶賛していました。この効果は一過性のものではなく、西園翔師は「去勢効果で良くなって、前走はいい内容」「前向きさも出てきましたし…今は状態もいいですね」と、精神面での成長と好調維持を断言。54kgの手頃なハンデも魅力であり、昇級初戦から通用する可能性は十分にあります。
キタノズエッジ:典型的な叩き良化タイプ
予測3番人気(6.1倍)ながら、前走の藤森Sでは8着に敗れているキタノズエッジ(牡4・古川吉・55kg)。しかし、この馬こそ「叩き良化」の典型と言えます。畑端師は「典型的な叩き良化タイプ。調教での行きっぷりがグンと上向いてきました」と、前走が叩き台であったことを明言。その言葉を裏付けるように、調教の攻め解説では「先週はテンから飛ばして自己ベストを大幅に更新。体が絞れてきて、素軽さもアップした」と、まさに狙い通りの上昇カーブを描いています。前走の着順で人気が落ちるようであれば、絶好の狙い目となるでしょう。
室町S 2025 予想ポイント④:展開の主導権を握る軽量馬
京都ダート1200mにおいて、展開の読みは不可欠です。今回は、明確に先頭を主張する馬と、軽量ハンデを活かしたい馬が揃いました。
- スマートアイ (牝5・田口貫・52kg): 最軽量の52kg。寺島師は「ハンデが据え置きで良かったです。やはり出していく形がいいです」と逃げ戦法を公言しており、スピードは高く評価されています。
- メイショウホウレン (牡4・浜中俊・55kg): 1枠1番の絶好枠を活かせるスピード馬。前走でもハナを奪っており、この2頭がレースの主導権を握る可能性が高いでしょう。
もしこの2頭が競り合いハイペースになれば、後方で脚を溜める馬の出番です。出走馬中、唯一「展開嵌りそう」と評されるアルファマム(牝6・北村友・56.5kg)は、展開が向けば一発の可能性を秘めています。
【全頭診断】室町S 2025 調教・厩舎コメント一覧
| 馬番 | 馬名 | 調教評価 (短評) | 攻め解説の要点 | 厩舎コメントの要点 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | メイショウホウレン | 多少上向く (→) | 良化途上だが落ち着きあり。 | 状態変わりなく。オープンでどうか。 |
| 2 | アルテヴェローチェ | 力強い脚捌き (→) | パワフル。攻め通りなら。 | 芝で掛かるためダートへ。 |
| 3 | エートラックス | 動きキビキビ (→) | 動きはいい。実戦で集中力が続くか。 | 活気あり雰囲気良し。期待。 |
| 4 | スターターン | 目下最高のデキ (↗) | 推進力満点。馬体も研ぎ澄まされた。文句なし。 | 復調の兆しあり。仕上がり順調。 |
| 5 | ナムラフランク | 仕上がり途上 (→) | 本来の素軽さには遠い。バテ気味。 | 走れる状態には仕上がっている。 |
| 6 | ペプチドヤマト | 反応ひと息 (→) | 決め手不足。攻めも重い感じ。 | 仕上がり問題なし。安定した状態。 |
| 7 | アルファマム | 鋭さひと息 (→) | 久々。反応がこの馬にしてはひと息。 | ハンデ重いが確実に脚は使う。 |
| 8 | ロードエクレール | 動きハツラツ (→) | 気配は申し分なし。 | 1200mは気持ち忙しい。 |
| 9 | イスラアネーロ | 動きまずまず (→) | 少しフワフワして集中を欠いた。 | 昨年覇者。京都は得意。 |
| 10 | キタノズエッジ | 順調に乗り込む (→) | 自己ベスト更新。素軽さアップ。 | 叩き良化。行きっぷり上向き。 |
| 11 | カズゴルティス | 脚取り確か (→) | 前走時より集中力あり。好調。 | 去勢効果で良化。状態もいい。 |
| 12 | ロードラディウス | あまり変わり身無 (→) | 気合面で物足りない。 | 斤量55kgはいい。うまく先行できれば。 |
| 13 | エティエンヌ | 一息入るも仕上る (→) | キビキビ動けている。力出せる。 | しっかり仕上げた。寒くなり調子も上向き。 |
| 14 | スマートアイ | 攻め動かぬタイプ (→) | 稽古は動かないのがパターン。 | 52kg据え置き良。自分のペースで。 |
| 15 | ナナオ | 攻め常に動く (→) | 気配良好。 | 千二への短縮で慣れも見込める。 |
| 16 | ボナンザ | 好時計は出たが (→) | 若干、余裕残しの感あり。 | 太め解消。体ができてきた。 |
結論:室町S 2025の最終予想
本記事では、京都ダート1200mで行われる「室町S 2025」の予想のポイントを、直前の公式データから分析しました。
- スターターン:調教評価で「文句なし」の最高評価を受け、万全の体制。
- ボナンザ:陣営は強気も、調教班からは「余裕残り」とわずかな不安も。
- カズゴルティスとキタノズエッジ:「去勢効果」と「叩き2戦目」という、データに裏付けられた明確な上積みを持つ。
- スマートアイ:軽量52kgを活かし、展開の主導権を握る。
これらの詳細な分析とデータを踏まえた、最終的な予想の結論、印、および推奨の買い目については、以下のリンクから専門家の最終見解をご確認ください。


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