2025年の牝馬頂上決戦、エリザベス女王杯の最終追い切りを徹底評価します。公式データのみに基づき、前走G2快勝のレガレイラ、巻き返しを狙うステレンボッシュなど有力馬の仕上がりを客観的に診断。調教時計や陣営コメントから各馬の状態をS~Bランクで格付けし、馬券検討の核心に迫ります。
この記事の要点
- レガレイラ (Sランク): G2を快勝した状態から、さらに調子を上げる「上昇」評価で万全の気配。
- ステレンボッシュ (Sランク): 前走大敗も、最終追い切りで「自己ベスト」を記録。フィジカル面は最高潮で復活の可能性大。
- パラディレーヌ (A+ランク): G1激走後にもかかわらず「目下絶好調」と評価され、3歳馬として異例の上昇度を示す。
- ライラック (Aランク): 騎手が「過去一番」と評した状態を維持しており、データ上、人気薄での激走が期待できる穴馬候補。
【総覧】エリザベス女王杯2025 最終追い切り 評価概要
まず、全16頭の調教状態を俯瞰します。馬券検討において最も重要なシグナルの一つが「状態の上昇度」です。公式調教データによると、今回、調子矢印が「↗」(上昇)と評価されているのは以下の3頭です。
- ヴェルミセル (牝5)
- パラディレーヌ (牝3)
- レガレイラ (牝4)
G2を勝利したレガレイラ、G1で好走したパラディレーヌが、前走時からの更なる上積みを公に認められている点は、他陣営にとって大きな脅威となるでしょう。本稿では、この「上昇」評価の2頭に加え、最終追い切りで「自己ベスト」を記録したステレンボッシュをSランクの最高評価とします。
【重要データ】エリザベス女王杯2025 最終追い切り 評価一覧表
全16頭の最終追い切り(☆マーク)の評価と、全体の調子を示す矢印を一覧表にまとめます。すべてのデータは公式発表された調教データに基づいています。
| 馬名 | 矢印 (調子) | 追い切り短評 (全体) | 最終追切日 (☆) | 最終追切 短評 (☆) |
|---|---|---|---|---|
| ヴェルミセル | ↗ | シャープな脚捌き | 11/12(水) | シャープな脚捌き |
| エリカエクスプレス | → | 動きキビキビ | 11/12(水) | 動きキビキビ |
| オーロラエックス | → | 好気配保つ | 11/12(水) | 好気配保つ |
| カナテープ | → | 好気配保つ | 11/12(水) | 好気配保つ |
| ケリフレッドアスク | → | デキ落ちなし | 11/12(水) | デキ落ちなし |
| ココナッツブラウン | → | 遅れるも追わず | 11/12(水) | 遅れるも追わず |
| サフィラ | → | 馬体維持 | 11/12(水) | 馬体維持 |
| シンリョクカ | → | 仕上がり良好 | 11/12(水) | 仕上がり良好 |
| ステレンボッシュ | → | 自己ベストマーク | 11/12(水) | 自己ベストマーク |
| セキトバイースト | → | 馬体絞れ良化 | 11/12(水) | 馬体絞れ良化 |
| パラディレーヌ | ↗ | 目下絶好調 | 11/12(水) | 目下絶好調 |
| フェアエールング | → | 軽めの調教で十分 | 11/12(水) | 軽めの調教で十分 |
| ボンドガール | → | 動きスムーズ | 11/12(水) | 動きスムーズ |
| ライラック | → | 動きハツラツ | 11/12(水) | 動きハツラツ |
| リンクスティップ | → | 久々も動き軽快 | 11/12(水) | 動き軽快 |
| レガレイラ | ↗ | 好気配示す | 11/12(水) | 好気配示す |
【Sランク】最高評価:万全の状態を示す最有力候補
データ上、「S」と評価せざるを得ない最有力候補2頭を詳細に分析します。
Sランク: レガレイラ (牝4) – 前走以上の「好気配」
調教データ: 最終追い切り(☆ 11/12 美W 良)で「好気配示す」の短評。全体の調子矢印は「↗」(上昇)評価です。
前走インタビュー (オールカマー GII 1着): 戸崎圭騎手は「手応えが良かったですし、追ってからも反応して伸びてくれました」「乗りやすくて最後の脚はいいモノがありますね」と内容を絶賛しています。
【Sランク評価の根拠】
前走でG2を快勝した後、陣営の目標は通常、その良い状態を維持すること(矢印「→」)です。しかし、レガレイラの調教データは、G2を勝った状態から「さらに良くなっている」ことを示す「↗」(上昇)の評価を得ています。これは、陣営が前走以上のコンディションにあると自信を持っていることの表れです。最終追い切りの「好気配示す」という短評も、この上昇カーブが本物であることを裏付けており、Sランク評価に疑いの余地はありません。
Sランク: ステレンボッシュ (牝4) – 「自己ベスト」での完全復活か
調教データ: 最終追い切り(☆ 11/12 栗CW 良)で「自己ベストマーク」という圧巻の短評。調子矢印は「→」(平行線)です。
前走インタビュー (札幌記念 GII 15着): 池添謙騎手は、敗因がフィジカル面ではないことを示唆し、「能力の高い馬で本来なら4角を馬なりで上がってこなければいけない馬だけにメンタル面としか言いようがないです」とコメントしています。
【Sランク評価の根拠】
前走の大敗は、騎手コメントとレースメモから「メンタル面」と「渋った馬場」が原因であったことが強く示唆されています。この「敗因が明確な馬」が、今回、最終追い切りで「自己ベストマーク」という客観的な記録を出した事実は、非常に重く受け止めるべきです。これは、肉体面が最高レベルに仕上がったことを示しており、前走の弱点を補って余りある可能性を示す、典型的な「巻き返しパターン」と評価できます。
【A+ランク】最注目:上昇度No.1の3歳馬
Sランクに肉薄、あるいはそれ以上の「勢い」を感じさせる馬を分析します。
A+ランク: パラディレーヌ (牝3) – 「目下絶好調」の評価
調教データ: 最終追い切り(☆ 11/12 栗坂 良)で「目下絶好調」という最高の賛辞。調子矢印も「↗」(上昇)評価です。
前走インタビュー (秋華賞 GI 3着): 丹内祐騎手は「いい脚を使って能力は見せてくれました」「馬は本当によく頑張ってくれました」とコメントしています。
【A+ランク評価の根拠】
前走の秋華賞は「位置取りの差」だけで3着に敗れた、非常に強い内容のレースでした。G1で激走した後、3歳牝馬は疲労が懸念されますが、彼女の調教データは「目下絶好調」という短評に加え、「↗」(上昇)の矢印までついています。これは、前走のダメージが皆無であるばかりか、レースを使ったことで馬がさらに成長・覚醒している可能性を強く示唆しています。
【Aランク】注目:好気配の有力馬・穴馬
Sランクには一歩譲るものの、データから明確な好材料が読み取れる馬たちを評価します。
Aランク: エリカエクスプレス (牝3) – 課題克服への「キビキビ」した動き
調教データ: 最終追い切り(☆ 11/12 栗坂 良)で「動きキビキビ」の短評。調子矢印は「→」(平行線)です。
【Aランク評価の根拠】
前走2着好走時の課題は、武豊騎手が指摘した「道中の力み」でした。今回の「動きキビキビ」という評価は、体調が万全であることを示していますが、気性の課題が解消されたかはレース本番での判断が必要です。
Aランク: ライラック (牝6) – 騎手の絶賛を裏付ける「ハツラツ」さ
調教データ: 最終追い切り(☆ 11/12 美W 良)で「動きハツラツ」の短評。調子矢印は「→」(平行線)です。
【Aランク評価の根拠】
6歳馬ですが、前走時に主戦騎手が「過去一番」と最大級の賛辞を送っています。今回の「動きハツラツ」という評価は、その絶好調をキープしていることを裏付けており、人気薄での激走の可能性を十分に示しています。
Aランク: ヴェルミセル (牝5) – 3頭目の「上昇」評価馬
調教データ: 最終追い切り(☆ 11/12 栗坂 良)で「シャープな脚捌き」の短評。調子矢印「↗」(上昇)です。
【Aランク評価の根拠】
レガレイラ、パラディレーヌに続く3頭目の「↗」(上昇)評価馬。前走の好走の勢いをそのままに、さらに状態を上げており、5歳にして本格化の兆しがあるため、データ上は軽視できない存在です。
【Bランク】要警戒:他全馬追い切り短評データ分析
残る全出走馬についても、調教データと前走インタビューデータに基づき、客観的な評価を行います。
ココナッツブラウン (牝5)
評価: 前走内容は強かったものの、最終追い切りで「遅れた」という事実は一抹の不安を残します。
ボンドガール (牝4)
評価: 前走の敗因が「不明」かつ「乗り難しい」馬。「動きスムーズ」という評価は、気分次第で走る可能性と、再び凡走するリスクの両方を示唆します。
セキトバイースト (牝4)
評価: 騎手の「次は変わる」という予告に、調教データが「馬体絞れ良化」と応えており、巻き返しを示唆するポジティブなデータです。
フェアエールング (牝5)
評価: 「軽めの調教で十分」という判断は、既に仕上がっており、陣営に自信があることの表れと解釈できます。
シンリョクカ (牝5)
評価: 「仕上がり良好」の評価通り、今回も自分の力は出す安定した仕上がりと見られます。
オーロラエックス (牝4)
評価: 前走勝利の「好気配」を「保つ」の評価通り、高いレベルで安定しています。
カナテープ (牝6)
評価: 前走3着の好調を維持。仕掛け一つで、さらなる前進も期待できる状態です。
リンクスティップ (牝3)
評価: 前走は展開が向かなかっただけで、リフレッシュされて動きも軽快。データ上、見直しが必要です。
ケリフレッドアスク (牝3)
評価: 前走11着からの「デキ落ちなし」は、強調材料に乏しいと判断されます。
サフィラ (牝4)
評価: 前走12着からの「馬体維持」であり、データ上、大きな上積みは感じられません。
結論:追い切りデータから見える最終評価と推奨
本稿では、「エリザベス女王杯 2025 追い切り 評価」のキーワードに基づき、公式データのみを用いた客観的な分析を行いました。データ上、最も強力なのはSランクの2頭です。
- レガレイラ: 「G2勝ちから更に上昇(↗)」という、非の打ちどころがないデータ。
- ステレンボッシュ: 「メンタル」での大敗という明確な敗因を、「自己ベスト」のフィジカルで覆しに来た、巻き返しのパターン。
この2頭に匹敵するのがA+ランクのパラディレーヌ(↗)です。「目下絶好調」の評価は、G1激走後の3歳馬として異例の上昇度を示しています。穴馬としては、騎手が「過去一番」と評した状態を「ハツラツ」とした動きでキープしているライラック(Aランク)が、データ上、注目に値します。
上記の分析は、あくまで調教と前走データに基づく客観的な評価です。レース展開や馬場状態、枠順を含めた最終的な予想の結論は、以下のリンクからご確認ください。