2025年11月16日に京都競馬場(芝1800m、外回りBコース)で開催されるドンカスターカップ(3勝クラス・ハンデ)は、上位4頭が単勝オッズ5倍台にひしめく大混戦模様。予想1番人気のガイアメンテ(4.2倍)、2番人気のプッシュオン(4.7倍)、3番人気のセブンマジシャン(4.8倍)、4番人気のショウナンラピダス(5.5倍)が人気を分け合っている。ワイドアラジン(8.4倍)、ナムラフッカー(10.2倍)も続く。本記事では、厩舎コメントや調教評価などの公式データを分析し、上位4頭の信頼度を序列化するとともに、穴馬候補もデータに基づいて分析する。
要点のまとめ
- 2025年ドンカスターカップは、単勝オッズ5倍台までに4頭がひしめく大混戦。
- ガイアメンテは「前走不利」「調教絶好」「得意コース」の条件が揃い、信頼度が高い。
- ショウナンラピダスは「桁違い」と評される調教内容で、叩き2走目の上昇度がNo.1。
- セブンマジシャンも前走不利組で、能力的には勝ち負けできる状態にある。
- 穴馬としては、「前走不利」かつ「ハンデ53kg」のアウフヘーベンに妙味がある。
ドンカスターC 2025 予想のポイント①:上位人気「4強」の徹底比較
ガイアメンテ (予想1人気) – 陣営が狙う「京都外回り」での巻き返し
厩舎コメント: 須貝尚厩舎の北村助手は、状態の良さと京都外回りコースへの適性への自信を示唆。「具合はいいですよ」「実績がある京都の外回りで巻き返しを」とコメント。
前走敗因: 前走の秋風S(7着)は、レースメモに「後方で包まれて直線で少し強引に外へ」と記載されており、明確な不利があった。陣営はこれを敗因と認識している。
調教評価: 11月12日の栗東CWでの調教は、出走馬中突出しており、「来週GⅠ出走予定馬を上回る手応え。叩いて素軽くなる」と最大級の評価を受けている。一度使われた上積みで万全の状態。
総合評価: 「前走不利」「調教絶好」「得意コース替わり」という巻き返しの王道パターンが揃っており、1番人気の信頼度はデータ上非常に高い。
セブンマジシャン (予想3人気) – 繰り返された「前走不利」の雪辱
前走敗因: 前走の秋風S(6着)は、レース短評で「前走直線前壁に」、レースメモで「直線は内ラチ沿いからいい勢いで伸びてきたが、最後に寄られて立て直すロスが痛かった」とあり、スムーズさを欠いたことが明確な敗因。
陣営の勝算: 高野師は「力はこのクラスで足りていますよ」とコメントし、前走の不利がなければ勝負になっていたという自信を示唆。
調教評価: 11月12日の栗東坂路での調教は「脚取り確か」と評価され、「乗り込み入念。動きもしっかりしており、力出せるデキ」と万全の態勢。
総合評価: ハンデ57.0kgは重いが、能力と状態に疑いはなく、前走の不運がなければ勝ち切る力がある。
ショウナンラピダス (予想4人気) – 調教評価「桁違い」のNo.1上昇馬
調教評価: 11月12日の美浦Wコースでの調教は圧巻。「良化著しい」と評価され、「前回も良かったが、今回は勢いも力強さも桁違い。万全」と、これ以上ない賛辞が送られている。
陣営コメント: 国枝師は「ひと叩きで状態は上向いて」と明言し、調教の動きを裏付けている。
馬場適性: 「荒れてきた京都の芝もプラスに出そう」という陣営コメントがあり、開催が進みタフさが求められる京都の馬場コンディションを歓迎。これは4強の中でも明確なアドバンテージ。
総合評価: ハンデ57.0kgでも、完璧な仕上がりと馬場適性を考慮すると、ガイアメンテらをも凌駕する可能性を秘める。
プッシュオン (予想2人気) – 確実に伸びるが「展開待ち」のジレンマ
能力評価: 前走メモの「ラストの勢いは目を引いた」という記述や、西村師の「能力的には上のクラスでもやれる」というコメントから、クラス屈指の末脚を持つ。
陣営の懸念: 西村師は「もう1列前で運べれば理想なんだけどね」と語っており、後方からの競馬になるため、「展開の助け」が必要であることを示唆。
調教評価: 状態面は「軽快な行きっぷりで、終いは連日時計になる感じ。順調」と良好。
総合評価: 状態は良く末脚も強烈だが、4強の中では最も「展開依存型」であり、軸馬としての信頼度は一歩劣る可能性がある。
ドンカスターC 2025 予想のポイント②:4強崩しのXファクター
【ハンデの妙味】アウフヘーベン (牝5・53kg)
前走の不利: 前走の西宮S(7着)では、「短評」で「前走不利あり」、厩舎コメントで「直線で窮屈になってしまった」、レースメモで「スムーズならもう少しやれていたはず」と、3つのデータソースが不利を明確に示している。
仕上がり: 11月12日の調教(栗坂)では「仕上がり良好」と評価され、「適度な気合乗りでキビキビとした動き。態勢は整った感」と万全の仕上がり。
ハンデ: 好材料が揃う中、ハンデは53.0kg。これは57.0kgを背負うセブンマジシャンやショウナンラピダスより4kg軽く、ハンデ戦において最大のXファクターとなる。
【馬具変更の賭け】マイネルオーシャン&ウィープディライト
ブリンカー初装着: 2頭ともブリンカーを初装着(出馬表の「B」マーク)。これは課題解決のための明確な一手であり、一変の可能性がある。
マイネルオーシャン: 鹿戸雄師は「折り合いひとつだろう」とコメントしており、課題は明確。
ウィープディライト: 池添学師は「その効果で集中力が途切れなければ」と、馬具の効果に期待。
総合評価: 「集中力・折り合い」という課題解決に向けたハイリスク・ハイリターンな選択として注目される。
【コース適性の鬼】ナムラフッカー
コース適性: 陣営は「京都芝1800m」という舞台設定に明確な自信を持っており、長谷川師は「京都の1800メートルは一番マッチしそうな感じ」とコメント。レース短評にも「京都は好相性」と記されている。
調教: 調教は「この一追いで良化」と上昇気配。
総合評価: 予想6番人気ながら、コース適性で上位を脅かす存在。
【全出走馬 分析データ一覧】ドンカスターC 2025
出馬表・ハンデ・人気一覧
| 枠番 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 厩舎 | 予想オッズ | 人気 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 1 | プッシュオン | 牡5 | 56.0 | 坂井瑠 | 栗西村 | 4.7 | 2 |
| 2 | 2 | ノーブルスカイ | 牡4 | 54.0 | 鮫島駿 | 栗高柳大 | 32.0 | 10 |
| 3 | 3 | ナムラフッカー | 牡4 | 56.0 | 武豊 | 栗長谷川 | 10.2 | 6 |
| 4 | 4 | セブンマジシャン | 牡5 | 57.0 | Cデムーロ | 栗高野 | 4.8 | 3 |
| 5 | 5 | マイネルオーシャン | 牡4 | 55.0 | 丹内祐 | 美鹿戸雄 | 21.6 | 8 |
| 5 | 6 | ショウナンラピダス | 牡4 | 57.0 | 戸崎圭 | 美国枝 | 5.5 | 4 |
| 6 | 7 | ディープリッチ | 牡7 | 53.0 | 田口貫 | 美小島茂 | 210.1 | 12 |
| 6 | 8 | ガイアメンテ | 牡4 | 56.0 | ルメール | 栗須貝尚 | 4.2 | 1 |
| 7 | 9 | ウィープディライト | セン4 | 55.0 | 斎藤新 | 栗池添学 | 26.7 | 9 |
| 7 | 10 | リッケンバッカー | 牡7 | 54.0 | 古川吉 | 栗西村 | 110.0 | 11 |
| 8 | 11 | ワイドアラジン | 牡5 | 57.0 | 川田将 | 栗奥村豊 | 8.4 | 5 |
| 8 | 12 | アウフヘーベン | 牝5 | 53.0 | 北村友 | 栗高橋亮 | 14.9 | 7 |
全12頭 厩舎コメント
| 馬番 | 馬名 | 厩舎の話(コメント原文) |
|---|---|---|
| 1 | プッシュオン | 西村師「能力的には上のクラスでもやれる。もう1列前で運べれば理想なんだけどね。状態は軽快な行きっぷりで、終いは連日時計になる感じ。順調」 |
| 2 | ノーブルスカイ | 高柳大師「前走は休み明けで少し重かった。叩いて良化。京都の芝は合うはず」 |
| 3 | ナムラフッカー | 長谷川師「京都の1800メートルは一番マッチしそうな感じ。この一追いで良化」 |
| 4 | セブンマジシャン | 高野師「前走は直線で寄られて立て直すロスが痛かった。力はこのクラスで足りていますよ。乗り込み入念。動きもしっかりしており、力出せるデキ」 |
| 5 | マイネルオーシャン | 鹿戸雄師「折り合いひとつだろう。ブリンカー初装着で集中力に期待」 |
| 6 | ショウナンラピダス | 国枝師「ひと叩きで状態は上向いて。荒れてきた京都の芝もプラスに出そう。前回も良かったが、今回は勢いも力強さも桁違い。万全」 |
| 7 | ディープリッチ | 小島茂師「年齢を重ねても衰えはない。展開が向けば」 |
| 8 | ガイアメンテ | 須貝尚厩舎北村助手「具合はいいですよ。前走は後方で包まれて直線で少し強引に外へ。実績がある京都の外回りで巻き返しを。来週GⅠ出走予定馬を上回る手応え。叩いて素軽くなる」 |
| 9 | ウィープディライト | 池添学師「ブリンカー初装着。その効果で集中力が途切れなければ」 |
| 10 | リッケンバッカー | 西村師「前走は不完全燃焼。叩き2走目でどこまで」 |
| 11 | ワイドアラジン | 奥村豊師「前走は勝ち馬が強かった。このクラスでは上位の力。ハンデも手頃」 |
| 12 | アウフヘーベン | 高橋亮師「前走は直線で窮屈になってしまった。スムーズならもう少しやれていたはず。仕上がり良好。適度な気合乗りでキビキビとした動き。態勢は整った感」 |