三冠最終戦・菊花賞を含む日曜のWin5を徹底分析。過去の実績よりも「現在の状態」を最重要視し、調教や陣営コメントから各レースの有力馬を厳選しました。波乱含みの5レースを制するための注目馬と攻略ポイントを解説します。
淀のダート1900mを舞台に行われるオープンクラスのハンデ戦。スタミナとスピード、そしてレース展開を読む力が問われる一戦です。ここでは、心身ともにピークを迎え、勝ちに行く意志が明確に見える2頭を推奨します。
このレースに向けて、まさに心身ともに最高潮の仕上がりを見せているのがジューンアヲニヨシです。調教レポートでは「馬体の張り上々」と特筆されており、見た目からも充実ぶりが伝わってきます。松下厩舎は、このレースの前に短期放牧を挟むことで馬を心身ともにリフレッシュさせることに成功しました。その効果は絶大で、帰厩後の最終追い切りでは素晴らしい動きを披露。前走時の課題を克服すべく、早めに動く積極的なレースプランで彼の持つポテンシャルを最大限に引き出すことが予想されます。
大型馬にとって、休み明け2戦目は「変わり身」が最も期待できるタイミングです。タイトニットはまさにその典型例と言えるでしょう。陣営も「大型馬2走目」と一度使われたことによる大幅な上積みに期待を寄せています。今野師も「使って思い通りに上向いていますし、今週もしっかりと追い切って上積みの見込める動きでした」と、状態の上昇が計画通りであることを明言。最終追い切りでは力強い動きを見せており、一度レースを使ったことで心身ともにスイッチが入ったことは明らかです。
府中の芝1800mで行われる牝馬限定の2勝クラス。長い直線での瞬発力勝負になりやすく、キレのある末脚を持つ馬が有利な舞台です。ここでは、明確な勝負気配を見せる馬と、着実に状態を上げてきた馬をピックアップします。
陣営の勝負気配という点において、この馬の右に出るものはいません。横田助手は「ここは狙ってきたレース。もうそろそろ決めたい」と、勝利への強い意志を隠しません。この一戦に照準を合わせ、中7週と間隔を空けて入念な乗り込みを経て、最終追い切りでは「推進力ある走り」と絶賛されるほどの動きを見せています。芝路線に転向してからのパフォーマンスは目覚ましく、東京の長い直線で求められる究極の瞬発力勝負への適性も示しました。勝利への全てのピースが揃った印象です。
長期休養明けを一度使われ、復調気配が著しいのがイトカワサクラです。調教レポートには「ひと叩き良化示す」との的確な評価が記され、「長欠明けを叩きこの馬らしい活気が出てきた。上積み有」と、状態が上向いていることが強調されています。牧田師も「前走で復調の兆しは見られましたからね。2走目で前進を」と一度レースを使った効果を実感。休養で緩んだ心身が一度の実戦を経て引き締まり、本来の活気を取り戻した今、パフォーマンスが大きく向上することは間違いないでしょう。
三冠最終戦、菊花賞。スタミナ自慢の精鋭たちが、世代最強のステイヤーの座を賭けて淀の長丁場に挑みます。求められるのは絶対的なスタミナと、それを支える強靭な精神力。陣営のコメントや調教内容から、この過酷なレースを勝ち抜く資質を秘めた3頭を厳選しました。
管理する大竹師は「スタミナがあってバテない馬。3000メートルや雨はこの馬にプラスに出ると思っています」と、距離適性と道悪適性に絶対の自信を表明しています。その言葉を裏付けるように、追い切り後の気配は「前走以上の雰囲気」と絶好調。また、精神的な強さも特筆すべき点で、直線で不利がありながらも盛り返す脚を使うなど、最後まで戦い抜く根性があります。スタミナ、状態、勝負根性、そして馬場への適性。菊花賞を制するための要素を高いレベルで満たした一頭です。
関東馬ながら栗東トレーニングセンターに滞在して調整を進めてきたエネルジコ。調教では「以前の硬さが皆無」「日を追う毎に回転力が増してきている」と、馬体の質が飛躍的に向上していることが報告されています。最終追い切りでは専門家からも「A」評価を獲得。さらにルメール騎手は「心臓がいい。メンタルがすごい。ビッグチャンス。スタミナがありそう」と、世界の名手がその能力に太鼓判を押しました。才能ある若駒が、大一番でその能力を完全に開花させようとしています。
この1ヶ月で実に8本もの追い切りを消化しており、これは3000mを最後まで走り切るためのスタミナを徹底的に強化してきた証です。この豊富な乗り込み量により、最終追い切りでは「首差しの柔らかさと背腰の連動が良化」し、軽く仕掛けるだけでスッと反応できるなど、走りの完成度が高まっています。杉山晴師も「いい勝負根性があります」とその精神力を評価し、鞍上の坂井騎手とは「4戦4勝」とパーフェクトな相性を誇ります。消耗戦になればなるほど、この馬の真価が発揮されるでしょう。
東京ダート1400mが舞台の3勝クラス。ワンターンのコース形態で、先行力と持続力が高いレベルで要求されます。ここでは、能力的に一枚上の存在と、条件好転で一変が見込める馬に注目します。
このメンバーの中では、能力が頭一つ抜けている存在です。客観的な指標であるレーティングは70.0と、2位以下を大きく引き離します。管理する須貝尚師も「前走は強い勝ち方をしてくれたよ。引き続き期待したい」と、その実力に絶対的な信頼を寄せています。最終追い切りではシャープな動きを披露しており、状態面に一点の曇りもありません。59kgという斤量が懸念されますが、現在の充実ぶりと能力差を考えれば克服する可能性は十分にあるでしょう。
前走は不得手な芝のレースを使ったもので度外視可能。今回は待望の得意条件への復帰となります。杉山晴師は「ためれば切れる脚が使えるし、1400メートルの距離もいい」と、東京ダート1400mという舞台への適性に自信を見せています。最終追い切りではパワフルな動きを披露しており、肉体的な仕上がりは完璧。得意な舞台に戻り、最高の状態で臨む今回、一変した姿を見せてくれるはずです。
Win5の最終関門は、新潟名物「千直」。純粋なスピードと、枠順や馬場を読むジョッキーの腕が試される特殊なレースです。ここでは、この舞台への適性が高く、状態も万全な3頭を推奨します。
この馬の最大の推奨ポイントは、精神面の劇的な成長です。トレーナーが「去勢効果が表れて、集中力が出てきたよ」と語るように、課題であった気性面が大きく改善されました。この成長は調教での動きにも表れており、エネルギーを最後の直線で爆発させる準備が整いました。ハイペース必至の直線競馬で、他馬が苦しくなったところをまとめて差し切るシーンが目に浮かびます。
このコースのスペシャリストと言っても過言ではないでしょう。菊沢厩舎は「直線1000メートルには実績がある」「ここを目標に準備はできている」と、舞台適性と万全の仕上げに自信を見せています。持ち前のスピードは健在で、陣営は少し力の要る秋の馬場状態も歓迎のクチ。コース適性、状態、そして馬場適性と、好走への条件はすべて揃っています。
もし良馬場で開催されるならば、この馬が主役になる可能性は十分にあります。長谷川厩舎は「雨は良くないので、そこに尽きる」と明確ですが、同時に「直線競馬ならオープンでもやれていい」と、良馬場での能力に絶対の自信を持っています。その根拠は圧巻の調教内容にあり、専門家から最上級の評価を受けました。天候次第というリスキーな存在ですが、条件が整った時の爆発力はメンバー随一です。
| レース | 馬番 | 馬名 |
|---|---|---|
| 京都10R カノープスS | 5 | ジューンアヲニヨシ |
| 12 | タイトニット | |
| 東京10R 山中湖特別 | 6 | クリニクラウン |
| 1 | イトカワサクラ | |
| 京都11R 菊花賞(GI) | 18 | レッドバンデ |
| 9 | エネルジコ | |
| 12 | ゲルチュタール | |
| 東京11R 神無月S | 13 | インユアパレス |
| 3 | ジャスティンアース | |
| 新潟11R ルミエールAD | 15 | カルロヴェローチェ |
| 5 | エコロレジーナ | |
| 17 | イコサン |
三冠最終戦の格式と、各競馬場の名物レースが織りなす本日のWin5。一頭一頭の現在のコンディションを深く掘り下げることで、波乱含みの一日を乗り切るための道筋が見えてきたのではないでしょうか。本稿で挙げた注目馬たちが、皆様の馬券戦略の一助となれば幸いです。幸運を祈ります。