2025年10月28日
コントレイル産駒のバドリナートが萩ステークス(L)を快勝し、現2歳世代で初の2勝馬となりました。稍重馬場ながら優秀な時計で、そのレース内容からクラシック候補として評価が急上昇しています。本記事では、バドリナートの強さの根拠、今後の課題、そしてライバルとの比較を競馬ファンの意見を交えながら多角的に分析します。
この記事の要点
- コントレイル産駒バドリナートが萩ステークスを制し、2歳牡馬戦線の主役に躍り出た。
- 稍重馬場ながら1分47秒1という好タイムを記録し、高い能力を示した。
- レースぶりから操縦性の高さと勝負根性が評価される一方、気を抜く癖も指摘されている。
- 次走はホープフルステークス(G1)が有力視され、現時点での世代トップ候補と目されている。
バドリナート、萩ステークスを圧勝し世代の主役へ
2025年10月26日、京都競馬場で行われたリステッド競走「萩ステークス」において、コントレイル産駒のバドリナート(牡2、松永幹夫厩舎)が勝利しました。これにより、同世代のコントレイル産駒として初めての2勝目を挙げ、クラシック戦線へ向けて大きく前進しました。
稍重馬場での圧巻のパフォーマンスと時計
レースは稍重の馬場コンディションで行われましたが、バドリナートは1分47秒1という優れた時計を記録。これは過去10年の同レースの中でも上位に入るタイムであり、馬場状態を考慮すると非常に価値の高いものと評価されています。先行集団でレースを進め、直線で力強く抜け出すという王道の競馬で、2着のキッコベッロに1馬身差をつけて快勝しました。
ファンからは「稍重でこのタイムは素直に凄い」「同日の他のレースと比較しても時計の価値は高い」といった声が上がっており、そのパフォーマンスは多くの競馬ファンに強い印象を与えました。
レース内容から見える強みと課題
バドリナートの強みとして、スタートセンスが良く、道中も折り合いがつく操縦性の高さが挙げられます。先行して抜け出す競馬ができるため、レース展開に左右されにくい安定感が魅力です。また、2着馬に並びかけられてからもう一度伸びる勝負根性も見せました。
一方で、課題も指摘されています。新馬戦では詰めの甘さを見せて2着に敗れており、多頭数や厳しい流れになった際の経験はまだありません。また、直線で先頭に立つと気を抜く、いわゆる「ソラを使う」癖があるとの見方もあり、今後の成長が期待されます。
父コントレイルとの共通点と血統的背景
「ソラを使う」癖は遺伝か?
レース中に見せる集中力の課題は、父である無敗の三冠馬コントレイルにも見られた特徴です。コントレイルもレース中に気を抜く仕草を見せることがあり、鞍上が最後まで集中力を切らさないよう追う場面がありました。パトロールビデオを見ると、バドリナートも抜け出した直後に耳を立てるなど、レースに集中しきれていない様子がうかがえます。この点から「父の癖を色濃く受け継いでいるのでは」という意見も出ています。裏を返せば、まだ全能力を発揮しておらず、底知れないポテンシャルを秘めているとも言えるでしょう。
母父ガリレオとの配合
バドリナートは母の父が欧州の名血ガリレオという血統構成です。コントレイルとガリレオ系の肌馬との配合は相性が良い可能性が指摘されており、スタミナとパワーを補強する組み合わせとして注目されています。この血統背景から、中山競馬場の急坂や、クラシックディスタンスへの対応力も期待されています。
今後の展望とライバルたちの評価
次走はホープフルステークスが最有力
萩ステークスを勝利したことで、バドリナートは年末の2歳G1「ホープフルステークス」の有力候補に名乗りを上げました。過去にも萩ステークスをステップにホープフルステークスを制した馬は多く、王道ローテーションと言えます。今後の東京スポーツ杯2歳ステークスや京都2歳ステークスの結果次第ではありますが、現時点ではバドリナートが1番人気に支持される可能性が高いと見られています。
他の有力馬との力関係
現2歳牡馬戦線では、エピファネイア産駒のアンドゥーリルや、同じコントレイル産駒で非凡な瞬発力を見せたテルヒコウ、新馬戦で圧巻の走りを見せたゴーイントゥスカイなどがライバル候補として名前が挙がっています。しかし、既に出世レースで強い勝ち方を見せたバドリナートが一歩リードしているとの見方が大勢です。今後の直接対決で世代の力関係が明らかになっていくでしょう。
萩ステークス 過去の勝ち馬とレースの価値
萩ステークスは、後のG1馬を多数輩出している重要なステップレースです。過去10年の勝ち馬と、その後の活躍を見てみましょう。
| 開催年 | 勝ち馬 | その後の主な勝ち鞍 |
|---|---|---|
| 2024年 | テリオスララ | – |
| 2023年 | ルシフェル | – |
| 2022年 | トップナイフ | 弥生賞2着、皐月賞2着 |
| 2021年 | ダノンスコーピオン | NHKマイルカップ(G1) |
| 2020年 | シュヴァリエローズ | – |
| 2019年 | ヴェルトライゼンデ | 日経新春杯(G2) |
| 2018年 | サートゥルナーリア | ホープフルS(G1)、皐月賞(G1) |
| 2017年 | タイムフライヤー | ホープフルS(G1) |
| 2016年 | プラチナヴォイス | – |
| 2015年 | ブラックスピネル | 東京新聞杯(G3) |
このように、サートゥルナーリアやタイムフライヤーがこのレースをステップにホープフルステークスを制しており、クラシック戦線を占う上で非常に重要な一戦であることがわかります。
バドリナートに関するよくある質問
バドリナートの弱点は何ですか?
多頭数でのレース経験が少ない点や、レース中に気を抜く(ソラを使う)癖が指摘されています。また、中山競馬場の急坂への対応力も、今後のクラシック戦線を見据える上での課題と見る意見があります。萩ステークスは「出世レース」なのでしょうか?
はい。過去にサートゥルナーリアやタイムフライヤー、ダノンスコーピオンといった後のG1馬を輩出しており、特にホープフルステークスに繋がる重要なステップレースと位置づけられています。他に有力な2歳牡馬はいますか?
エピファネイア産駒のアンドゥーリルや、同じコントレイル産駒のゴーイントゥスカイ、テルヒコウなどの名前が挙がっています。しかし、現時点では重賞級のレースで好パフォーマンスを見せたバドリナートが一歩リードしているとの見方が多いようです。


コメント