2025年10月26日 / 2025年10月28日
キタサンブラック産駒は、初年度からイクイノックスを輩出したことで期待が高まり、セレクトセールでは億超えの高額馬が続出しています。しかし、その一方でデビュー済みの高額馬の成績が振るわず、オープン馬すら出ていない現状に競馬ファンの間で懸念が広がっています。本記事では、キタサンブラック産駒の高額馬の成績や今後の展望について、寄せられた意見をまとめました。
この記事の要点
- セレクトセールで1億円以上の値が付いたキタサンブラック産駒から、まだオープンクラスの活躍馬は出ていない。
- 最高額5億9000万円のエムズビギンをはじめ、多くの高額馬が未勝利や条件クラスで苦戦している。
- イクイノックスの歴史的な活躍により産駒全体の価格が高騰したが、「当たり外れが大きい」との指摘も多い。
- これからデビューを控える良血の高額馬も多数おり、今後の動向が注目されている。
デビュー済み億超えキタサンブラック産駒の成績
2025年10月時点で、セレクトセールで1億円(税抜)以上の価格で取引されたキタサンブラック産駒のうち、デビュー済みの馬の成績は以下の通りです。オープンクラスで活躍する馬はまだ現れていません。
| 落札額(税抜) | 馬名 | 主な戦績・現況 |
|---|---|---|
| 5億9000万円 | エムズビギン | 新馬2着 |
| 3億1000万円 | ダノンシーマ | 3勝クラス |
| 2億9000万円 | アスクセクシーモア | 3勝クラス |
| 1億9000万円 | ジャスティンボルト | 未勝利で地方移籍 |
| 1億7000万円 | インザスカイ | 未勝利で地方移籍 |
| 1億6000万円 | メトセラ | 1勝クラスで地方移籍 |
| 1億5000万円 | リアライズグリント | 未勝利 |
| 1億1100万円 | シュバルツガイスト | 2勝クラス |
最高額のエムズビギンが新馬戦で敗れたことや、複数の馬が中央で勝ち上がれずに地方へ移籍している現状に、投資額に見合わないという厳しい意見が上がっています。
これからデビューする注目の高額馬
一方で、アスコリピチェーノの半弟やキラーアビリティの半弟など、血統的にも期待の大きい高額馬がデビューを控えています。今後の活躍が期待される主な馬を紹介します。
2歳世代(2023年産)
- ダノンアスコルティ(4億円):半姉にアスコリピチェーノ
- バックドラフト(3億8000万円):近親に欧州重賞勝ち馬多数
- ヘイジュード(3億2000万円):半兄にキラーアビリティ
- ショウナンワクセイ(2億9000万円):叔母にクロノジェネシス、ノームコア
- スワーヴマルス(1億9000万円):半兄にノースブリッジ
- ランブルスコ(1億5000万円):半兄にシャケトラ
1歳世代(2024年産)
- モシーンの2024(4億2000万円):半姉にプリモシーン
- セリエンホルデの2024(4億1000万円):半兄にシュネルマイスター
- ノームコアの2024(4億1000万円):母がノームコア
- サザンスターズの2024(2億7000万円):半姉にスターズオンアース
なぜキタサンブラック産駒の高額馬は苦戦するのか?
キタサンブラック産駒の高額馬が苦戦する理由について、様々な意見が交わされています。
- 初年度産駒のイクイノックスが「上振れ」だった可能性: 歴史的名馬イクイノックスの登場により、産駒全体の評価が過剰に高まったのではないかという見方です。
- ブラックタイド系の特性: 父ブラックタイドのように、産駒の成績に波があり、コンスタントに活躍馬を出すタイプではない「一発長打型」ではないかという指摘があります。
- 安価な馬から活躍馬が出ている傾向: キタサンブラック自身も高額馬ではなかったように、むしろ安価な取引馬やクラブ募集馬から活躍馬が出やすい傾向があるという意見も見られます。
- 高額馬ゆえの慎重な育成: 高額で取引された馬は故障を避けるため慎重に育成される傾向があり、その結果、デビューが遅れたり、十分な負荷をかけられなかったりする可能性も考えられます。
種付け料が上昇し、繁殖牝馬の質が向上した世代がこれから本格的にデビューするため、真価が問われるのはまだこれからという声もありますが、現状の成績は多くの馬主にとって厳しい結果となっています。
キタサンブラック産駒に関するよくある質問
キタサンブラック産駒の高額馬は本当に儲からないのですか?
現時点では、億超えの高額取引馬から獲得賞金が購入額を上回るような活躍馬は出ていません。ただし、まだデビューしていない良血馬も多数いるため、今後の活躍次第で評価は変わる可能性があります。キタサンブラック産駒は長距離が苦手なのですか?
父自身は菊花賞や天皇賞(春)を制したステイヤーでしたが、産駒の成績を見ると、菊花賞で結果が出ないなど、長距離適性に疑問を呈する声もあります。母父サクラバクシンオーの影響を指摘する意見も見られます。イクイノックスはなぜあれほど強かったのですか?
イクイノックスの強さについては、世代レベルや対戦相手に恵まれたという意見がある一方、海外のトップホースマンからも「世代を象徴する馬」「別格」と最大級の賛辞が送られており、その実力は世界的に認められています。キタサンブラック産駒の中でも、特別な存在であったと考えるのが一般的です。


コメント