2025年10月28日に浦和競馬場で開催される「ミズナラ賞(A2B1)」。中央と地方の実力馬が激突するこの交流競走は、タイトなコーナーが特徴の浦和1400mが舞台です。移籍初戦を圧勝した元JRAオープン馬ヒビキと、鮮やかな逃げ切り勝ちを見せたダヴァンティの二強対決に注目が集まります。本記事では、全出走馬の最終追い切りや厩舎コメントを基に、レースの展開と攻略の鍵を徹底分析します。
この記事の要点
- 中心は実績・状態ともに最上位のヒビキ。自在な脚質で連勝の可能性が高い。
- 対抗はスピードとコース適性が武器のダヴァンティ。最内枠から逃げ切れるかが鍵。
- レースは先行馬が揃いハイペースが濃厚。差し・追い込み馬の台頭に注意が必要。
- 穴候補として、距離適性が高いルミッキ、展開利が見込めるブルーノートが面白い存在。
ミズナラ賞 2025 出走馬評価一覧
まずは全出走馬の評価を一覧で確認し、レースの全体像を掴みましょう。
| 枠番 | 馬番 | 馬名 | 騎手 | 総合評価 | 注目ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 1 | ダヴァンティ | 御神本訓 | 有力候補 | 転入初戦圧勝、コース適性 |
| 2 | 2 | エリンアキレウス | 菊沢一 | 割引必要 | 小回りコースへの対応が鍵 |
| 3 | 3 | ルミッキ | 福原杏 | 穴候補 | 距離適性、鞍上魅力 |
| 4 | 4 | ヒビキ | 笹川翼 | 最有力 | 格上位、叩き2戦目の上積み |
| 5 | 5 | トレブランシュ | 原優介 | 苦戦か | 近走不振、ダート適性に疑問 |
| 6 | 6 | ファイントパーズ | 張田昂 | 巻き返し注意 | 小回り実績、立て直し効果 |
| 7 | 7 | ブルーノート | ミシェル | 展開次第 | 差し脚注意、ハイペース恩恵 |
| 7 | 8 | ディオスバリエンテ | 野畑凌 | 実績馬 | 元JRAオープン、血統背景 |
| 8 | 9 | ウォーターハウス | 町田直 | 変わり身期待 | 交流戦良績、攻め気配良好 |
| 8 | 10 | プリモジョーカー | 池谷匠 | 厳しい戦い | 相手強化、距離不安 |
二強対決か?有力馬徹底分析
今回のミズナラ賞は、実績と近走内容から2頭の馬が特に注目されています。JRAのオープンクラスで戦ってきた実績を誇るヒビキと、浦和の舞台で圧倒的なスピードを見せつけたダヴァンティ。両馬の強みと課題を、データに基づいて徹底的に分析します。
4枠4番 ヒビキ (牡5) – 揺るぎなき中心的存在
移籍初戦を勝利で飾り、早くも南関東のエース候補に名乗りを上げたヒビキが、今回のレースで中心的な存在であることは間違いありません。複数のデータが、その実力を裏付けています。
格の違いを見せつける実績
まず特筆すべきは、その実績です。JRA在籍時にはオープン特別の越後ステークスで3着に入るなど、ハイレベルなメンバーと互角に渡り合ってきました。今回のA2・B1クラスは、その実績から見れば一枚も二枚も格下の相手と言えます。専門家からも「ここに入っても格的には上位」と断言されており、能力の絶対値で他馬を圧倒する可能性を秘めています。
叩き2戦目で迎える最高潮のデキ
移籍初戦となった前走は、船橋1200mで見事な差し切り勝ちを収めました。一度実戦を使ったことで状態はさらに上向いており、最終追い切りでは「上積み十分」という最高の評価が与えられています。管理する繁田師も「引き続き雰囲気はいい」とコメントしており、心身ともに万全の状態でレースに臨めることは大きな強みです。
浦和コースを克服する戦術的柔軟性
浦和の小回りコースへの対応が課題と見る向きもありますが、その点についても不安は少ないと考えられます。前走は後方からの差し切りでしたが、専門家の見立てでは「前に行ける機動力もあって小回りを苦にすることはなさそう」と評価されています。先行も差しもできる自在な脚質は、展開に左右されにくい安定感につながります。格、状態、コース適性の三拍子が揃ったヒビキが、連勝を飾る可能性は極めて高いと言えるでしょう。
1枠1番 ダヴァンティ (牝4) – 逃げ切れるか、スピードの才女
ヒビキに待ったをかける存在がいるとすれば、それは圧倒的なスピードを武器に持つダヴァンティです。彼女の魅力は、その一点突破の戦法に集約されます。
傑出したスピードとコース適性
転入初戦となった前走の浦和1400m戦では、スタートから先頭に立つと、そのまま後続に影をも踏ませぬ圧勝劇を演じました。レース内容から「浦和1400メートルの適性が高い」ことは証明済みです。能力表を見ても、通過順位が「1-1-1-1」となっており、完全なワイヤー・トゥ・ワイヤーでの勝利であったことがわかります。
陣営も自信を見せる絶好のコンディション
彼女の状態面も非の打ち所がありません。最終追い切りでは「抜群の行きぶり」「抜群の動き」と最大級の賛辞が並び、まさに絶好調であることを示しています。管理する小久保師も「緒戦から仕上げに自信を持って臨んだが、更に気配は良くなっている」と、前走以上の状態で送り出せることに強い自信を覗かせています。
課題は相手強化と同型との兼ね合い
唯一の懸念点は、今回のメンバー構成です。小久保師自身が「一気に条件は強化される」と認める通り、ヒビキを筆頭に骨っぽい相手が揃いました。さらに、専門家からは「同型揃いでもハナを奪えれば」という条件付きの評価も出ています。他にも先行したい馬がいる中で、楽に自分のペースで逃げられるかどうかが、勝敗を分ける最大のポイントとなるでしょう。最内枠からスムーズに先手を奪い、後続のプレッシャーを凌ぎきれれば、前走の再現も十分に可能です。
全出走馬診断:枠順別徹底解説
中心となる2頭以外にも、虎視眈々と勝利を狙う実力馬が揃っています。ここでは全出走馬を枠順に沿って、調教データ、陣営コメント、そして専門家の分析を統合して解説します。
1枠1番 ダヴァンティ (牝4)
分析は「二強対決か?有力馬徹底分析」の項を参照してください。
2枠2番 エリンアキレウス (牡5)
最終追い切りは「あまり変わり身無」と平凡な評価。伊藤伸師は状態維持を強調しつつも「地方の小回りコースが鍵」とコース適性に懸念を示しています。トビの大きい巨漢馬であるため、浦和のタイトなコーナーでは能力を発揮しにくい可能性があり、厳しい戦いが予想されます。
3枠3番 ルミッキ (牝4)
前走は大敗しましたが、調教では「スピード感十分」「元気一杯」と活気のある動きを見せています。橋口師は「1400メートルが一番適していますね」と距離適性に自信を持っており、浦和を知り尽くす福原騎手の手腕も魅力です。人気を落とすなら絶好の狙い目となるかもしれません。
4枠4番 ヒビキ (牡5)
分析は「二強対決か?有力馬徹底分析」の項を参照してください。
5枠5番 トレブランシュ (牝5)
調教の動きは「今ひと息」とネガティブなコメントが目立ちます。近3走も二桁着順が続いており、ダート適性にも疑問符が付きます。専門家からも「軽視」と厳しい評価が下されており、好走を期待するのは難しい状況です。
6枠6番 ファイントパーズ (牝4)
追い切りの動きは「フットワーク軽快」で体調は良好。気難しさがあり揉まれ弱い点が課題ですが、中山や福島といった小回りコースでの勝利実績は浦和の舞台に繋がります。スムーズに先行できれば一変の可能性を秘めています。
7枠7番 ブルーノート (牡6)
追い切りでは「力強い脚捌き」を見せ、好時計をマーク。常に後方から脚を伸ばすタイプで、今回はダヴァンティやファイントパーズなど先行したい馬が揃ったためハイペースが予想されます。展開が向けば、持ち前の末脚で一気に強襲する場面も考えられます。
7枠8番 ディオスバリエンテ (セ7)
元JRAオープン馬という実績はメンバー随一ですが、最終追い切りでは併せ馬で遅れ「反応鈍い」と厳しい評価。一方で小久保師は「有利な編入条件」「期待感を持って臨みたい」と強気です。血統背景も魅力ですが、状態面が最大の鍵となり、評価が難しい一頭です。
8枠9番 ウォーターハウス (セ5)
調教の動きは「素軽さ出る」と評価され、状態は上向き。園田の交流競走での勝利実績があり、このタイプのレースを得意としています。専門家からは「得意の道悪になれば大駆けも」と指摘されており、当日の馬場状態次第では評価を上げる必要があります。
8枠10番 プリモジョーカー (牝8)
内田師が「相手が強くて1400メートルも長い」と弱気なコメントを出しており、陣営の期待は低いようです。近年は凡走が続いており、8歳という年齢からも大きな変わり身を望むのは酷かもしれません。
レース展開と最終見解のまとめ
ペース予測
今回のメンバー構成からは、速いペースになることが濃厚と予測されます。1枠1番のダヴァンティがハナを主張するのは確実で、6枠6番のファイントパーズも揉まれ弱い気性から前々のポジションを取りにくるでしょう。序盤から競り合いになれば「ハイペース必至」という専門家の見立て通りの展開が予想されます。
展開の鍵を握る馬
- ダヴァンティ: 最内枠から単騎逃げの形に持ち込めるか。彼女が作るペースがレース全体の流れを決定づけます。
- ヒビキ: 自在な脚質を持つだけに、笹川翼騎手がどのポジションを選択するかが注目されます。速い流れを見ながら好位で脚を溜める形が理想でしょう。
- ブルーノート: 展開利を最も受けそうなのがこの馬。前が速いペースで飛ばし、直線で失速するようなら、彼の末脚が炸裂する場面がありそうです。
総括
全てのデータを総合的に判断すると、やはり中心はヒビキで揺るがないでしょう。クラス、状態、戦術の柔軟性といった点で他馬をリードしており、大崩れは考えにくい存在です。対抗は、スピードとコース適性で勝負するダヴァンティ。展開が向けば逃げ切りも十分可能です。穴候補としては、距離と鞍上が魅力のルミッキ、ハイペースの恩恵を受けるブルーノート、そして実績は最上位ながら状態面が鍵となるディオスバリエンテの3頭を挙げたいと思います。
結論はプロの予想をチェック!
この記事では、公開されている調教データ、厩舎コメント、専門家の分析などを基に、2025年ミズナラ賞の展望と全出走馬の診断をお届けしました。各馬の能力や状態を深く理解するための一助となれば幸いです。これらの分析を踏まえた上での最終的な買い目、印の結論については、以下のリンクからプロの予想家の見解をご確認ください。


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