毎日王冠2025:天皇賞(秋)への最重要ステップレース、各馬の仕上がりは?
伝統のG2、毎日王冠が今年も東京競馬場・芝1800mを舞台に開催されます。このレースは、天皇賞(秋)やマイルチャンピオンシップといった秋のG1戦線へ向かう実力馬たちが、秋の始動戦として選ぶ重要な一戦です 。夏を越して成長した馬、休養を経てリフレッシュした馬など、各馬の状態を見極める上で「追い切り」の評価は極めて重要な意味を持ちます。特に、休み明け初戦となる馬にとって、最終追い切りの動きはその馬の仕上がり具合を最も正直に映し出す鏡と言えるでしょう。
本記事では、各陣営のコメント、専門メディアの報道、そしてタイムや動きといった客観的なデータを総合的に分析。出走各馬の追い切りをS、A、B、Cの4段階で厳格に評価し、馬券検討に役立つ核心的な情報を提供します。東京競馬場の長い直線で最後に笑うのは、果たしてどの馬か。その答えを追い切りの動きから探っていきます 。
【S評価】最高評価!万全の態勢でG1獲りを見据える最有力候補
追い切りの動き、陣営のコメント、そして仕上がりの過程、その全てにおいて非の打ちどころがないと判断された馬に、最高の「S評価」を与えます。勝利に最も近い存在と言える2頭です。
レーベンスティール: 陣営が「好調時の雰囲気に戻っている」と断言する完全復活の動き
前走時、陣営から「追い切りの動きがやや物足りなく映った」との正直なコメントがあったレーベンスティールですが、今回はその気配が一変しています 。その変貌ぶりを象徴するのが、レース1週前に行われた追い切りです。この動きは関係者から「秀逸」と評されるほど素晴らしいものであり、本格化を強く印象付けました 。
最終追い切りは美浦Wコースでの単走。既に1週前時点で負荷をかけたことで馬は「出来上がっている」と判断され、当週は課題の折り合いを確認しつつ、リズムを重視した内容に終始しました 。この調整過程は、陣営が馬の状態に絶対的な自信を持っていることの表れです。穂苅助手からは「好調時の雰囲気に戻っている」という、これ以上ない力強い言葉が聞かれました 。前走前の慎重なトーンから一転して、今回は絶賛の嵐。この変化こそが、同馬の完全復活を物語っています。筋肉の張りや毛ヅヤの輝きからも「能力全開が可能」と評されており、まさに万全の態勢が整ったと見て間違いないでしょう 。
チェルヴィニア: 実戦さながらの3頭併せで示した、ケタ違いの瞬発力
チェルヴィニアの最終追い切りは、まさに圧巻の一言でした。10月1日に美浦Wコースで行われた最終追い切りは、木村厩舎の定番である3頭併せ。雨で湿った馬場をものともせず、2番手追走から直線で内に秘めた闘志を爆発させました 。
特筆すべきはその加速力です。残り4ハロンから15秒1、13秒8、12秒2と順調にラップを刻むと、ラスト1ハロンでギアを上げ、11秒4という驚異的なタイムを記録しました 。レース本番さながらの厳しい調教を課されながら、最後まで鋭い伸び脚を見せたことは、心身の充実ぶりを示しています。この動きに太田助手も「中身の濃い調教ができたし動きも良かった」「見た目やフットワーク的にもシャープさが出てきた」と、仕上がりに絶対の自信をのぞかせています 。一部では評価を下げる声も見られますが 、これだけ客観的なデータと陣営の確かな手応えが揃っている以上、その懸念は杞憂に過ぎないでしょう。東京の瞬発力勝負になりやすいコース形態を考えれば 、この追い切り内容はレースに完璧に直結するものと評価できます。
【A評価】好仕上がり!勝ち負けを意識できるV候補たち
S評価の馬には一歩譲るものの、それに匹敵する好状態にあり、展開次第では十分に勝ち負けになる仕上がりを見せた馬たちです。
ホウオウビスケッツ: 併せ馬で力強く先着、陣営が送り出す「状態◎」の勝負駆け
陣営が「状態◎」と太鼓判を押すホウオウビスケッツが、万全の仕上がりで秋初戦を迎えます 。最終追い切りは美浦Wコースで3歳馬カルネロと併せ馬を実施。道中は僚馬を追走し、直線では内から力強く伸びて併入先着を果たしました 。
6ハロン86秒5という全体時計もさることながら、特筆すべきはラスト1ハロン11秒4という鋭い切れ味です 。この動きに吉岡調教師も満足げな表情を見せており、「秋の盾へ勝負駆け」と、この一戦が単なる叩き台ではなく、天皇賞(秋)への出走権を本気で獲りに来ていることを示唆しています 。明確な目標を持って仕上げられた勝負気配は、高く評価すべきです。
ディマイザキッド: 「ここ2、3戦の中では一番いい」清水英師が絶賛する確かな上昇度
清水英調教師のコメントから、ディマイザキッドの確かな上昇ぶりが伝わってきます。「ここ2、3戦の中では一番いい」という言葉は、社交辞令では片付けられないほどの強い手応えを感じさせます 。さらに「久しぶりにいい仕上がり」「追い切りは抜群の動きで、文句のない出来になった」と、賛辞は止まりません 。
その言葉を裏付けるように、9月30日に美浦南Wコースで行われた追い切りでは、併せた僚馬に0.4秒先着する圧巻の動きを披露 。函館記念(8着)時とは比較にならないほど状態は良化していると断言しており、まさに本格化の兆しを見せています 。複数のメディアで一貫して強気な発言が続いていることからも、陣営の自信は本物と判断できます。
サトノシャイニング: 春からの成長を示す弾むようなフットワーク
この馬に関しては、春からの成長が最大の強調材料です。追い切りに騎乗した武豊騎手から「春より力をつけている」という前向きなコメントが引き出されており、馬自身が確かなパワーアップを遂げていることが窺えます 。
1週前はややチグハグな内容だったとされますが、最終追い切りではそれを修正し、「弾むような」と形容される軽快なフットワークを披露しました 。具体的なタイムは不明ながら、杉山晴調教師が「乗り手の感触的にもリズムや動きは悪くなかった」と語るように、仕上がりは順調そのもの 。日本を代表するトップジョッキーが認める成長力は、G2の舞台でも大きな武器となるはずです。
【B評価】侮れない伏兵陣と、評価に迷う実力馬
追い切りの動きは悪くないものの、何らかの懸念材料や課題を抱える馬たちです。好走の可能性は秘めていますが、全幅の信頼を置くには至らないと評価しました。
エルトンバローズ: 骨折明けを叩いて上積みは確か、だが完全復調には疑問符
昨年のマイルCS2着後に骨折が判明し、約9ヶ月の休養を余儀なくされたエルトンバローズ 。復帰戦となった前走の中京記念は、本来の伸びを欠いて8着に敗れました 。
今回の最終追い切りでは、馬なりながらもシャープな脚さばきで54秒4、ラスト1ハロン11秒8をマーク。杉山晴調教師も「調教を見る感じ上積みはある」と状態の上昇を認めています 。確かに動きからは素質の片鱗が窺えますが、深刻な怪我からの復帰2戦目で、いきなりトップフォームに戻っていると判断するのは早計です。追い切りでの一瞬の切れ味が、1800mの厳しいレースで最後まで持続するかどうかには、依然として疑問符が付きます。
シリウスコルト & シルトホルン: 動きは及第点も、相手強化の壁を越えられるか
この2頭は、追い切りの動き自体は良好ながら、今回のメンバーレベルで通用するかという「クラスの壁」が大きな課題となります。
シリウスコルトは、最終追い切りでWコース単走ながらラスト1ハロン11秒4という軽快なスピードを披露 。田中勝調教師も「いい動きだった。夏場にリフレッシュした」と評価しています 。しかし、これまでの勝ち鞍はスローペースの展開に恵まれたり、相手関係が楽だったりした側面が指摘されており、レース内容の価値は高くないとの見方もあります 。
シルトホルンも同様に、新開調教師が「良かった。走るフォームも良かった」と追い切りの動きを評価 。東京1800mの舞台も「一番合う」と適性に自信を見せています 。ただ、前走の勝利もメンバー構成に恵まれたとの分析があり、今回の急激なメンバー強化に対応できるかは未知数です 。両馬ともに仕上がりは良好ですが、G2の壁を越えるだけの絶対能力があるかどうか、真価が問われる一戦となります。
追い切り評価まとめ&東京1800mのコース傾向
毎日王冠2025 有力馬追い切り評価一覧
馬名 | 最終追い切り | 陣営コメント抜粋 | 総合評価 |
レーベンスティール | 美浦W・単走 | 「好調時の雰囲気に戻っている」 | S |
チェルヴィニア | 美浦W・3頭併せ | 「見た目やフットワークがシャープに」 | S |
ホウオウビスケッツ | 美浦W・併せ馬 | 「状態◎」「秋の盾へ勝負駆け」 | A |
ディマイザキッド | 美浦W・併せ馬 | 「ここ2、3戦の中では一番いい」 | A |
サトノシャイニング | (情報なし) | 「春より力をつけている」 | A |
エルトンバローズ | (情報なし) | 「調教を見る感じ上積みはある」 | B |
シリウスコルト | 美浦W・単走 | 「いい動きだった。夏場にリフレッシュ」 | B |
シルトホルン | (情報なし) | 「走るフォームも良かった」 | B |
コース傾向から見る注目の追い切り
東京芝1800mは、長い直線が最大の特徴です。そのため道中のペースは「スローペースになることが多い」とされ、勝負は最後の直線での瞬発力勝負になりがちです 。過去のデータを見ても、勝ち馬には上がり3ハロン33秒台の鋭い末脚が必須条件となっています 。
この傾向を踏まえると、今回の追い切りで特に注目すべきは、ラストで鋭く加速する動きを見せた馬です。3頭併せの中からギアを上げて突き抜けたチェルヴィニアの動き や、ラスト1ハロン11秒4の切れ味を見せた
ホウオウビスケッツ は、まさにこのコースの要求する適性を調教で証明したと言えるでしょう。彼らの追い切り内容は、レース本番での好走を強く期待させるものです。
結論:最終的な印と買い目はNetkeibaで公開!
追い切り評価からは、完全復活を遂げたレーベンスティールと、完璧な仕上がりを見せるチェルヴィニアのS評価2頭が一歩リードしている構図が浮かび上がります。それを追うのが、勝負気配漂うホウオウビスケッツ、絶好調をアピールするディマイザキッド、そして成長著しいサトノシャイニングのA評価3頭。B評価の各馬も侮れませんが、それぞれにリスクを抱えているのが現状です。
私の最終的な予想の結論、印、そして具体的な買い目については、以下のnetkeibaのページでレース当日に公開します。ぜひ、こちらのページで最終確認をしてください!
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