【紫苑S 2025 追い切り評価】リンクスティップは万全か?良血ジョスランも急上昇!有力馬の最終調教をS~Cランクで徹底解剖

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秋の牝馬クラシック最終戦、秋華賞へ向けた最重要トライアルレース「第10回 紫苑ステークス(GII)」が2025年9月7日、中山競馬場を舞台に開催されます 。3着までの馬に与えられる優先出走権を懸け、3歳牝馬たちが鎬を削るこの一戦は、夏の上がり馬と春の実績馬が激突する注目のレースです 。  

今年の注目は、桜花賞3着、オークス5着と世代トップクラスの実績を誇るリンクスティップの復帰戦 。そして、GI3勝馬エフフォーリアを全兄に持つ良血馬ジョスランが、本格化の兆しを見せています 。他にも虎視眈々と本番への切符を狙う素質馬が多数顔を揃えました。  

レースの行方を占う上で最も重要なファクターのひとつが、各馬の最終調整、すなわち「追い切り」です。この記事では、各メディアで報じられた直近1ヶ月の調教内容を徹底的に分析・集約し、有力各馬の状態をS・A・B・Cの4段階で厳しく評価。秋華賞戦線を占う上で欠かせない、各馬の仕上がり具合を専門家視点で解き明かします。

紫苑ステークス2025 最終追い切り評価ランキング

詳細な分析に入る前に、まずは各有力馬の最終追い切り評価を一覧でご紹介します。このサマリーで各馬の状態を大まかに把握し、気になる馬の個別評価へと読み進めてください。

馬名総合評価調教コース・タイム注目ポイント
マイスターヴェルクS美浦W 5F 64.6-11.3圧巻の時計で文句なしの最高評価。状態はピーク。
ジョスランA+美浦W 6F 82.9-11.3馬体増は成長の証。ラストの伸びは兄を彷彿とさせる。
ダノンフェアレディA栗東坂路 4F 52.9-12.2陣営の強気コメントを裏付ける軽快な動き。充実期に突入。
リンクスティップA栗東坂路 4F 55.1-12.2骨折明けでも力強い動き。実績最上位、態勢は整った。
ロートホルンB+美浦W 6F 82.4-11.9気配は抜群だが「良すぎる」点が逆に懸念材料にも。
エストゥペンダB+美浦W 6F 83.3-11.5ポテンシャルは高いが、気性面の課題が浮き彫り。
テリオスララB美浦W 5F 66.0-11.4集中力は戻り気配上々。前走からの巻き返しに期待。
サヴォンリンナB栗東CW 6F 82.1-11.3動きは躍動感十分。オークス大敗からの変わり身は?

【S~A+評価】最高レベルの仕上がりを見せる特注馬

今回の追い切り評価で、他馬とは一線を画す動きを見せた馬が2頭います。1頭は客観的な時計が傑出していた馬、もう1頭は心身の著しい成長を感じさせた馬。最高レベルの仕上がりで本番に臨む特注馬を解説します。

マイスターヴェルク (S評価): 他馬を圧倒する驚愕の時計

今回の調教で最も衝撃的な動きを見せたのがマイスターヴェルクです。最終追い切りは美浦ウッドチップコースで行われ、単走ながら5ハロン64.6秒、ラスト1ハロン11.3秒という驚異的なタイムを叩き出しました 。  

通常、レース直前の最終追い切りでこれほど速い全体時計を出すことは稀であり、これは馬が心身ともに絶好調でなければ記録できない数字です。一部メディアが調教評価を最高の『S』としたのも当然と言えるでしょう 。勢司調教師も「いい動きでしたね。道中で前に見ていた馬も、ゴール板過ぎに抜いていった。状態はいいです」とコメントしており、時計だけでなく動きの質、そして余力も十分であったことがうかがえます 。  

完歩が大きく迫力満点のフットワークで、課題であったテンションの高さも解消傾向にあるとの報道も見られます 。函館での前走を快勝した勢いをそのままに、心身ともにキャリア最高の状態で秋初戦を迎えることは間違いありません。純粋な状態面だけで判断すれば、今回のメンバーでは頭一つ抜けた存在です。  

ジョスラン (A+評価): 良血開花へ、心身ともに本格化

年度代表馬エフフォーリアの全妹という良血で注目を集めるジョスランが、本格化の時を迎えようとしています 。最終追い切りは美浦ウッドチップコースで併せ馬を行い、6ハロン  

82.9秒、ラスト1ハロン11.3秒を馬なりでマーク 。内で手綱を抑えたまま楽々と併入する姿からは、高い能力が感じられます 。  

しかし、この馬を高く評価すべき理由は時計だけではありません。鹿戸調教師が繰り返し言及しているのが、馬体の成長です 。春シーズンは使いながら馬体が減っていましたが(新馬戦478kg→前走464kg)、夏を越してプラス16kgほどで帰厩。指揮官は「休ませて体が増えているのはいい傾向。筋肉がついてきた感じだよ」と、これを明確な成長と捉えています 。  

この肉体的な成長が、追い切りでの力強い動きに直結していると考えられます。以前は線の細さから能力を発揮しきれない面がありましたが、土台となる馬体がしっかりしたことで、兄譲りのポテンシャルが解放されつつあるのです。陣営から「チャンスは十分にある」と自信に満ちたコメントが出るのも、この確かな成長があってこそ 。春とは別馬になった姿をここで見せつける可能性は非常に高いでしょう。  

【A~B+評価】上位を狙える好仕上がりの有力馬

S評価の馬には一歩譲るものの、こちらも甲乙つけがたい好状態にあるのがこのグループです。それぞれに強調材料と僅かな懸念点を抱えており、レース展開次第では主役の座を奪う可能性も十分に秘めています。

ダノンフェアレディ (A評価): 充実期を証明する強気な陣営と軽快な動き

夏の小倉で1勝クラスを快勝し、勢いに乗るダノンフェアレディも仕上がりは万全です。最終追い切りは栗東坂路で単走。輸送を考慮してセーブ気味の内容でしたが、軽快なフットワークで4ハロン52.9秒、ラスト1ハロン12.2秒を計時しました 。  

この馬の評価を押し上げているのは、陣営のコメントから伝わる充実ぶりです。橋口調教師は「カイバ食いが安定してきて、この中間もよく食べていますね。前に比べると全然違います」「具合もかなりいいです」と、体調面の良さを繰り返し強調 。若い牝馬にとって食欲の安定は健康のバロメーターであり、これが厳しい調教を可能にしています。実際、1週前にはウッドチップコースで併走馬を4馬身突き放す圧巻の動きを見せており、状態の良さは本物です 。  

前走はプラス20kgと馬体を大きく増やしての快勝で、まさに成長期にあることを示しました 。持久力に優れたタイプで中山コースも合うとの見立てもあり、重賞の壁も一気に乗り越えるだけの態勢が整っています 。  

リンクスティップ (A評価): 骨折明けでも実績は最上位、態勢は整った

桜花賞3着、オークス5着の実績は、間違いなくこのメンバーでは最上位です 。オークス後に左前脚の軽度な骨折が判明しましたが、幸いにも秋初戦に間に合いました 。  

注目の最終追い切りは栗東坂路で単走。全体時計は4ハロン55.1秒と目立つものではありませんが、ラスト1ハロンは12.2秒と鋭く伸びています 。1週前には栗東CWで6ハロン  

81.0秒、ラスト1ハロン11.0秒という素晴らしい時計をマークしており、骨折の影響は皆無と見ていいでしょう 。陣営からも「パワフルさが増している感じがします」とのコメントがあり、休養を経て馬体はむしろパワーアップしている様子がうかがえます 。  

S評価にしなかった唯一の理由は、休み明けという点です。絶好調の馬たちと比較すると、レース勘の面で僅かな不安は残ります。とはいえ、地力は一枚も二枚も上。この追い切り内容であれば、初戦から能力を発揮できる状態にあると判断してA評価としました。

ロートホルン (B+評価): 「良すぎる」ほどの気配、距離克服がカギ

非常に興味深い評価となったのがロートホルンです。最終追い切りは美浦ウッドチップコースで単走。馬なりながら6ハロン82.4秒、ラスト1ハロン11.9秒という軽快な動きを披露しました 。  

特筆すべきは加藤征調教師のコメントです。「本当にいい動きだったね。言うことがないし、調子が良すぎるくらい」 。この「良すぎる」という表現は、馬が最高のコンディションにあることを示すと同時に、気負いすぎている可能性も示唆します。続けて「2000メートルはギリギリだけど、開幕週のぶんもってくれれば。道中うまく息が入るかどうかだけ」と語っており、距離と折り合いが最大の課題であることを自ら認めています 。  

つまり、この馬は最高の仕上がりと最大の不安要素を同居させている状態です。もし道中でリラックスして走ることができれば、その抜群の気配から圧勝まであり得ます。しかし、少しでも力んでしまうと、2000mの距離でスタミナを失うリスクも高い。まさにハイリスク・ハイリターンな一頭と言えるでしょう。

エストゥペンダ (B+評価): 秘めたるポテンシャル、課題は気性面

ロートホルンと似たタイプが、このエストゥペンダです。最終追い切りは美浦ウッドチップコースで6ハロン83.3秒、ラスト1ハロン11.5秒をマーク 。馬なりのまま鋭く加速しており、ポテンシャルの高さは疑いようがありません 。  

しかし、この馬にも明確な課題があります。今回初コンビを組む田辺裕信騎手が「今までのレース同様にグイグイでしたね」「レースで遊びでも作れれば脚はたまると思う」とコメントしている通り、前向きすぎる気性が持ち味であり、同時に弱点でもあります 。追い切りでも行きたがるのを我慢させる場面があったようで、この気性を2000mの距離でいかにコントロールするかが鍵となります 。  

調子は良く、能力も重賞級であることは間違いありません。しかし、レースがスムーズに進まなければ、その能力を発揮できずに終わる可能性も秘めています。その不安定さから評価はB+に留めましたが、嵌った時の爆発力はA評価馬にも引けを取りません。

その他出走予定馬の追い切り短評

上位評価馬以外にも、見どころのある動きを見せた馬は少なくありません。ここではその他の注目馬の追い切りを簡潔に評価します。

  • テリオスララ (B評価): 美浦Wコースでの追い切りでは、最後まで集中力を保ち、併走馬にクビ差先着。5ハロン66.0秒、ラスト11.4秒と動きは上々です 。田島調教師も「この馬らしい走りができている」と復調をアピール 。前走大敗からの巻き返しが期待できる状態です 。  
  • サヴォンリンナ (B評価): 栗東CWコースで単走。6ハロン82.1秒、ラスト11.3秒と、躍動感たっぷりのフットワークが好印象でした 。オークスでは17着と大敗しましたが、立て直されて気配は良好。開幕週の馬場も合いそうです 。  
  • ケリフレッドアスク (C+評価): 田代助手から「使った上積みがあるし、テンションも上がらずに来ている」とのコメント 。オークスでも見せ場を作ったセンスのある馬で、一度使われた効果で状態は上向いているようです 。  
  • セイキュート (C+評価): 7月下旬から乗り込まれ、調整は順調 。四位調教師は「体が一回り大きくなって大人になっている」と成長を口にしており、動きも良かったとのこと 。  
  • サタデーサンライズ (C評価): 金折助手は「夏場でも体調はいい。春より力強さが増しているように感じる」とコメント 。夏を越してのパワーアップに期待がかかります。  

まとめ:追い切りから導き出す紫苑Sの狙い馬

ここまでの追い切り分析を総合的に判断すると、いくつかの狙い方が見えてきます。

まず、純粋な状態の良さ、仕上がりの良さで狙うならばマイスターヴェルクが筆頭です。他を圧倒する時計を叩き出し、陣営のトーンも最高潮。まさにピークの状態でレースを迎え、能力を100%発揮できる態勢にあります。

次に、夏の成長力という観点から最も魅力的なのがジョスランです。追い切りの動きの良さに加え、明確な馬体の成長という裏付けがあります。春とは比較にならないほどのパフォーマンスを見せる可能性を秘めており、大駆けが最も期待できる一頭です。

堅実さと勢いを両立しているのがダノンフェアレディ。陣営の強気なコメントが示す通り、心身ともに充実期を迎えています。重賞初挑戦でもヒケは取りません。

実績最上位のリンクスティップは、もちろん勝ち負けに加わるでしょう。ただし、絶対的な信頼を置くには、休み明けという点がわずかに引っかかります。絶好調の上がり馬に足元をすくわれるシーンも想定しておくべきかもしれません。

最後に、ロートホルンエストゥペンダは、馬券の妙味という点で面白い存在です。能力は確かですが、気性面に課題を抱えるため、人気と実力が見合わない可能性があります。展開が向けば突き抜ける力を持っており、穴党ならずとも押さえておきたい2頭です。

最終的な予想の結論はプロの予想をチェック!

この記事では各馬の追い切り状態を分析しましたが、最終的な印や買い目を含む結論は、以下のリンクからプロの予想をご確認ください。

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