【京成杯AH 2025 追い切り評価】最高評価「S」は伏兵ニシノスーベニア!有力馬エリカエクスプレス、コントラポストの状態を徹底解説

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2025年京成杯オータムハンデキャップ展望:波乱含みの秋のマイル王決定戦

秋の中山競馬開幕を告げる伝統のハンデ重賞、京成杯オータムハンデキャップ(GIII)が今年もやってくる 。サマーマイルシリーズの最終戦として位置づけられており、夏の上がり馬と秋の大舞台を目指す実力馬が激突する注目のマイル戦だ 。2025年からは施行日が土曜日に変更されるという新たな側面も加わり、例年以上の盛り上がりが期待される 。  

このレースの最大の魅力であり、同時に馬券攻略を難解にさせるのが「ハンデ戦」という要素である。各馬の実績に応じて斤量が設定されるため、単純な能力比較だけでは勝敗の行方は見通せない。その証拠に、2024年は単勝1.5倍の圧倒的支持を集めたアスコリピチェーノが勝利したにもかかわらず、2着に14番人気の伏兵タイムトゥヘヴンが激走したことで3連単は16万円超の高配当となった 。過去10年で10番人気以下の馬が8頭も馬券圏内に絡んでいるデータが示す通り、常に波乱の可能性を秘めた一戦と心得るべきだろう 。  

過去10年のデータに目を向けると、5歳馬が最多の6勝を挙げており、好走率も最も高い中心世代となっている 。一方で、配当妙味という点では6歳馬に注目したい。優勝こそないものの2着は6回を数え、そのうち4頭が10番人気以下の人気薄であった 。これらの統計的な傾向も、予想を組み立てる上で重要な指針となる。  

京成杯オータムハンデキャップは、二つの異なるタイプの馬が交差する特異なレースでもある。ひとつは、昨年のアスコリピチェーノのように、秋のG1戦線を見据えてここから始動するクラシック級の実力馬たちだ 。もうひとつは、夏のマイル路線を転戦し、サマーマイルシリーズのチャンピオンの座を狙ってここに全力を注ぐ上がり馬たちである 。前者はまだ本番を先に控え8割程度の仕上げである可能性もある一方、後者はひと夏を戦い抜き、心身ともにピークの状態で臨んでくる。この「格」と「状態」のせめぎ合いが、レースの予測を一層複雑にし、追い切り(調教)による状態の見極めを何よりも重要なファクターたらしめているのである。  

攻略の鍵は中山1600mの特殊コースにあり

京成杯オータムハンデキャップの舞台となる中山競馬場・芝1600m(外回り)は、JRAの全競馬場の中でも屈指のトリッキーなコースとして知られる 。このコースの特性を理解することが、的中のための第一歩となる。  

まず、スタート地点が1コーナー横のポケット部分にあり、中山競馬場の芝コースで最も高い地点から発走が切られる 。スタート直後から2コーナーにかけて下り坂が続くため、序盤からペースが速くなりやすい 。加えて、2コーナーまでの距離が約240mと短いため、多頭数の外枠を引いた馬は終始外を回らされる不利を被りやすく、ポジション争いが激化する 。  

レースのクライマックスは、約310mと短い最後の直線に待ち構えている 。ゴール手前には、高低差2.4mの急坂がそびえ立ち、先行馬の脚を鈍らせ、後続馬のスタミナを徹底的に試す 。この急坂を克服するには、スピードだけでなく、坂を駆け上がるパワーと最後まで脚色を衰えさせない持続力が不可欠だ。  

これらのコース特性から、理想的な勝ち馬のプロファイルが浮かび上がる。スタートセンスが良く、内枠からロスなく好位を確保できる先行力 。速い流れに対応できる追走力と、最後の急坂をものともしないパワーとスタミナ 。そして、タイトなコーナーを器用に立ち回る機動力が求められる。データ上も、内の偶数枠(2枠、4枠)の成績が良く、脚質は逃げ・先行馬が有利な傾向にある 。  

しかし、このコースには一つのパラドックスが存在する。コース形態は先行馬に有利に働く一方で、下り坂スタートが誘発するハイペースが、その先行馬たちのスタミナをレース終盤に奪い去ることがあるのだ 。その結果、先行勢がゴール前の急坂で失速し、インでじっと脚を溜めていた差し馬が一気に台頭する展開も少なくない 。つまり、単に速い馬や前に行ける馬が勝つのではなく、レース全体のペースを読み、自身のエネルギー配分を最も巧みに行った馬が最後に栄冠を掴む。この「エネルギーマネジメント」の状態を測る上で、追い切りの動きは極めて重要な示唆を与えてくれるのである。  

【追い切り評価ランキング】最高評価「S」を獲得した2頭を筆頭に好調馬をチェック

全国のトラックマンや専門家から寄せられた直近の追い切り情報を総合的に分析した結果、最高の状態にあることを示す「S評価」を獲得した馬が2頭浮上した。驚くべきことに、その2頭は上位人気が予想される馬ではなかった。この事実は、今年の京成杯オータムハンデキャップが波乱含みであることを強く示唆している。

最高評価「S」に輝いたのは、ニシノスーベニアマイスターヴェルクである 。両馬ともに、最終追い切りで特筆すべき動きを見せており、まさに絶好調と呼べる仕上がり。伏兵の域を超え、主役を張る可能性を十分に秘めている。  

それに続く「A評価」には、人気と実力を兼ね備えた有力馬たちが名を連ねた。1番人気が予想されるエリカエクスプレス、中山巧者のコントラポスト、そして昨年の雪辱を期すタイムトゥヘヴンなど、こちらも甲乙つけがたい好調ぶりをアピールしている 。  

以下、各馬の追い切り内容を詳細に診断していく。

有力馬の最終追い切り診断:陣営の感触と専門家の視点

馬券の中心となるであろう上位人気馬たちの状態を個別にチェックする。陣営のコメントと専門家の視点を交え、その仕上がり度を徹底解剖する。

エリカエクスプレス (A評価): 桜花賞1番人気の素質馬、心身ともに成長の跡

予想オッズで1番人気に支持される3歳牝馬エリカエクスプレス 。その最終追い切りは栗東・坂路で行われ、4F 54秒1、終い1F 12秒3を馬なりでマークした 。時計自体は目立つものではないが、特筆すべきはその動きの質。「躍動感のある動き」と評されるように、全身を使ったダイナミックなフットワークは、馬が心身ともに充実している証拠だ 。  

杉山晴紀調教師のコメントも、その成長ぶりを裏付けている。「まとまってきましたね。調教で折り合いに進境がうかがえるし、体も少し増えていそう」と、春のクラシックシーズンを経て精神面、肉体面双方での進化を実感している様子だ 。気性的な課題を抱えていた同馬にとって、レースで落ち着いて走れるようになったことは大きなアドバンテージとなる。  

総合的に見て、最高の「S」評価には一歩及ばないものの、極めて高いレベルで安定した「A評価」が妥当だろう。世代トップクラスの素質に、心身の成長が伴ってきた今、古馬の強豪相手でも決して引けは取らない 。  

コントラポスト (A評価): 坂路で自己ベスト更新、中山巧者の実力は本物

コントラポストの最終追い切りは、まさに圧巻の一言だった。美浦・坂路での最終追い切りで自己ベストを更新し、絶好調をアピール 。1週前にも南Wで終い11秒3という鋭い伸びを見せており、調整過程は非の打ち所がない 。  

この絶好の仕上がりに加え、同馬が中山コースで[2-2-2-2]という抜群の成績を誇る「中山巧者」である点は、何よりも強調すべき材料だ 。トリッキーなコース形態を苦にしないどころか、むしろ得意としている。  

自己ベストを叩き出すほどの充実した状態と、コース適性の高さ。この二つの要素が完璧に噛み合った今、勝ち負けは必至と見るべきだろう。エリカエクスプレスにとって最大のライバルとなるのは、この馬かもしれない 。  

シヴァース (評価: A): 先行力は中山向き、前走からの巻き返しに期待

最終追い切りの具体的な時計は不明だが、友道康夫調教師は「最後まで真っすぐ走っていたし良かった」と状態面に太鼓判を押す 。さらに「先行力があるので中山のようなトリッキーなコースの方がいい」と、コース適性への自信を覗かせた。  

前走の関屋記念では5着に敗れたが、これは前半3F 33秒9という厳しいハイペースに巻き込まれたもので、度外視できる内容だ 。本来の先行力を生かせる展開になれば、粘り腰は相当なものがある。  

陣営の確かな手応えと、レースの戦術的な要求に対する適性を考慮すれば、巻き返しの可能性は十分にある。状態は良好と判断し、「A評価」とする。

タガノエルピーダ (評価: B+): 陣営は好感触も動きは平凡

斉藤崇史調教師からは「体のハリもすごくいい」「自分からやる気を出していました」といった前向きなコメントが聞かれ、馬の状態が良いことは間違いない 。しかし、最終追い切りは「馬なりでサッと」流す程度の内容に留まった 。  

陣営のポジティブな感触と、実際の追い切りの動きとの間には、わずかなギャップが感じられる。もちろん健康状態に問題はないだろうが、他のA評価馬が見せたような、レースに向けて一段ギアを上げたような迫力には欠ける印象だ。万全に近い状態ではあるものの、最高潮とは言い切れず、「B+」評価が妥当と判断する。

専門家が唸る最高評価「S」!注目の特選馬2頭

今回の追い切り評価で、専門家たちが最も高い評価を与えた2頭を特選馬として紹介する。いずれも人気薄が予想されるが、その仕上がりはG1級。大波乱の立役者となる資格は十分だ。

ニシノスーベニア (S評価): 明らかに近走以上、得意の中山で大変身か

今回の追い切りで最も衝撃的な動きを見せたのが、このニシノスーベニアだ。最終追い切りでは美浦の坂路で自己ベストを更新 。さらに日曜日には南Wで終い11秒フラットという驚異的な切れ味を披露しており、その動きは「明らかに近走以上」と断言できるレベルにある 。  

この急上昇ぶりは、得意な中山コースへ戻るタイミングと完璧に一致している 。上原博之調教師も「2度使われ、上積みは十分」と、叩き2戦を経て状態がピークに達したことを認めている 。  

自己ベストを更新するほどの絶好の仕上がり、陣営の確かな手応え、そして得意舞台への回帰。これ以上ない好条件が揃った。追い切り評価は文句なしの「S」。近走の成績からは想像もつかない大変身を遂げる可能性が最も高い、危険な人気薄だ。

マイスターヴェルク (S評価): 軽快な動きでWコースを圧倒、勢いは本物

もう一頭の「S評価」馬は、マイスターヴェルクだ。美浦のWコースで行われた最終追い切りでは、5F 64秒6、終い11秒3という素晴らしい時計をマークした 。勢司和浩調教師が「いい動きでしたね」と語るように、時計以上に動きの軽快さが際立っており、併せた馬をゴール板過ぎに抜き去るほどの勝負根性も見せた 。  

夏に2勝目を挙げた勢いそのままに、心身ともに最高の状態で大一番に臨む。この追い切りの動きを見る限り、重賞の壁は存在しないかもしれない。仕上がりに関しては一点の曇りもなく、自信の「S評価」を献上する。

穴馬候補とその他の注目馬:見逃せない気配の馬たち

上位人気馬、S評価馬以外にも、馬券に絡む可能性を秘めた魅力的な馬たちがいる。特に注目すべき馬たちをピックアップする。

タイムトゥヘヴン (A評価): 柴田善臣騎手が絶賛、昨年2着の再現なるか

7歳という年齢を感じさせない動きを見せているのが、昨年の2着馬タイムトゥヘヴンだ。特筆すべきは、鞍上を務める柴田善臣騎手の感触である。3週連続で追い切りに騎乗した大ベテランは「すごくいいよ」「ちゃんとアクセルが利いているのがいいね」と手応えを隠さない 。昨年2着に好走した時と「同じくらい」か、それ以上の状態にあると感じているようだ 。  

馬のことを知り尽くした鞍上がこれほどまでに絶賛するからには、相応の理由があるはずだ。追い切りの動きそのものも良好であり、侮れない一頭として「A評価」を与える。

ダイシンヤマト (A評価): 中山マイル【4-0-1-1】のコース巧者、状態も良好

特定のコースで驚異的な強さを発揮する「コース巧者」は、いつの時代も馬券の鍵を握る。このダイシンヤマトは、まさにその典型だ。京成杯AHの舞台となる中山芝1600mでは【4-0-1-1】と、6戦して5回も馬券に絡む圧倒的な実績を誇る 。  

状態面も万全だ。戸田博文調教師は「単走でしっかりやって反応も良かった」と仕上がりに満足しており、専門家の映像分析でも高い評価を得ている 。得意中の得意舞台に最高の状態で臨む今回、人気薄であれば絶好の狙い目となる。「A評価」。  

気になる評価の馬たち (タシット、キタウイング): 追い切りに課題を残す実力馬

一方で、実績はありながらも追い切りの動きが今ひとつだった馬もいる。

**タシット(B評価)**は、最終追い切りで併せた相手に遅れを取ってしまった 。以前の好調時には見られなかった動きだけに、久々のレースとなる影響が懸念される。  

**キタウイング(P評価)**は、最も低い「P(Poor)」評価となった。最終追い切りの動きは「地味な動き」と評され、時計も平凡 。2歳、3歳時に見せた鋭い動きは影を潜めており、復調にはまだ時間が必要かもしれない。  

京成杯AH 2025 追い切り評価まとめ

これまでの分析を一覧表にまとめた。各馬の状態を比較検討し、最終的な馬券構築の参考にしていただきたい。

馬名 (Horse Name)追い切り評価 (Training Rating)追い切り・陣営コメントの要点 (Key Points from Training & Camp Comments)総合的な見解 (Overall Verdict)
ニシノスーベニアS最終追い切りで自己ベストを更新。明らかに近走以上の動きで、陣営も上積みを強調。  絶好の仕上がり。得意の中山コースで一変の可能性が最も高い、大本命級の穴馬。
マイスターヴェルクS美浦Wコースで5F 64.6-11.3の好時計をマーク。軽快な動きで状態の良さは疑いようがない。  勢いに乗っており、仕上がりは文句なし。今の状態なら重賞でも通用する。
エリカエクスプレスA坂路で躍動感ある動き。折り合いに進境が見られ、心身ともに成長している。  素質の高さは世代トップクラス。万全の状態にあり、大崩れは考えにくい。
コントラポストA最終追い切りで自己ベストを記録。鋭い末脚は健在で、中山巧者ぶりも大きな強み。  コース適性と状態面が噛み合っており、勝ち負け必至。
タイムトゥヘヴンA鞍上の柴田善臣騎手が3週連続で騎乗し「すごくいい」と絶賛。昨年2着時以上の気配も。  鞍上の手応えが抜群。コース相性も良く、軽視は禁物。
ダイシンヤマトA陣営も「反応も良かった」と好感触。中山マイル【4-0-1-1】という驚異的なコース適性。  得意舞台に戻り、状態も良好。人気薄なら非常に妙味がある一頭。
タシットB併せ馬で遅れるなど、動きにやや物足りなさが残る。休み明けの影響が懸念される。  能力はあるが、万全とは言い切れず、当日の気配には注意が必要。
キタウイングP全盛期の動きには程遠く、時計も平凡。厳しい評価とならざるを得ない。  復調にはまだ時間がかかりそうで、今回は見送りが妥当か。

結論:追い切りから見る今年の京成杯AH

2025年の京成杯オータムハンデキャップは、追い切り評価が馬券の明暗を分ける典型的な一戦となりそうだ。エリカエクスプレスコントラポストといった実績上位馬は、その評価に違わぬ「A評価」の仕上がりを見せており、当然ながら馬券の中心的存在となるだろう。

しかし、このレースの鍵を握るのは、最高の「S評価」を獲得した2頭の伏兵、ニシノスーベニアマイスターヴェルクである。ハンデ戦の妙味、そして波乱の歴史を持つこのレースにおいて、彼らが見せた「キャリア最高の状態」というシグナルは、過去の実績や名声以上に重い意味を持つ 。特に、得意の中山コースに戻り、自己ベストを叩き出した  

ニシノスーベニアの変身ぶりには最大の警戒が必要だ。

さらに、鞍上が絶賛するタイムトゥヘヴンや、驚異的なコース適性を誇るダイシンヤマトといった「A評価」の穴馬候補たちも、上位を脅かす力は十分にある。

結論として、今年の京成杯AHは、人気馬を信頼しつつも、追い切りで急上昇の気配を見せた馬たちへ積極的に投資することが的中に繋がるだろう。単なる能力比較ではなく、「今、本当に走れる状態にあるのはどの馬か」という視点を貫くことが、この難解なハンデ重賞を制する唯一の道である。

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