【コリアスプリント展望】日本の精鋭か、韓国の王者か。ソウルの砂王座をかけた日韓対決

9月7日、ソウル競馬場で開催される国際競走「コリアスプリント」(G3・ダート1200m)。今年は日本から3頭の有力馬が参戦し、迎え撃つ韓国のスプリント勢とのハイレベルな戦いが期待される。ブックメーカーのオッズでは日本のチカッパが1番人気に支持されているが、現地の最強馬ヴィンチェロカヴァッロも虎視眈々と王座を狙う。注目の出走馬を分析し、レースの行方を展望する。

日本からの刺客たち ― 異なる武器で頂点を目指す3頭

13番 チカッパ(牡4) 武豊騎手を鞍上に迎え、単勝1.8〜2.0倍という断然の1番人気に推されている。日本のダートスプリント戦線で磨き上げたスピードが、ソウルの地で炸裂するか、最大の注目が集まる。

2番 サンライズホーク(セン6) 日本のローカルグレードで3勝の実績を誇る実力馬。専門家によれば、先行力だけでなく終いの脚も使える自在性が武器だ。「彼は先行だけでなく、レースをきっちり最後まで走り切ることができる」と評価されている。ただし、「キックバック(馬が蹴り上げた砂)を嫌う癖がある」という陣営のコメントもあり、揉まれない外目のスムーズな競馬が理想だろう。 また、ソウル競馬場の砂の深さは7cmで、日本の一般的な9cmより浅い。専門家は「雨が降っていない今日の馬場は、日本の馬にとって走りやすいはずだ」と分析しており、コース適性も大きな追い風となりそうだ。

12番 タガノビューティ(牡8) 豊富なキャリアを誇るベテランが3番人気で続く。百戦錬磨の経験を武器に、日韓の強豪相手にどのような走りを見せるか。石橋脩騎手の手腕にも期待がかかる。

迎え撃つ韓国の強豪たち

5番 ヴィンチェロカヴァッロ(牡4) 名実ともに現在の韓国最強スプリンター。専門家も「今年の韓国スプリント界の王者として君臨している」と断言する。昨年のこのレースで6着に入ったことをきっかけに本格化し、スプリントシリーズを圧倒してきた。地元の期待を一身に背負い、鞍上のチョ・ジェロ騎手はこの日すでに2勝を挙げるなど絶好調だ。 唯一の懸念は、夏の暑さを考慮して前哨戦を回避したため、5月以来の実戦となる点。「彼が5月からレースをしていないことが、唯一の疑問符だ」と指摘されており、仕上がり具合が勝敗を分ける鍵となりそうだ。

1番 マイティーネオ(牡3) 韓国のチャンピオンジョッキー、ムン・セヨン騎手が手綱を取る期待の3歳馬。昨年アメリカから輸入され、10戦4勝と着実に実績を積んできた。専門家は「まだ成長途上の馬。今年は他の馬から学ぶ立場かもしれない」としながらも、昨年のヴィンチェロカヴァッロのような大駆けの可能性も示唆する。最内枠はトリッキーだが、「良いスタートが必須」という条件をクリアできれば、先行力を活かして波乱を演出するかもしれない。

3番 ブラックムスク(牡7) コリアスプリントへの出走はこれが4度目となるベテラン。ヴィンチェロカヴァッロには一歩譲るものの、重賞での好走実績は豊富で、侮れない存在だ。陣営の期待も高く、展開が向けば上位争いに食い込んでくるだろう。

レース展開とまとめ

日本のサンライズホーク、韓国のマイティーネオが先行し、レースのペースは速くなることが予想される。キックバックを嫌うサンライズホークは外目の好位を、マイティーネオは最内枠を活かして積極的に前を狙うだろう。

本命は前評判通りチカッパ。しかし、韓国最強馬ヴィンチェロカヴァッロが休み明けを克服できれば、その実力は互角以上だ。コース適性が見込めるサンライズホークも勝ち負けの圏内。これに百戦錬磨のタガノビューティ、韓国の古豪ブラックムスク、そして新星マイティーネオがどう絡むか。

日韓の威信をかけた砂上の電撃戦。栄冠は誰の頭上に輝くのか、発走の瞬間が待たれる。

コメント

タイトルとURLをコピーしました