【NST賞2025予想】クロジシジョー、アルファマムを徹底分析！過去傾向から導く3つの必勝データ

はじめに：夏の新潟ダート決戦！波乱含みのNST賞2025を制するのはどの馬か？
2025年NST賞主な出走有力馬紹介
予想ポイント①：「コース適性は絶対」新潟ダート1200mの鉄則を解き明かす
1. なぜ先行馬が圧倒的に有利なのか？
2. 鉄則の「例外」：ハイペースが波乱を呼ぶ
予想ポイント②：「数字の裏側」ハンデと最終状態を見極める
1. 斤量という名の壁：58kg超えは克服可能か？
2. 陣営の“本音”を読む：調教評価と厩舎コメントの深層分析
予想ポイント③：「戦略的優位性」枠順とペースが勝敗を分ける
1. 外枠有利は不変のデータ
2. 最終シミュレーション：展開を読む
結論：3つのポイントから導き出される最終的な見解は…

はじめに：夏の新潟ダート決戦！波乱含みのNST賞2025を制するのはどの馬か？

真夏の新潟競馬を彩る名物ハンデキャップ競走、NST賞が今年も開催される。ダート1200mという電撃のスプリント戦を舞台に、実績豊富な猛者からコース巧者まで、個性豊かなスプリンターたちが激突する一戦だ。

2025年のNST賞における最大の焦点は、明確な二つの勢力の対決にある。一つは、ドバイ遠征帰りという輝かしい実績を引っ提げ、重いハンデを課せられた実力馬クロジシジョーに代表される「クラス」の勢力。もう一つは、このコースを知り尽くし、驚異的な適性を見せる「新潟ダート1200mの鬼」

アルファマムのような「コース適性」の勢力だ。

単なる直感や印象論に頼るのではなく、過去の膨大なデータと最新の情報を基に、レースの本質を解き明かすことが勝利への鍵となる。本記事では、この難解な一戦を攻略するため、レース傾向を徹底的に分析し、導き出された3つの「予想ポイント」を軸に、勝利に最も近い馬を炙り出していく。

2025年NST賞主な出走有力馬紹介

今年のNST賞を読み解く上で、鍵となる有力馬たちの特徴と最新の状態を把握することは不可欠だ。各陣営のコメントや調教評価から、それぞれの勝算と課題を探る。

【実績最上位】クロジシジョー

国際的な大舞台であるドバイでのレース経験も持つ、現役屈指の実力馬。その実績は高く評価され、今回は58.5kgというトップハンデを背負うことになった。この斤量が最大の試練となることは間違いないが、陣営のコメントは強気だ。大林助手は「前走は少し急仕上げ気味だった分、ひと伸びを欠きました。今回の方が状態は良さそうだし、新潟に実績もあるので楽しみ」と語っており、一度使われた上積みは大きいと見るべきだろう。調教評価でも「久々も動き軽快」とされており、本来のパフォーマンスを発揮できる状態にあると判断できる。彼の持つ絶対的な能力が、斤量という物理的な壁を凌駕できるかどうかが、最大の注目点となる。

【コースの鬼】アルファマム

「このコースを走らせたら右に出るものはいない」と断言できるほどのスペシャリスト。新潟ダート1200mでは過去5回出走し、全て2着以内という驚異的な成績を誇る。2023年の本レース覇者であり、2024年も2着と、その適性は疑いようがない。調教評価も「ひと叩き素軽さ出」と順調さをアピールしている。ただし、佐々木晶師が「砂を被る形があまり良くないので、スムーズにレースがしたい」とコメントしているように、馬群に包まれる展開には一抹の不安が残る。彼女の絶対的なコース適性を最大限に活かすためには、道中いかにスムーズに運べるかが鍵となるだろう。

【左回りのスペシャリスト】アームズレイン

近走の成績だけを見ると評価が難しいかもしれないが、陣営のコメントに注目すべき一頭だ。上村師は「左回りの1200mが最適条件。右回りとは行きっぷりが違うはずだから、今回はスムーズに番手が取れそう」と、コース替わりでの一変に絶対の自信を覗かせる。58kgという斤量は楽ではないが、暑い時期の新潟での勝利実績もあり、条件が好転する今回は軽視できない存在だ。「脚取り確か」という調教評価も、その自信を裏付けている。まさに、専門家が注目する典型的な「巻き返し」のシナリオが描ける馬である。

【レースの鍵を握る逃げ馬】テイエムトッキュウ

G3カペラステークスの勝ち馬であり、そのスピードは一級品。彼の存在が、このレースの展開を大きく左右することは間違いない。秋山師が「やはり行ってこその馬。噛み合えば上位争いできるので、展開が向くかどうか」と語る通り、彼の戦法はハナを主張することのみ。彼が刻むペースが、後続の馬たちのスタミナを削るハイペースになるのか、あるいは楽に逃げられる展開になるのか。他の全ての馬の戦略は、この馬の出方次第で決まると言っても過言ではない、レースの「設計者」である。

【安定感抜群の差し馬】シークレットヴァウ

派手さはないが、常に自分の力を出し切る安定感が最大の武器。武藤師も「とにかく安定感抜群」と、その堅実な走りに信頼を置いている。もしテイエムトッキュウが作り出すペースが速くなり、先行集団が苦しくなるような展開になれば、この馬の末脚が活きてくる。「好態勢」と評価される仕上がりで、虎視眈眈と前崩れの展開を待っている。先行有利のコース形態に対する、最も有力なカウンター戦略を体現する一頭だ。

予想ポイント①：「コース適性は絶対」新潟ダート1200mの鉄則を解き明かす

NST賞を予想する上で、全ての土台となるのが舞台である新潟ダート1200mというコースの特殊性だ。このコースには、他の競馬場とは一線を画す明確な「鉄則」が存在する。

なぜ先行馬が圧倒的に有利なのか？

統計データは、このコースが先行馬にとって圧倒的に有利であることを示している。その理由は、コースの物理的なレイアウトに起因する。スタートから約100mが芝であり、外枠の馬ほど芝を長く走れるため、加速しやすい。さらに、JRAのダートコースで最も高低差が少なく、ほぼ平坦な直線が最初のコーナーまで500m以上続く。

この構造は、さながら「ドラッグレース」のような様相を呈する。スタートダッシュで得た位置取りが、そのままゴールまで影響を及ぼしやすいのだ。単なる終いの切れ味よりも、ゲートを出てからの初速と、楽に前方のポジションを確保できる能力が、他のどのコースよりも重要視される。

鉄則の「例外」：ハイペースが波乱を呼ぶ

しかし、この「先行有利」という鉄則は絶対ではない。特に、実力馬が集まるオープンクラスのレースでは、この法則が崩れることがある。その最大の要因が「レースペース」だ。

テイエムトッキュウのような絶対的な逃げ馬が存在し、他にも先行したい馬が複数いる場合、序盤の主導権争いが激化し、全体のペースが速くなる（ハイペース）。そうなると、先行した馬たちは終盤でスタミナを消耗し、後方で脚を溜めていた差し・追い込み馬に絶好の展開が訪れる。過去のNST賞の結果を見ても、2022年のギルデッドミラーが道中7番手から差し切って勝利しているように、ペース次第では後方からの台頭も十分に可能だ。

したがって、分析の焦点は「どの先行馬が強いか」という単純な問いから、「テイエムトッキュウが作り出すペースを、どの馬が最も巧みに利用できるか」という、より高度な戦略的思考へと移行する。コース適性だけでなく、「ペースに対応したコース適性」こそが、真に問われる能力なのである。

予想ポイント②：「数字の裏側」ハンデと最終状態を見極める

コース適性と並んで、ハンデキャップ競走の予想に不可欠なのが、各馬に課せられた斤量と、それを克服できるだけのコンディションにあるかどうかを見極めることだ。陣営のコメントや調教の動きには、そのヒントが隠されている。

斤量という名の壁：58kg超えは克服可能か？

クロジシジョー（58.5kg）やアームズレイン（58kg）といった実績馬には、相応の重い斤量が課せられた。過去10年のNST賞を振り返ると、2022年にギルデッドミラーが58kgで勝利しており、トップハンデでの勝利は不可能ではないことが証明されている。しかし、その一方で2023年のアルファマムが53kgで快勝したように、軽い斤量の馬が有利であることもまた事実だ。

重いハンデは、それ自体が敗因に直結するわけではないが、レースにおける許容誤差を著しく狭める。少しでも出遅れたり、道中で不利を受けたりすれば、それを挽回する余力が残されていない。トップハンデを背負う馬が勝利するためには、絶対的な能力に加え、心身ともに最高の状態にあることが絶対条件となる。

陣営の“本音”を読む：調教評価と厩舎コメントの深層分析

各陣営から発信される情報は、単なる現状報告ではない。そこには戦略や自信、そして不安といった“本音”が透けて見える。これらの情報を比較検討することで、各馬の信頼度を測ることができる。

クロジシジョー陣営の「前走より状態は良さそう」というコメントは、重い斤量というマイナス要素を補って余りあるプラス材料だ。一方で、アルファマム陣営の「スムーズなレースがしたい」という言葉は、彼女の明確なリスク要因を示唆している。特に注目すべきはアームズレイン陣営で、「左回りの1200mは最適条件」というコメントは、条件好転にかける並々ならぬ自信の表れと解釈できる。

これらの最新情報を一覧にまとめることで、各馬のコンディションを客観的に評価できる。

馬名	斤量	調教評価	厩舎コメントの核心
クロジシジョー	58.5kg	動き軽快	「前走より状態は良さそう」
アルファマム	55kg	素軽さ出る	「スムーズなレースがしたい」
アームズレイン	58kg	脚取り確か	「左回りの1200mは最適条件」
テイエムトッキュウ	58kg	動き良	「行ってこその馬」
シークレットヴァウ	56kg	好態勢	「安定感抜群」

予想ポイント③：「戦略的優位性」枠順とペースが勝敗を分ける

これまでの分析を統合し、レース全体の流れをシミュレーションする上で、最後の決定的な要素となるのが「枠順」と、それによって形成される「ペース」である。

外枠有利は不変のデータ

新潟ダート1200mでは、外枠（特に6枠、7枠、8枠）が有利であるというデータが複数の統計で示されている。前述の通り、その理由は外枠の馬ほどスタート後の芝部分を長く走ることができ、スピードに乗りやすいためだ。

枠順の抽選は単なる運ではなく、各馬の戦略を左右する重要な変数となる。テイエムトッキュウのような逃げ馬にとって、外枠はスムーズに先頭に立つための大きな助けとなる。アルファマムのように馬群を嫌う馬にとっては、外枠は内に包まれるリスクを軽減してくれる。枠順が確定した瞬間、各馬の理想的なレースプランが実現可能か、あるいは困難になるかが決まるのだ。

最終シミュレーション：展開を読む

これまでの3つのポイントを総合すると、レースの全体像が浮かび上がってくる。

ペースメーカー: テイエムトッキュウがハナを主張し、レースのペースを作る。他に競りかける馬がいなければ平均ペース、絡まれればハイペースになる可能性が高い。
先行集団: アームズレイン陣営は番手での競馬を望んでおり、テイエムトッキュウの直後を追走するだろう。
中団: アルファマムやシークレットヴァウは、この先行集団を見ながらレースを進めることになる。特にアルファマムは、砂を被らない位置で、いつでも動ける態勢を整えたいはずだ。
勝負の分かれ目: レースは最後の直線で決着する。テイエムトッキュウが後続を振り切るだけのスタミナを残しているか。あるいは、速いペースによって先行勢が総崩れとなり、中団以降に控えていた馬たちにチャンスが巡ってくるのか。

最終的な勝者は、自らの脚質、当日のコンディション、そして与えられた枠順という要素を、テイエムトッキュウが作り出すレースペースの中で最も有利に活かせた馬となるだろう。これは、静的なデータ分析から、動的なレース展開予測へと思考を進化させる、予想の最終段階である。