ホッカイドウ競馬の2歳牝馬路線において、夏の終わりを告げる重要な一戦、それが「HTB杯 リリーカップ(H3)」です 。未来のダートスプリント界を担う若き才能が集結し、そのスピードを競い合うこのレースは、単なる一重賞に留まらず、後の全国的な大舞台へと続く登竜門として極めて高い注目度を誇ります。
レースの舞台は門別競馬場のダート1000m(右回り)。2歳牝馬限定戦であり、全馬が55.0kgの定量で出走します 。特筆すべきは、近年のレース距離の変化です。かつては1200mで施行されていた時期もありましたが 、2023年以降は1000mに定着しています 。この200mの短縮は、レースの性質を純粋なスピードとゲートセンスが支配する電撃戦へと変貌させ、予想戦略においても根本的な見直しを迫る重要なファクターとなっています。優勝馬には、翌年度の種牡馬ホットロッドチャーリーの配合権利が副賞として贈られるなど 、生産界からの期待も背負う一戦です。
本年のリリーカップも、将来性豊かな8頭の俊英牝馬が顔を揃えました。予想オッズからも上位人気馬の実力が拮抗している様子がうかがえ、激戦は必至。まずは確定した枠順と各馬の基本情報をご確認ください。
| 枠 | 馬 番 | 印 | 馬名 | 父名 | 母父名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 厩舎 | 予想 オッズ | 人 気 |
| 1 | 1 | スルーザミル | タニノフランケル | マンハッタンカフェ | 牝2 | 55.0 | 秋元耕成 | 川島洋人 | 34.2 | 8 | |
| 2 | 2 | ゴールデンリング | フォーウィールドライブ | スクリーンヒーロー | 牝2 | 55.0 | 桑村真明 | 角川秀樹 | 10.8 | 5 | |
| 3 | 3 | リュウノフライト | ホッコータルマエ | ケイムホーム | 牝2 | 55.0 | 宮内勇樹 | 山口竜一 | 3.2 | 2 | |
| 4 | 4 | ポルタロマーナ | フィレンツェファイア | スクリーンヒーロー | 牝2 | 55.0 | 小野楓馬 | 小野望 | 31.7 | 7 | |
| 5 | 5 | ミスティライズ | パイロ | フレンチデピュティ | 牝2 | 55.0 | 阿部龍 | 角川秀樹 | 3.0 | 1 | |
| 6 | 6 | スプリンガフォート | フリオーソ | サウスヴィグラス | 牝2 | 55.0 | 服部茂史 | 田中淳司 | 19.1 | 6 | |
| 7 | 7 | ミソドレミ | パイロ | トゥザグローリー | 牝2 | 55.0 | 石川倭 | 角川秀樹 | 3.5 | 3 | |
| 8 | 8 | トリップス | ゴルトマイスター | クロフネ | 牝2 | 55.0 | 落合玄太 | 小野望 | 9.0 | 4 |
競馬に絶対はありませんが、リリーカップは過去のレース結果に驚くほど明確な傾向が表れています。特に距離が1000mに定着してからのデータは、馬券戦略を組み立てる上で不可欠な羅針盤となります。ここでは過去の膨大なデータを分析し、的中に繋がる「3つの鉄則」を導き出しました。
リリーカップを攻略する上で、最も重要かつ揺るぎない鉄則は「先行馬を狙うこと」です。特に現行の1000m戦においては、この傾向は「絶対」と言っても過言ではありません。
過去のレース結果が、この事実を雄弁に物語っています。2024年の覇者リオンダリーナは、4コーナーを2番手で通過し、そのまま押し切って勝利しました 。2023年の勝ち馬シシャモフレンドも同様に、4コーナー通過時点で先頭に立ち、後続の追撃を許しませんでした 。さらに時計を遡り、同じく1000mで施行された2012年、優勝したハニーパイも道中2番手追走から抜け出す王道の競馬で栄冠を掴んでいます 。
この「先行絶対有利」という傾向は、単なる偶然の産物ではありません。門別1000mというコース形態に起因する、構造的な特徴なのです。
以上の分析から導き出される結論は明白です。2025年のリリーカップを予想する上で、各馬の過去のレースぶりから「先行力」と「ゲートセンス」を見極めることが最優先事項となります。道中後方から競馬を進めるタイプの馬は、能力が高くてもこのレースに限っては評価を大きく下げるべきでしょう。
リリーカップのもう一つの興味深い特徴は、勝ち馬の傾向と2着以下の傾向が全く異なる点にあります。この二面性を理解することが、高配当馬券を仕留める鍵となります。
まず、勝ち馬に関しては、上位人気馬がその期待に応えるケースが非常に多いです。
このように、1番人気または2番人気の馬が順当に勝利を収める確率が極めて高く、馬券の軸馬は上位人気馬から選ぶのがセオリーと言えます。
しかし、その一方で2着、3着には人気薄の馬が頻繁に絡み、波乱を演出しています。この「ヒモ荒れ」こそが、リリーカップが「儲かるレース」と言われる所以です。その象徴的な例が2023年のレースでした。1着は2番人気のシシャモフレンドでしたが、2着には9番人気(単勝オッズ97.7倍)のオーソレリカが激走。この結果、馬連は15,050円、3連単は142,410円という特大万馬券が飛び出したのです 。2019年も2着に8番人気、3着に9番人気の馬が入り、高配当となっています 。
この傾向は、2歳牝馬限定戦というレースの特性を色濃く反映しています。
これらの分析から、最適な馬券戦略は「1頭軸マルチ」方式であると結論付けられます。信頼度の高い上位人気馬から軸馬を1頭選定し、相手(ヒモ)には人気薄の馬まで手広く流す。この形が、リリーカップの傾向に最も合致した、高配当を狙うための合理的なアプローチと言えるでしょう。
表1: 過去5年間 リリーカップ 主要データ分析
| 年 | 距離 | 優勝馬 | 人気 | 騎手 | 厩舎 | 4角通過 | 2着馬 | 人気 | 3着馬 | 人気 | 馬連配当 |
| 2024 | 1000m | リオンダリーナ | ① | 石川倭 | 小国博行 | 2番手 | ジャイヴトーク | ③ | ボディコンシャス | ④ | 410円 |
| 2023 | 1000m | シシャモフレンド | ② | 落合玄太 | 田中淳司 | 1番手 | オーソレリカ | ⑨ | シトラルテミニ | ④ | 15,050円 |
| 2022 | 1200m | スティールグレイス | ① | 桑村真明 | 角川秀樹 | – | アサクサロック | ② | エイシンシュトルム | ③ | 440円 |
| 2021 | 1200m | スピーディキック | ① | 岩橋勇二 | 石本孝博 | – | レディーアーサー | ② | グッバイ | ⑤ | 330円 |
| 2020 | 1200m | ソロユニット | ① | 阿部龍 | 角川秀樹 | – | レディブラウン | ⑤ | マイハンプス | ④ | 1,060円 |
最後のポイントは、目に見えない力、すなわち「血統」と「厩舎力」です。特にホッカイドウ競馬においては、特定の厩舎が特定のレースに対して強いこだわりと実績を持つケースが多く、リリーカップもその典型例です。
まず注目すべきは、圧倒的な実績を誇る「角川秀樹厩舎」の存在です。過去10年以上にわたり、2020年のソロユニット、2017年のストロングハート、2015年のモダンウーマン、そして2012年のハニーパイと、数多くの優勝馬を送り込んできました 。このレースをどうすれば勝てるのか、そのノウハウを知り尽くした厩舎と言えるでしょう。また、近年では田中淳司厩舎も台頭しており、2023年には1・3着、2024年には2着馬を管理するなど、見逃せない存在です 。
次に血統面です。1000mの電撃戦で求められるのは、何よりも「仕上がりの早さ」と「絶対的なスピード」。その観点から、今年の出走馬で最も注目すべきは「パイロ産駒」です。父パイロは、産駒が早い時期からダートの短距離戦で活躍することで知られる、まさにこのレースにうってつけのスピード血統です。かつてこのレースを制したハニーパイの父サウスヴィグラスも、ダート短距離界を代表する名種牡馬であり 、スピードの重要性は歴史が証明しています。
そして、2025年のリリーカップにおける最大の分析ポイントは、これら2つの要素が「一点に収束している」という事実にあります。
これは単なる偶然ではありません。このレースを勝ち抜くための「最適解」を知るトップトレーナーが、その戦略に最も合致する「最高の血統」を持つ馬を意図的に選択し、万全の体制で送り込んできた、という強力なシグナルです。この「厩舎力と血統の融合」こそが、今年の予想における最重要核となります。
上記の「3つの鉄則」を今年の出走馬に当てはめていくと、馬券の軸となるべき馬、そして高配当の使者となりうる馬が自ずと浮かび上がってきます。
3つの攻略ポイント全てを最高レベルで満たす、今年の最有力候補です。予想オッズ3.0倍の1番人気が示す通り、その能力と完成度は世代トップクラスと目されています。
ミスティライズに待ったをかける対抗馬の筆頭。予想オッズ3.2倍の2番人気が、その実力の高さを証明しています。
角川厩舎が送り込むもう一頭の刺客。単なる僚馬ではなく、こちらも主役を張れるだけの資質を秘めています。
馬券に妙味を求めるなら、この馬の存在は外せません。ポイント2で解説した「ヒモ荒れ」を演出する可能性を秘めた一頭です。
本記事では、過去の膨大なデータに基づき、2025年リリーカップの攻略法を徹底的に分析しました。
上記の3つのポイントを踏まえ、注目馬をピックアップしましたが、最終的な馬券の結論、◎○▲△といった印、そして具体的な3連単の買い目については、レース当日の馬場状態やパドックでの馬の気配といった直前の情報も加味した上で最終決定いたします。
私の最終的な決断と、高配当を狙うための具体的な買い目は、以下のリンク先で独占公開しています。この最終見解を参考に、ぜひ馬券的中を掴んでください!
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