【アイビスサマーダッシュ 2025 追い切り評価】S評価は3頭！プロが徹底分析する有力馬の状態と最終結論

2025年アイビスサマーダッシュ展望：追い切りが勝敗を分ける「日本唯一」の電撃1000m戦

夏競馬の風物詩として、多くのファンの注目を集めるアイビスサマーダッシュ。その最大の特徴は、JRAの現行重賞において唯一となる「直線1000m」という特殊な舞台設定にあります 。このコースは、単に平坦な直線ではありません。スタートから約270m続く緩やかな上り坂で序盤のポジション争いが激化し、その後200mの下り坂で一気にスピードが乗るという、極めて特殊なレイアウトをしています。そして、再度穏やかな起伏を越えた先、残り約300mからゴールまでは平坦という構成です 。

この独特なコース形態は、出走馬に特殊な適性を要求します。コーナーでの息継ぎや駆け引きが存在しないため、純粋なスピードの絶対値と、それを約1分間持続させる心肺機能が問われるのです。まさに、競走馬の持つスプリント能力の根源が試される舞台と言えるでしょう。このため、レース前の「追い切り」で示されるコンディションの良し悪しが、他のどのレースよりもダイレクトに結果へと結びつきやすい傾向にあります。追い切りでの動きの鋭さ、反応の良さ、そして時計の質は、この電撃戦を制するための重要なバロメーターとなります。

さらに、このレースの予想を複雑かつ魅力的にしているのが、「外枠絶対有利」という定説です 。過去のデータを見ても、馬場の良い外側の馬が好成績を収める傾向は明らかであり、特に8枠は勝率、複勝率ともに他を圧倒しています 。しかし、この事実は全ての競馬ファンが知るところであり、それゆえに外枠の馬は人気になりがちです。だからこそ、追い切り評価が重要性を増します。たとえ絶好の外枠を引いたとしても、状態が伴っていなければ勝ち切ることは難しく、逆に内枠の不利を覆せるほどの絶好調馬を見抜くことができれば、高配当への道が開かれます。

コーナーというごまかしの効かない舞台で、各馬の仕上がり具合が赤裸々になるアイビスサマーダッシュ。本稿では、各陣営が施した最終調整＝追い切りを徹底的に分析し、全出走馬の状態を専門家の視点から厳しく評価していきます。

追い切り評価ランキング：最高評価「S」を獲得したトップティアの3頭

全出走馬の追い切りを精査した結果、文句なしの最高評価「S」に値する動きを見せた馬が3頭浮かび上がりました。これらの馬は、心身ともにピークの状態でレースに臨めると判断され、まさに勝ち負けの筆頭候補と言えるでしょう。まずは、そのトップティアに位置する3頭を一覧で紹介します。

【S評価】最高潮の仕上がり！3頭の有力馬を徹底解説

追い切りから最高評価「S」を付けた3頭は、それぞれ異なるアプローチで最高の状態に到達しています。一頭は前走以上の状態をデータで証明する「実績馬」、一頭は陣営の絶賛コメントが裏付ける「本格化馬」、そしてもう一頭はこのレースに照準を合わせた「専門家」です。それぞれの詳細な分析に入ります。

3.1 テイエムスパーダ – 昨年以上の気配漂う韋駄天S覇者

昨年のこのレースで3着、前走の韋駄天Sを圧勝してきたテイエムスパーダが、最高評価「S」を獲得しました。その根拠は、最終追い切りに至るまでの調整過程にあり、昨年以上の状態で本番を迎えられる可能性を示唆しています 。

特筆すべきは、1週前に栗東CWコースで見せた動きです。6ハロン80秒1、そして終い1ハロンは驚異の11秒1というタイムをマークしました 。この時計は、単に速いだけでなく、陣営が「活気十分の動き」と評するほどの躍動感に満ちており、馬が心身ともに充実期にあることを明確に示しています 。

続く最終追い切りは栗東坂路で行われ、4ハロン54秒0、終い11秒8を記録 。一見すると1週前より時計は控えめですが、この追い切りには重要な背景があります。陣営のコメントによれば、この調教中に左前脚の蹄鉄を落としていた（落鉄）というのです 。通常、落鉄はバランスを崩し、パフォーマンスに大きく影響します。そのようなアクシデントがありながら、終いを11秒台でまとめることができたという事実は、むしろこの馬の能力の高さと体幹の強さを証明していると言えるでしょう。小椋調教師が「正直、前回（韋駄天S）の方が良かったように思う」としながらも、「ここまでは順調」と語るように、アクシデントを考慮すれば非常に質の高い最終調整だったと評価できます 。

夏場に強く、このコースがベストと陣営も認める舞台 。データ上の時計、アクシデントをものともしない走り、そして昨年以上の気配。全ての要素が、この馬が最高の状態でレースに臨むことを物語っています。

3.2 モズメイメイ – 陣営が「開業以来一番」と絶賛する連覇への道

昨年の覇者モズメイメイも、連覇に向けて万全の状態にあると判断し、最高評価「S」としました。その最大の理由は、前川調教師から発せられた「開業してから一番調子がいいと思います」という、極めて異例かつ最大限の賛辞です 。トレーナーがキャリアを通じて最も良い状態と公言することは稀であり、その言葉の重みは計り知れません。

この絶賛コメントを裏付けるのが、追い切りでの傑出した動きです。最終追い切りは栗東坂路で4ハロン52秒0、終い12秒1をマーク 。時計自体は突出しているわけではありませんが、その内容は圧巻でした。「うなるような手応え」で、四肢をフル回転させた力強い走りは、見る者に強烈な印象を与えました 。1週前の追い切りでも「手応え抜群」と評されており、調整過程は非の打ち所がありません 。

この好調ぶりは、彼女が典型的な「夏馬」であることと無関係ではないでしょう。冬場は動きがもっさりすることがある一方、夏になると状態が上向くタイプで、まさに今がシーズンのピークであると考えられます 。前走の北九州記念15着大敗が懸念材料として挙げられますが、陣営はハンデや直線で前が壁になる「不完全燃焼」の競馬だったと説明しており、度外視可能と判断します 。

陣営からの歴史的な高評価、夏場を迎えての体調上昇、そして昨年を彷彿とさせる追い切りでの迫力。全てのピースが揃い、連覇への視界は良好です。

3.3 クムシラコ – 「目イチの仕上げ」で臨む異質の千直スペシャリスト

3頭目のS評価は、千直のスペシャリスト、クムシラコです。この馬の評価ポイントは、陣営がこの一戦に照準を合わせ、「目イチの仕上げ」を施してきた点に集約されます 。その本気度は、調教内容から明確に見て取れます。

1週前には美浦ウッドチップコースで3ハロン36秒5という速い時計を出し、さらにレース週の日曜日には終い11秒1という驚異的な切れ味を披露 。重賞前の最終調整としては異例とも言えるハードな調教を課しており、これは馬の状態がすこぶる良いことの証左です。最終追い切りでも「時計以上にいいなと感じる動き」を見せており、まさに心身ともに最高の状態に仕上がったと断言できます 。

この徹底した仕上げは、彼が「千直スペシャリスト」であるという背景を考慮すると、より一層意味を増します。これまでのキャリア4勝のうち3勝を新潟の直線1000mで挙げており、このコースへの適性はメンバー中でも群を抜いています 。さらに、先行有利のこのレースにおいて、後方から鋭い末脚で差し切るという「異質な存在」であることも彼の特徴です 。このスタイルを貫くためには、他馬を凌駕する爆発的な切れ味が必要不可欠であり、今回施されたハードトレーニングはその切れ味を最大限に引き出すためのものに他なりません。

陣営が明確な意図を持って仕上げてきた千直の鬼。その状態は万全であり、自身の得意な舞台で能力を全開にする準備は整いました。

【A評価】S評価に肉薄！見逃せない好調教馬たち

最高評価の3頭に勝るとも劣らない状態にあるのが、A評価の馬たちです。それぞれがS評価に肉薄するだけの強調材料を持っており、レース展開や枠順次第では十分に勝ち負けに加わる能力を秘めています。

4.1 ピューロマジック – 陣営の意図が透ける「脚質転換」への挑戦

1番人気が予想されるピューロマジックは、A評価としました。その能力の高さは誰もが認めるところですが、今回は陣営が「脚質転換」という新たな挑戦に臨んでおり、その成否が最大の鍵を握るという点で、S評価には一歩及ばないと判断しました。

今回の調整で最も注目すべきは、これまでの先行策から一転し、道中で「我慢」させて末脚を活かす競馬を教え込んでいる点です 。安田調教師自らが騎乗した最終追い切りでは、先行する僚馬の後ろでじっくりと脚を溜め、最後の1ハロンで鋭く伸びて交わすという、まさに新しいスタイルをシミュレートした内容でした 。トレーナーの「しっかり馬の後ろで脚を使うことを教えていって」というコメントが、この意図を明確に物語っています 。

1週前には坂路で50秒3という自己ベストを更新しており、馬のスピード能力自体は疑いようがありません 。しかし、この時計は前半から飛ばした結果、終いが若干甘くなったとの分析もあり、溜める競馬への適性には未知数な部分も残ります 。元来「気性的な難しさ」を抱える馬でもあり、レース本番で冷静に折り合えるかが課題となりますが、一部では精神的な成長も見られるとの指摘もあります 。

ドバイでの経験を経て、新たな境地を開こうとしている実力馬。この大胆な戦術変更が吉と出れば、他馬を圧倒する可能性も十分です。レースで最も注目すべき「Xファクター」と言えるでしょう。

4.2 コラソンビート – 復調を示す最速の切れ味

2歳時に重賞を制した素質馬コラソンビートが、完全復調をアピールする動きを見せ、A評価となりました。不振が続いていましたが、前走で復調の兆しを見せると、今回の追い切りではそれを確信させるだけのパフォーマンスを披露しました 。

評価の根幹を成すのは、美浦坂路で行われた最終追い切りです。全体時計4ハロン52秒5もさることながら、特筆すべきはラスト1ハロンで記録した11秒5というタイム。これはこの日の美浦坂路で計測された中で最速の時計であり、馬のコンディションが絶頂にあることを示しています 。加藤士津八調教師も「機敏な動きをしていて良かった」と満足げな表情を見せています 。

この復調には、明確な理由があります。陣営によれば、今年の春先はトモ（後肢）の状態が万全ではなかったとのこと 。そのフィジカル面の問題が解消されたことで、本来の鋭い切れ味が戻ってきたと考えられます。さらに、前走後に津村騎手が「千直でも良さそう」と進言したことが、今回の参戦のきっかけとなっており、鞍上が馬の適性を見抜いている点も心強い材料です 。

フィジカル面の不安が解消され、追い切りで抜群の切れ味を見せた素質馬。鞍上が見出した新天地で、その才能が完全に開花する可能性は高いでしょう。

4.3 カルロヴェローチェ – 勢いに乗る上がり馬

前走の安達太良Sを快勝し、オープン入りを果たした上がり馬カルロヴェローチェも、A評価に値する好状態です。その勢いを証明するかのように、活気あふれる動きを披露しています 。

最終追い切りは栗東坂路で4ハロン52秒7、終い12秒3をマーク 。黒田助手によれば、指示よりも速い時計が出たものの「今回の方が行きっぷりが良かった」とのことで、前走以上の気配を感じさせます 。1週前には、乗り役が「僕が乗って49秒台が出るのは初めて」と驚くほどの好時計（49秒9）を記録しており、馬が本格化の軌道に乗っていることは明らかです 。

この好調の要因として、去勢手術後の精神的な落ち着きが挙げられます 。気性的な課題が解消されたことで、持てる能力をレースで発揮できるようになりました。母方に名スプリンター・シーイズトウショウの名を持つ血統背景も、この舞台への適性を後押しします 。

心身ともに充実し、勢いに乗る上がり馬。初の千直という課題はありますが、それを克服するだけの状態の良さとポテンシャルを秘めています。

その他のA評価馬

• ショウナンハクラク: 最終、1週前と坂路で終い11秒台を連発。常に高いレベルで安定しており、好調をしっかりキープしています 。
• ブーケファロス: 1週前の美浦ウッドで終い11秒4の鋭い伸びを見せるなど、夏場に調子を上げるタイプらしく状態は良好。清水英調教師も動きに満足しており、面白い存在です 。
• シロン: 最終追い切りでは楽な手応えで僚馬に先着。前走で併せ馬に遅れていたことを考えると、状態が上向いているのは明らかです 。

伏兵注意！評価はB以下でも軽視禁物の穴馬候補

追い切り評価ではSやAに及ばなかったものの、コース適性や実績など、別の角度から見て軽視できない馬たちも存在します。これらの馬は、馬券の妙味という点で非常に魅力的な存在です。

5.1 カフジテトラゴン – コース適性か、追い切り不安か

今回の出走馬の中で、最も評価が難しいのがカフジテトラゴンです。追い切りの内容と、コース実績との間に大きなギャップがあり、その取捨が馬券の鍵を握るかもしれません。

まず、ネガティブな要素として、最終追い切りの評価が低い点が挙げられます。土曜日の坂路で、一杯に追われながら併せた僚馬に遅れを取ってしまいました 。好走した前走時はきっちり先着できていただけに、この内容は明らかな不安材料であり、一部では「P（Poor=不十分）」評価が下されています 。

しかし、ポジティブな要素も存在します。陣営は、この追い切りが意図的に「負荷をかける」ためのものだったと説明しており、「動きは問題ないし具合もいい」と状態面に不安はないことを強調しています 。そして何より、この新潟直線1000mという舞台では、過去4戦して全て2着という驚異的なコース適性を誇ります 。

結論として、カフジテトラゴンは典型的なハイリスク・ハイリターンな一頭と言えます。追い切りの動きだけを見れば評価は下げざるを得ませんが、陣営の強気なコメントと、他を圧倒するコース実績を無視することはできません。最終的な判断は、彼のパフォーマンスを大きく左右する枠順次第となるでしょう 。

5.2 ウイングレイテスト – 昨年2着の実績馬、状態上向き

8歳という年齢ながら、昨年このレースで2着に好走した実績は決して侮れません。追い切り評価はB+としましたが、状態は確実に上向いています。

その根拠は、1週前追い切りに騎乗した松岡騎手のコメントにあります。「前回（函館スプリントS11着）より腰の状態がいい」「総じて前回よりいいですね」と、主戦騎手が明確に状態の上昇を証言している点は非常に重要です 。この1週前追い切りでは、美浦ウッドで終い11秒4というシャープな伸びを見せており、言葉通りの好気配を感じさせました 。

畠山調教師も「今回は順調」と語っており、調整過程に抜かりはありません 。S評価馬のような派手さはないものの、このコースを知り尽くした実績馬が、鞍上も認める良化気配で臨んでくるという事実は、最大限の警戒が必要です。

その他の注目馬

• ニシノトキメキ: 追い切り本数が少なく、最終追いでは右にモタれるなどバランスの悪さを見せたため「P」評価としました 。しかし、彼女も昨年このレースで2着と好走した実績馬であり、千直適性は証明済みです 。追い切りの不安を、コース適性でどこまでカバーできるかが焦点となります。
• エランティス: 追い切りでの動き自体は悪くないものの、凡走した前走から大きな上積みが見られず「P」評価としました 。ただし、今回は初の芝挑戦。山本助手も「芝が初めてなので開花するかもしれない」と、条件替わりでの一変に期待を寄せており、未知の魅力があります 。

アイビスサマーダッシュ2025 全出走予定馬 追い切り評価一覧

これまでの分析を踏まえ、全出走予定馬の追い切り評価と、専門家による一言コメントを一覧表にまとめました。馬券検討の最終的な参考にしてください。

まとめ：追い切り評価から見る最終結論とプロの視点

今回のアイビスサマーダッシュ2025の追い切り評価を通じて、各馬のコンディションが浮き彫りになりました。

まず、テイエムスパーダ、モズメイメイ、クムシラコの3頭が、文句なしの「S評価」としてトップティアを形成します。それぞれが最高の仕上がりでレースに臨むことが濃厚であり、馬券の中心はこの3頭から組み立てるのが正攻法と言えるでしょう。

それに続くのが、ピューロマジック、コラソンビート、カルロヴェローチェを中心とした「A評価」グループです。これらの馬もS評価に肉薄する好状態にあり、展開や枠順次第ではトップティアを打ち破る能力を十分に秘めています。特に、新たな戦法に挑むピューロマジックの走りは、レースの行方を大きく左右する要素となりそうです。

しかし、何度でも強調したいのは、これらの追い切り評価はあくまで馬自身の状態を示すものであり、アイビスサマーダッシュの最終的な着順は「枠順」という大きな要素に強く影響されるということです 。S評価の馬が不利な内枠に入り、A評価の馬が絶好の外枠を引いた場合、その力関係が逆転することも十分に考えられます。

したがって、ここでの追い切り評価をベースとしながらも、枠順確定後に最終的な結論を出すことが、この難解な電撃戦を攻略する上で最も重要なプロセスとなります。

追い切り評価を元にした最終的な印や買い目については、以下のリンクからご覧いただけます。枠順確定後の最終結論をぜひご確認ください！

【ヤナシ社長の生成AI】世界最新鋭のプロ予想学習AI | 競馬予想・ウマい馬券 - netkeiba

ヤナシ社長の生成AIは、ウマい馬券・netkeibaの競馬予想家。プロフィールの詳細はこちら。

yoso.netkeiba.com