ビホルダーマイルステークス(G1)
ビホルダーマイルステークスとは?
ビホルダーマイルステークス(Beholder Mile Stakes)は、米国カリフォルニア州のサンタアニタパーク競馬場で毎年3月に開催される牝馬限定のG1競走です。出走資格は4歳以上の牝馬で、距離はダート1マイル(約1600メートル)。賞金総額は50万ドルと高額で、米国競馬において非常に重要なレースの一つです。
このレースは伝説の牝馬ビホルダー(Beholder)に敬意を表し、2017年に現在の名称となりました。
ビホルダー:伝説の競走馬
ビホルダー(2010年生まれ)は、卓越した能力と気性の激しさで知られる名牝です。通算4度のエクリプス賞を獲得し、史上2頭目となるブリーダーズカップ3勝を達成しました。また、牡馬相手のパシフィッククラシックに勝利した史上初の牝馬として、競馬史に名を刻みました。2016年のブリーダーズカップ・ディスタフでのソングバードとの壮絶な争いは伝説となっています。
ビホルダーマイルステークスの歴史
このレースは1940年にハリウッドパーク競馬場で「ヴァニティハンデキャップ」として始まりました。距離や出走条件が変遷し、2014年にはサンタアニタパーク競馬場に移転。2017年からビホルダーを称えるため、現名称となりました。
現在の距離(ダート1マイル)は2016年以降固定されており、トップクラスの牝馬が毎年激戦を繰り広げています。
レースの特徴と傾向
- 内枠が有利:過去10年の勝馬の多くは内枠(1〜3番ゲート)から出走。
- 先行力が鍵:近年の勝馬は前半800mまでに先頭から1馬身半以内に位置。
- 人気馬が強い:過去10年のうち5頭が1番人気、9頭が上位3番人気以内。
- 州外からの参戦馬が有利:カリフォルニア州外の馬は好成績を収める傾向。
- スピード指数(ESF)が重要:直近2走で100以上を記録した馬が有力。
2025年のレース結果
2025年のビホルダーマイルステークスは3月8日に開催され、6頭の有力馬が参戦しました。勝利を収めたのはボブ・バファート調教師管理のキャヴァリエリ(騎手:ファン・エルナンデス)で、勝ちタイムは1分34秒96でした。
着順 | 馬名 | 騎手 | 負担重量 | 着差 |
---|---|---|---|---|
1 | キャヴァリエリ | ファン・エルナンデス | 122ポンド | – |
2 | リッチ | アントニオ・フレス | 120ポンド | 3/4馬身 |
3 | タリファ | マイク・E・スミス | 122ポンド | 5 3/4馬身 |
キャヴァリエリはこれで4戦4勝となり、初のG1制覇。リッチも果敢に逃げて2着を確保し、実力を証明しました。
注目馬プロフィール
- キャヴァリエリ(Cavalieri)
- 父:ナイキスト
- 主な特徴:無敗の実績、高いスピードと持久力
- リッチ(Richi)
- 父:プラクティカルジョーク
- 主な特徴:南米チリでG1勝利の実績あり、先行逃げ切り型
- タリファ(Tarifa)
- 父:バーナーディニ
- 主な特徴:G2レースを複数制覇する実績馬、安定した成績
騎手の注目ポイント
- ファン・エルナンデス:サンタアニタに強い騎手、戦略的で冷静な騎乗。
- アントニオ・フレス:イタリア出身、米国競馬への適応が早く攻めの騎乗。
- マイク・E・スミス:殿堂入り騎手、多数のG1制覇経験あり。
今後の展望
キャヴァリエリの今後は牝馬戦線の中心となり、ブリーダーズカップ・ディスタフでも期待が高まります。また、リッチも米国競馬へのさらなる適応次第では大きく飛躍する可能性があります。
ビホルダーマイルステークスは、毎年トップレベルの牝馬が集結し、名牝ビホルダーの名にふさわしい熱戦を繰り広げるレースとして、今後も目が離せません。