ティズタスティックが大逆転!ルイジアナダービー制覇でケンタッキーダービーへの切符獲得
ケンタッキーダービーへの道は、活気あふれる都市ニューオーリンズで重要な一歩を踏み出します。ルイジアナダービー(G2)は、「バラの競演」への出場を目指す3歳馬にとって極めて重要なレースです。フェアグラウンズ競馬場で毎年開催されるこの名誉あるレースは、1894年まで遡る豊かな歴史を持ち、アメリカのサラブレッド競馬の礎となっています。2025年3月22日(土)に行われた第112回大会は、高額賞金だけでなく、ケンタッキーダービー出走に向けた重要な予選ポイント(1着から100-50-25-15-10点)も提供されるため、その結果は非常に大きな意味を持ちました。
レース展開:序盤のハイペースと後方からの強襲
ゲートが開くと、フラヴィアン・プラ騎手が騎乗する単勝7/2(4.5倍)の前評判1番人気、ジョン・ハンコックに注目が集まりました。その評価通り、ジョン・ハンコックは鋭いスタートから序盤の主導権を握り、1マイル3/16(約1900m)のレースで速いペースを刻みます。最初の1/4マイルを22秒99、半マイルを46秒84という速いタイムで通過し、先行集団には厳しい流れとなりました。インザーとフューリオもジョン・ハンコックにプレッシャーをかけ、楽な逃げは許しません。
一方、ジョエル・ロサリオ騎手が手綱を取るティズタスティックは、いつものように集団の後方に位置取り、序盤の速い流れを見送る構えを見せました。この後方待機策は、特に序盤の厳しいペースを考慮し、スタミナとタイミングの良い末脚に賭ける戦略を示唆していました。
レースの様相は、馬群が第3コーナーに差し掛かるあたりで変化し始めます。ロサリオ騎手はティズタスティックを巧みに内側のレール沿いに導き、馬群を縫うようにしてポジションを上げていきました。そして最後の直線に入ると、ティズタスティックは馬群の外、4頭分ほど外に持ち出され、力強い末脚を繰り出します。遅れてきた馬が追い込みやすいことで知られるフェアグラウンズ競馬場の長い直線は、ティズタスティックのパワフルなフィニッシュにとって理想的な舞台となりました。残り1ハロン(約200m)で先頭に躍り出たティズタスティックは、この長い距離で見事なスタミナを発揮し、力強く脚を伸ばして1分56秒20のタイムでゴール板を駆け抜けました。
レース結果:ティズタスティックが初重賞制覇、ケンタッキーダービーへ
着順 | 馬名 | 騎手 | オッズ |
---|---|---|---|
1着 | ティズタスティック | J. ロサリオ | 8.5 |
2着 | チャンク・オブ・ゴールド | J. ラブベリー | 11.3 |
3着 | インスタントリプレイ | F. ジェルー | 9.2 |
4着 | ジョン・ハンコック | F. プラ | 2.8 |
5着 | ビルト | J. オルティス | 6.6 |
ティズタスティックにとって、これは初の重賞(グレードレース)勝利となりました。2着に2馬身1/4差をつける決定的な勝利で、ケンタッキーダービーへの出走権を確実にする100ポイントを獲得。合計ポイントを119点とし、「Road to the Kentucky Derby」 leaderboardのトップに躍り出る可能性も出てきました。
スティーブ・アスムッセン調教師にとっては、これがルイジアナダービー5勝目となり、トッド・プレッチャー調教師と並ぶレース最多勝タイ記録の達成です。ティズタスティックが単勝8.5倍という評価(1番人気ではなかった)での勝利は、競馬の予測不可能性と、前評判が必ずしも結果を決定しないことを示しています。
上位入線馬とケンタッキーダービーへの展望
2着:チャンク・オブ・ゴールド(Chunk of Gold) J.ラブベリー騎乗、単勝11.3倍。リズンスターS(G2)2着に続く好走で、安定した実力を示しました。獲得した50ポイントにより合計は75ポイントとなり、ケンタッキーダービー出走はほぼ確実となりました。1歳時にわずか2,500ドルで取引されたという経歴は、高額馬でなくとも最高レベルで成功できることを証明しています。
3着:インスタントリプレイ(Instant Replay) F.ジェルー騎乗、単勝9.2倍。序盤は後方にいましたが、驚異的な追い込みで3着を確保し、非凡なスタミナを見せました。獲得した25ポイントで合計も25ポイント。ダービー出走はまだ不透明ですが、力強い末脚は将来的にさらに長い距離への適性を示唆しています。
4着:ジョン・ハンコック(John Hancock) F.プラ騎乗、単勝2.8倍(最終1番人気)。序盤の厳しいペースが影響したか、直線で失速しました。15ポイントを獲得し、合計は35ポイント。ブラッド・コックス調教師は期待外れだったとコメントしており、ダービー出走は厳しい状況です。
5着:ビルト(Built) J.オルティス騎乗、単勝6.6倍。10ポイントを獲得し、合計は45ポイント。オルティス騎手は最後の1ハロンで苦しくなったと述べており、距離適性に疑問符がつきました。
ルイジアナダービーはしばしば波乱を呼ぶレースとして知られますが、2025年も例外ではありませんでした。1番人気のジョン・ハンコックが4着に敗れ、単勝8.5倍のティズタスティックが勝利。2着のチャンク・オブ・ゴールド(11.3倍)、3着のインスタントリプレイ(9.2倍)も人気を上回る走りを見せました。
ティズタスティックの勝利は、彼をケンタッキーダービーの有力候補へと押し上げました。チャンク・オブ・ゴールドもその地位を固めました。一方、インスタントリプレイ(25点)、ビルト(45点)、ジョン・ハンコック(35点)のダービー出走は、今後の他レースの結果や回避馬の状況次第となります。特にジョン・ハンコックについては、コックス調教師がこれ以上の前哨戦を使わない可能性を示唆しています。興味深いことに、ティズタスティックの台頭は、同厩舎で有力候補と目されながら故障で離脱したマグニチュードの穴を埋める形となりました。
関係者のコメント
S.アスムッセン調教師(ティズタスティック) 「この馬は良いタイミングで良くなっている。サウスウエストSではもっと走れると思っていた。思うようなレースができず、ここでの調教が良かったので、距離が必要だと分かってここへ連れてきた。必要な時にステップアップしてくれている。精神的に素晴らしい馬だ。堅実なレースをしたが、まだ奥があると思う。」
J.ロサリオ騎手(ティズタスティック) 「とても良いレース運びだった。全てがうまくいった。3/8マイル地点で少し馬群に入ったが、うまく対処してくれた。前はペースが速かったが、下にはしっかりと脚が溜まっていた。」
E.ウエスト調教師(チャンク・オブ・ゴールド) 「これまでよりもずっと前の位置でレースをした。ジョッキー(ラブベリー騎手)は、序盤でかなり積極的で、ジョン・ハンコックの後ろに入ろうとしていたと言っていた。バックストレッチで一息入れてリラックスできたが、疲れていたのは当然だ。ジョッキーは完璧な騎乗をしてくれた。」
F.ジェルー騎手(インスタントリプレイ) 「彼にとって距離は問題ない。問題は彼が十分に通用するかどうかだ。勝者(ティズタスティック)を追っていたが、最後の1/16マイルで少し疲れたように感じた。手前も替えた。素晴らしい走りだったし、前進している。」
F.プラ騎手(ジョン・ハンコック) 「スタートがとても良かったのでそのまま行かせた。道中はうまく走っていて、バックストレッチではうまく落ち着いていた。他馬が迫ってきて、終わったかと思ったが、そこから盛り返して良い4着だった。」
B.コックス調教師(インスタントリプレイ、ジョン・ハンコック) 「彼ら(インスタントリプレイとジョン・ハンコック)は(ダービーに)出られないだろう。もう一度(前哨戦で)挑戦することはないと思う。ジョン・ハンコックは期待したほど走れなかった。インスタントリプレイはよく走った。彼にとっては十分なペースだった。両馬について立て直し、次のステップを考える。」
J.オルティス騎手(ビルト) 「素晴らしいレース運びができた。最後の1ハロンは我々にとって非常に厳しかった。苦しくなり始めた。」
まとめ
2025年のルイジアナダービー(G2)は、ティズタスティックの見事な追い込み勝ちというエキサイティングな結末を迎えました。ケンタッキーダービーへの重要なステップレースとして、このレースは再び「バラの競演」の有力候補を選び出す上で大きな役割を果たしました。ティズタスティックの勝利は、彼をダービー有力候補の一角へと押し上げ、5月の第一土曜日に向けて新たな魅力的なストーリーを加えました。チャンク・オブ・ゴールドもダービー出走をほぼ手中にしましたが、インスタントリプレイとビルトの挑戦はまだ続きます。競馬界の注目は、残りの前哨戦と、ルイジアナダービーから現れた馬たちがチャーチルダウンズへの道でどのような走りを見せるかに集まっています。
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