【速報】マナワツサイアーズプロデュースステークス（G1）結果：ラドラーダが制覇！

2025年3月29日、ニュージーランドの競馬界は、伝統ある2歳馬のG1競走、マナワツサイアーズプロデュースステークス（G1）に熱い視線を注ぎました。今年は例年開催されるアワプニ競馬場から場所を移し、よりスタミナが要求されるトレンサム競馬場（Trentham Racecourse）での開催となり、レース展開に新たな注目が集まりました 。このレースは、将来のスターホース候補を見出す重要な一戦として位置づけられており、総賞金24万5千ドルを巡る若駒たちの激しい戦いが繰り広げられます 。  

レース前から大きな注目を集めていたのは、テ・アカウ・レーシング（Te Akau Racing）に所属するラドラーダ（La Dorada）でした。同馬は、既にカラカミリオンズ2歳S（Karaka Millions 2YO）やマタマタブリーダーズS（Matamata Breeders’ Stakes）（いずれもG2）を制しており、その実績から本レースでも有力視されていました 。さらに、テ・アカウ・レーシングからは、素質馬として知られるホスティリティ（Hostility）、将来を嘱望されるボーントゥビーロイヤル（Born to Be Royal）、そして安定した走りを見せるトゥーブレイヴァリーボーン（To Bravery Born）も出走しており、厩舎の層の厚さも注目されていました 。開催地がよりスタミナを要するトレンサム競馬場に変更されたことが、短距離で実績を積んできたラドラーダにどのような影響を与えるのか、多くの競馬ファンや関係者の間で議論が交わされていました 。  

マナワツサイアーズプロデュースステークス（G1）レース結果

レースは、事前の予想通り、ハイレベルな攻防となりました。以下に、提供されたレース結果の詳細を示します。

レースを制したのは、単勝3.3倍の支持を集めたラドラーダでした。騎手Ｍ・マクナブの巧みな騎乗に応え、見事G1初制覇を成し遂げました。2着には、同じテ・アカウ・レーシングのホスティリティが3.5馬身差で続き、同厩舎のレベルの高さを改めて示しました。3着にはランドロックが入り、上位人気馬が順当に結果を残す形となりました。レース後には、4着で入線したタヤナの関係者による3着馬ランドロックに対する降着の申し立てが認められ、最終的にタヤナが4着に繰り上がりました 。  

優勝馬「ラドラーダ」（ラドラーダ）の血統

見事マナワツサイアーズプロデュースステークス（G1）を制したラドラーダは、2022年9月18日に生まれた鹿毛の牝馬です 。その血統背景には、数々の名馬たちの名前が連なります。  

ラドラーダの父は、2016年生まれの豪州産馬スーパーセス（Super Seth）です 。スーパーセスは現役時代、G1競走であるコーフィールドギニー（Caulfield Guineas）を含む5つのレースで勝利を収めた実績馬です 。種牡馬としてもその能力は高く評価されており、ラドラーダ以外にも、G1競走のオーストラリアンギニー（Australian Guineas）を制したフェローチェ（Feroce）や、ランドウィックギニー（Randwick Guineas）を制したラインバッカー（Linebacker）など、将来有望な産駒を送り出しています 。スーパーセスは、オーストラリアのArrowfield Pastoral Pty LtdとPlanette Thoroughbredによって生産され、2020年からニュージーランドのWaikato Studで種牡馬として供用されています 。父系の祖父には、ニュージーランドの年度代表馬に輝いたこともある名馬ダンディール（Dundeel）がおり、その血統の良さが窺えます 。  

一方、ラドラーダの母は、2014年生まれのニュージーランド産馬ゴールドフィーバー（Gold Fever）です 。ゴールドフィーバーの父は、オーストラリアとニュージーランドで数々のG1馬を輩出した名種牡馬サヴェイベル（Savabeel）です 。サヴェイベル自身も、オーストラリア競馬の最高峰レースの一つであるコックスプレート（Cox Plate）を制した実績を持つ名馬であり 、種牡馬としてもこれまでに33頭ものG1優勝馬を輩出しています 。母の父であるサヴェイベルの存在は、ラドラーダの母系の血統がいかに優秀であるかを物語っています。  

さらに遡ると、サヴェイベルの父は、オクタゴナル（Octagonal）やメイティアンドパワー（Might and Power）といったオーストラリア競馬史に名を刻む名馬たちを輩出したザビール（Zabeel）です 。ザビールの父は、1971年生まれの愛国産馬サーアイヴァー（Sir Ivor）、母は1982年生まれの仏国産馬レディギゼル（Lady Giselle）という血統です 。また、サヴェイベルの母サヴァナサクセス（Savannah Success）も、G1競走であるニュージーランドオークス（New Zealand Oaks）などを制した実績を持つ名牝であり 、その父は1985年生まれの米国産馬サクセスエクスプレス（Success Express）です 。このように、ラドラーダの血統には、競走能力だけでなく、繁殖能力においても優れた名馬たちの血が脈々と受け継がれていることがわかります。  

レース展開とその他の注目馬

レース展開を振り返ると、スタートからウォープリンセス（War Princess）とツースイートが積極的にハナを奪い、ハイペースでレースを引っ張る展開となりました 。ラドラーダは、騎手Ｍ・マクナブの手綱に応え、先頭から少し離れた4番手の好位を追走。直線に入ると、前を行く2頭を射程圏に入れ、残り300m付近で鋭くスパートをかけ、見事な差し切り勝ちを収めました 。  

2着に入ったホスティリティは、今回がデビュー2戦目というキャリアの浅さながら、直線で力強い末脚を披露し、3.5馬身差まで詰め寄る素晴らしい走りを見せました 。同馬は、2024年のNZB Ready To Run Saleで165万ニュージーランドドルという高額で取引された期待馬であり 、そのポテンシャルの高さを垣間見せる結果となりました。3着のランドロックは、好スタートから先行策を取り、粘り込みを図りましたが、最後はラドラーダとホスティリティの末脚に屈しました。また、4着に繰り上がったタヤナも、最後まで諦めずに食い下がる根性を見せました。  

今回のマナワツサイアーズプロデュースステークス（G1）は、ラドラーダの卓越した能力を示すとともに、2着のホスティリティをはじめとする他の出走馬たちも将来への期待を抱かせる内容となりました。特に、テ・アカウ・レーシングの層の厚さは際立っており、今後のニュージーランド競馬界を牽引する存在となるでしょう。ラドラーダの今後の活躍はもちろんのこと、今回見事な走りを見せた若駒たちの成長からも目が離せません。