2月15日、フレミントン競馬場で行われた「ライトニングステークス (G1)」は、スカイバードが優勝。26倍の単勝オッズが示す通り、下馬評を覆す波乱の決着となった。スカイバードは、後方からレースを進め、最後の直線で鋭く伸びて、先行集団をまとめて差し切った。優勝馬の単勝配当は、104.90ドルであった。
ブラックキャビア・ライトニングは、オーストラリアの秋競馬シーズンの幕開けを告げるスプリントG1競走。フレミントン競馬場の直線1000メートルを舞台に争われ、毎年トップクラスのスプリンターが集結する。2013年に、同レースを3連覇した名牝ブラックキャビアを称え、現在のレース名に変更された。
このレースは、メルボルン秋の競馬カーニバルにおける主要なスプリントレースの1つであり、オークリープレート (1100m)、ニューマーケットハンデキャップ (1200m) と並んで、秋の短距離路線を占う重要なレースである。 また、グローバル・スプリント・チャレンジの第1戦にも指定されており、国際的な注目度も高い。
ライトニングステークスは、1955年に創設された歴史あるレース。過去の優勝馬には、ブラックキャビア、シーニックブラスト、ミスアンドレッティ、テイクオーバーターゲットなど、錚々たる名馬が名を連ねる。
| 年 | 優勝馬 | 騎手 | 調教師 | タイム |
|---|---|---|---|---|
| 2024 | インペリトリス | オリー・ボッソン | マーク・ウォーカー | |
| 2023 | クーランガッタ | ジェイミー・メルハム | サイアロン・マー&デヴィッド・ユースタス | |
| 2022 | ホームアフェアーズ | ジェームズ・マクドナルド | クリス・ウォーラー | 56.64 |
| 2021 | ネイチャーストリップ | ジェイミー・メルハム | クリス・ウォーラー | 56.91 |
| 2020 | ギャッシュ | マーク・ザーラ | ゴードン・リチャーズ | |
| 2019 | インハータイム | コーリー・ブラウン | クリス・リーズ | |
| 2018 | レッドカークウォリアー | リーガン・ベイリス | D&Bヘイズ&Tダーバーニッグ | |
| 2017 | テラヴィスタ | コーリー・ブラウン | ジョセフ・プライド | |
| 2016 | ショウタウクア | ドウェイン・ダン | マイケル、ウェイン&ジョン・ホークス | |
| 2015 | ランカンルピー | クレイグ・ニューイット | ミック・プライス | |
| 2014 | スニッツァーランド | ブレントン・アヴドゥラ | ジェラルド・ライアン | |
| 2013 | ブラックキャビア | ルーク・ノーレン | ピーター・ムーディー | 55.42 |
| 2012 | ブラックキャビア | ルーク・ノーレン | ピーター・ムーディー | |
| 2011 | ブラックキャビア | ルーク・ノーレン | ピーター・ムーディー | |
| 2010 | ニッコーニ | ダミアン・オリバー | D・A・ヘイズ | |
| 2009 | シーニックブラスト | S・W・アーノルド | D・モートン | |
| 2008 | アパッチキャット | コーリー・ブラウン | グレッグ・ユーレル | |
| 2007 | ミスアンドレッティ | クレイグ・ニューイット | D・L・フリードマン | |
| 2006 | テイクオーバーターゲット | J・フォード | J・A・ジャニアク | |
| 2005 | ファストネットロック | G・ボス | ポール・ペリー | |
| 2004 | レジメンタルギャル | |||
| 2003 | ショワジール | |||
| 2002 | スピニングヒル | |||
| 2001 | スポーツ | |||
| 2000 | テスタロッサ |
| 馬番 | 馬名 | 騎手 | 斤量 | 着差 | 単勝倍率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 9 | スカイバード | J・アレン | 56.5キロ | 26.0 | |
| 8 | ストレタンエンジェル | L・ナインドルフ | 56.5キロ | 1馬身 | 21.0 |
| 7 | ベネデッタ | D・スタックハウス | 56.5キロ | 1.75馬身 | 8.5 |
| 11 | スウィツァーランド | J・マクドナルド | 55.5キロ | ハナ | 2.45 |
| 12 | トラフィックワーデン | J・メルハム | 55.5キロ | 0.75馬身 | 8.0 |
| 1 | マズ | B・メルハム | 58.5キロ | 0.75馬身 | 11.0 |
| 10 | グローイングエンパイア | M・ザーラ | 55.5キロ | クビ | 3.8 |
| 4 | ウェイトゥザスターズ | L・カリー | 58.5キロ | 3馬身 | 41.0 |
| 5 | フィロソファー | M・ディー | 58.5キロ | 2.75馬身 | 41.0 |
| 3 | ジョイフルフォーチュン | H・コフィー | 58.5キロ | アタマ | 41.0 |
レースは、マズとウェイトゥザスターズが先行し、スウィツァーランドとグローイングエンパイアが好位を追走する展開。スカイバードは後方からレースを進めた。 400m地点では、マズが先頭、ウェイトゥザスターズが2番手、スウィツァーランドが3番手、グローイングエンパイアが4番手という隊列。スカイバードは後方2番手という位置取りだった。
直線に入ると、スウィツァーランドとグローイングエンパイアが抜け出し、激しい競り合いを繰り広げる。しかし、外からスカイバードが鋭く伸び、ゴール前で2頭を交わして優勝。スウィツァーランドが2着、ベネデッタが3着に入った。
スカイバード
スウィツァーランド
トラフィックワーデン
マズ
グローイングエンパイア
ウェイトゥザスターズ
フィロソファー
スカイバードの勝因は、馬場状態と展開が向いたこと、そしてジョン・アレン騎手の好騎乗が挙げられる。レース当日は雨が降り、馬場状態はソフト7に悪化。これは、パワー型のスカイバードには有利に働いた。 また、先行馬が揃ったことで、レースはハイペースになり、後方から脚を溜めていたスカイバードには絶好の展開となった。
一方、1番人気のスウィツァーランドは、直線で馬群に包まれる不利があり、力を出し切れなかった。 グローイングエンパイアは、直線で伸びを欠き、3着にも届かなかった。
今回のレースでは、スカイバード、ストレタンエンジェル、ベネデッタと、牝馬が上位を独占した。これは、近年のスプリント界において、牝馬の活躍が目立つ傾向を象徴する結果と言えるだろう。
スカイバードは、これまで1200m以上のレースを中心に使われてきたが、陣営は以前からスプリンターとしての適性を感じていたようだ。 今回の勝利は、陣営の判断が正しかったことを証明するものであり、今後の短距離路線での活躍が期待される。
スカイバードの勝利は、まさに波乱と呼ぶにふさわしい結果だった。しかし、それは決してフロックではなく、実力と展開が噛み合った結果と言えるだろう。 今後のスカイバードの活躍、そして、オーストラリアのスプリント界を牽引するであろう牝馬たちの活躍に注目したい。
特に、スカイバードは、次走にニューマーケットハンデキャップ (1200m) を予定しているとのこと。 今回のレースで見せた末脚が、1200mでも通用するのか、注目が集まる。また、スウィツァーランドも、巻き返しを期してニューマーケットハンデキャップに参戦する可能性が高い。 2頭の再戦が実現すれば、再び大きな注目を集めることになるだろう。
さらに、I Am Me は、今回のレースの結果次第では、ロイヤルアスコットへの遠征を検討しているという。 オーストラリアのスプリンターが、世界の舞台でどのような走りを見せるのか、今後の動向に注目したい。
川崎12R グリーンチャンネル…