2025年1月24日、ムーニーバレー競馬場で行われたオーストラリアステークス(G2)は、シュワルツ(牡4、騎乗:ブレイク・シン、調教師:ジョン・オシェア&トム・チャールトン)がスタートからゴールまでレースを支配し、2着ステパーティに2馬身差をつける圧勝で重賞2勝目を飾りました。3着にはアタマ差でアパッチソングが入りました。
鮮やかな逃げ切り勝ちを収めたシュワルツ。この勝利は、陣営にG1制覇への期待を抱かせるものでした。
レース概要
レース名: オーストラリアステークス (Australia Stakes) グレード: G2 距離: 1200m コース: ムーニーバレー競馬場 (Moonee Valley Racecourse) 開催地: ビクトリア州メルボルン (Melbourne, Victoria, Australia) 開催日: 2025年1月24日 (金) 賞金総額: 35万豪ドル 条件: 3歳以上、ウェイトフォーエイジ (WFA) 天候: 曇り 馬場状態: 良
オーストラリアステークスは、毎年夏の終わりにムーニーバレー競馬場で開催されるG2レースです。1200mのスプリント戦で、CFオールステークス(G1)やフューチュリティステークス(G1)など、秋のG1レースへの重要なステップレースとして位置付けられています。 多くの有力馬がこのレースをステップにG1制覇を成し遂げており、近年ではブラックキャビア (2012年)、ストリーツオブアバロン (2021年) がオーストラリアステークスとCFオールステークスのダブルを達成しています。 また、ブラックハートバート (2017年) は、オーストラリアステークスで2着に入った後、CFオールステークスとフューチュリティステークスのダブルを達成しています。
今回のオーストラリアステークスには、G1サウザンドギニーズの優勝馬アナザープロフェットを含む、注目度の高い馬が多数出走しました。 過去には、マラビ (2022年)、ジグソー (2023年)、ヴェイト (2024年)といった人気馬が勝利を収めており、今年も人気馬の活躍が期待されていました。
過去のレース結果
近年のオーストラリアステークスの優勝馬は以下の通りです。
年 | 優勝馬 | 騎手 | タイム |
---|---|---|---|
2024 | Veight | – | 1:09.64 |
2023 | Jigsaw | – | 1:09.7 |
2022 | Marabi | – | 1:11.4 |
2021 | Streets Of Avalon | – | 1:10.0 |
2020 | Scales Of Justice | – | 1:09.7 |
今回のレース結果
1着賞金は17万5000豪ドル、2着は6万3000豪ドル、3着は3万5000豪ドルでした。
着順 | 馬番 | 馬名 | 騎手 | 斤量 | 着差 | 単勝倍率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | シュワルツ | ブレイク・シン | 58.5kg | – | 4.2 |
2 | 2 | ステパーティ | ブレイク・マクドゥーガル | 58.5kg | 2馬身 | 5.0 |
3 | 9 | アパッチソング | ダミアン・レーン | 56.5kg | アタマ | 10.0 |
4 | 3 | イッツアワータイム | ビリー・イーガン | 58.5kg | 1.75馬身 | 10.0 |
5 | 1 | サウスポートタイクーン | マーク・ザーラ | 58.5kg | クビ | 2.35 |
6 | 4 | セミリオン | ジェイ・マクニール | 58.5kg | 0.75馬身 | 2.35 |
7 | 6 | ポイズンチャリス | ダニエル・ムーア | 58.5kg | 短頭 | 26.0 |
8 | 7 | タイトルファイター | ジェイミー・モット | 58.5kg | 短首 | 26.0 |
9 | 8 | アロングザリバー | ジョーダン・チャイルズ | 58.5kg | 0.75馬身 | 101.0 |
レース展開の分析
シュワルツは外枠からのスタートでしたが、ブレイク・シン騎手の積極的な騎乗でハナを奪取しました。 そのままマイペースでレースを運び、直線でも後続を突き放して2馬身差の圧勝。勝ちタイムは1:10.46でした。 2着にはステパーティ、3着にはアパッチソングが入りました。
サウスポートタイクーンは1番人気に支持されましたが、期待に応えられず5着に敗れました。
各馬の評価
シュワルツ: 圧巻のレース運びで重賞2勝目をマーク。G1でも十分に通用する能力を示しました。 今回の勝利により、種牡馬としての価値も高まりました。 次走はCFオールステークス(G1)に向かうことが濃厚で、G1制覇への期待が高まります。
ステパーティ: 堅実な走りで2着を確保。G2のスプリント戦でも好走できることを証明しました。
アパッチソング: 重賞初挑戦で3着と健闘。ムーニーバレー競馬場を得意としており、ここ3戦はすべて同競馬場で勝利を収めていました。 今回の好走で、更なる飛躍が期待されます。
イッツアワータイム: 前走のスタンドイッシュハンデキャップ(G3)を制して臨みましたが、今回は4着に敗れました。
サウスポートタイクーン: 1番人気に支持されましたが、5着に沈みました。 今回のレースでスプリント路線に専念するのか、それともマイル路線も視野に入れるのか、今後のキャンペーンの目標を定めるための判断材料となりそうです。
タイトルファイター: 2連勝で勢いに乗って臨みましたが、重賞の壁は厚く8着に敗れました。 調教師のクレイトン・ダグラスは、タイトルファイターに独自の調教方法を採用しており、それが功を奏しているようです。
騎手のコメント
ブレイク・シン騎手 (シュワルツ): 「彼はこのレースを支配しました。スタートから積極的に前に出て、自分の行きたいところに連れて行ってくれました。私はただ彼と一緒に座って、できるだけうまくペースをコントロールしようとしました。彼は本当に素晴らしい馬です。」
トム・チャールトン調教師 (シュワルツ): 「彼はいつも私たちが気に入っている馬で、能力とクラスを兼ね備えています。何度かうまくいかないレースもありましたが、リズムに乗ると、レースの途中で他の馬を圧倒し、終始レースを支配しているように見えました。今回のレースは、嬉しい初戦の勝利であり、彼はさらに良くなると思います。」
マイケル・トロッター調教師 (アパッチソング): 「アパッチソングは、このキャンペーンで徐々に良くなってきており、ここ3戦の勝利で自信をつけています。今回のレースは大きな挑戦でしたが、彼女の状態は良く、強豪相手にどこまでやれるか試してみたかった。」
ジョッキーインサイト
ブレイク・シン騎手 (シュワルツ): オーストラリアを代表する騎手の一人。2008年のメルボルンカップをヴュードで制覇するなど、G1レースで27勝を挙げています。 積極的な騎乗スタイルで知られており、今回もシュワルツを果敢に先導しました。
ブレイク・マクドゥーガル騎手 (ステパーティ): 2021年にオクスリーロードでG2レース初勝利を挙げました。
ダミアン・レーン騎手 (アパッチソング): 2019年にキアミチでゴールデン スリッパー ステークスを制覇するなど、オーストラリアのG1レースで31勝を挙げています。 日本でも騎乗経験があり、2023年の日本ダービーをタスティエーラで制覇。南半球出身の騎手として初めて日本のクラシックレースを制しました。
今後の展望
シュワルツは次走、CFオールステークス(G1)に向かうことが濃厚です。 1400mの距離も問題ないと見られており、G1制覇への期待が高まります。
まとめ
シュワルツが圧勝したオーストラリアステークス。秋のG1戦線を占う上でも重要な一戦となりました。
シュワルツは、能力の高さを見せつけ、G1馬としての風格を漂わせる走りで、今後の活躍に大きな期待を抱かせました。ステパーティは、G2のスプリント戦でも通用する力を示し、アパッチソングは、重賞初挑戦ながら健闘を見せ、今後の成長が楽しみです。
このレースは、各馬の今後の目標を明確にする上でも重要な意味を持つレースとなりました。秋のG1戦線に向けて、各陣営の戦略や馬たちの成長に注目が集まります。