サヴァグリー、レビンクラシック2025を制覇:ニュージーランド競馬界の新星が誕生

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2025年1月11日、トレンサム競馬場で行われたLevin Classic (Group 2)は、Savaglee号が圧勝。2000ギニーに続くG1制覇とはなりませんでしたが、昨年11月のニュージーランド2000ギニー(G1)を制して以来、8週間ぶりのレースとなったSavaglee号は、その実力を改めて見せつける結果となりました。  

レース概要

Levin Classicは、ニュージーランドの3歳サラブレッドによる伝統あるレースです。1981年に創設され、当初はレビン競馬場で開催されていましたが、1990年に同競馬場が閉鎖された後は、近くのオタキ競馬場へと開催地を移し、2014年からはトレンサム競馬場にて開催されています。 かつては11月下旬に行われていましたが、現在はWellington Cup Carnivalの一環として1月に開催されています。  

2025年のLevin Classicは、距離が従来の1600mから1400mに短縮され 、賞金総額は40万NZドルで、Top Kat Roofingがスポンサーを務めました。 レース当日は晴天に恵まれ、馬場状態はソフト(6)でした。  

レース結果

馬番 馬名 騎手 斤量 着差 単勝倍率
1 Savaglee S・スプラット 57キロ 1着 1.6
8 Kitty Flash 橋詰大央 55キロ 1.75馬身 4.8
7 Tardelli M・マクナブ 57キロ 0.5馬身 9.5
2 Domain Ace C・グリルズ 57キロ アタマ 24.6
6 Ridefromtheashes V・コルガン 57キロ 1.25馬身 22.9
3 Suit Yourself L・オールプレス 57キロ 0.5馬身 18.8
4 Wingman L・カリー 57キロ 0.75馬身 12.0
5 Tycoon Prince R・エリオット 57キロ 1馬身 27.4

レース展開

Savaglee号は、外枠からのスタートでしたが、騎乗したサム・スプラット騎手は落ち着いて馬を中団に位置させました。道中は、同厩舎のSuit Yourself号を前に見ながら脚を溜め、直線入り口で満を持してスパート。残り300mで先頭に立つと、そのまま後続を突き放し、1.75馬身差の圧勝劇を演じました。  

2着にはKitty Flash号、3着にはTardelli号が入線。Savaglee号の強さが際立つレースとなりました。

各馬のレース内容

1着 Savaglee

Savaglee号は、昨年11月のニュージーランド2000ギニー(G1)を制した実力馬。8週間ぶりの実戦、そして距離短縮という条件でしたが、危なげないレース運びで勝利を手にしました。  

サム・スプラット騎手は、「完璧なレースができました。スタートはあまり良くなかったですが、それでも勝てると確信していました。彼はレースを重ねるごとに強くなっています。種牡馬としての将来性を考えると、G1レースでの勝利が重要ですが、今の彼ならトップレベルで戦えると確信しています」と、Savaglee号の成長に目を細めていました。  

調教師のPam Gerard氏は、「ホッとしています。本当に素晴らしいレースでした。彼には大きな期待がかかっていましたが、休養明けで少し不安もありました。オークススタッドと馬のために、本当に嬉しいです」と喜びを語りました。  

Gerard調教師は、Savaglee号の次走について、2月8日にテラパ競馬場で行われるBCD Group Sprint (G1)を有力視している一方で、1月25日のKaraka Millions 3YO (1600m)や3月のNZB Kiwi (1500m)といった選択肢もあることを示唆しました。  

Savaglee – A Rising Star

Savaglee号は、2021年生まれのSavabeel産駒。 2歳時にはGr.3 Matamata Slipper (1200m)を含む2勝を挙げ、3歳になるとGr.2 Hawke’s Bay Guineas (1400m)、Gr.2 Sarten Memorial (1400m)とG1 New Zealand 2000 Guineas (1600m)を連勝。 今回のLevin Classic (G2)の勝利で通算成績は13戦7勝となり、獲得賞金は974,975ドルに達しました。  

今回の勝利は、8週間の休養明け、そして距離短縮という条件下で達成されたものであり、Savaglee号の versatility と dominance を改めて証明するものとなりました。 この勝利は、彼の種牡馬としての価値を高めるだけでなく、今後のG1レースでの活躍を期待させるものでもあります。  

2着 Kitty Flash

Kitty Flash号は、好スタートから先行集団につけ、粘り強い走りを見せました。 騎乗した橋詰大央騎手は、「Savaglee号が強すぎました。それでも、最後まで諦めずに走ってくれたと思います。G1 New Zealand 1000 Guineas (1600m)では7着に敗れましたが、今回は巻き返しを図りたいと思っていました。まだ3歳なので、これから更に成長してくれると信じています」とコメントしました。  

Kitty Flash – Sprinter with Potential

Kitty Flash号は、2021年生まれのAce High産駒の牝馬です。 2024年10月12日にはTe Rapa競馬場で行われた3歳オープン戦で勝利を収めています。 今回のLevin Classic (G2)では、Savaglee号には及ばなかったものの、2着と健闘しました。  

3着 Tardelli

Tardelli号は、中団からレースを進め、直線で脚を伸ばしましたが、上位2頭には届かず3着。騎乗したマイケル・マクナブ騎手は、「今日は力負けでした。それでも、重賞で3着に入れたことは収穫です。G1レベルでの勝利を目指して、これからも頑張ります」と前向きに語りました。  

Tardelli – Emerging Talent

Tardelli号は、2021年生まれのI Am Invincible産駒の牡馬です。 2024年12月20日にMatamata競馬場で行われた未勝利戦で初勝利を挙げました。 今回のLevin Classic (G2)では、重賞初挑戦ながら3着と好走しました。  

騎手について

サム・スプラット騎手

Savaglee号に騎乗したサム・スプラット騎手は、ニュージーランドを代表する女性騎手です。2001年に騎手デビューし 、これまでに数々のG1レースを制しています。 2024/25年シーズンは好調を維持しており、高い勝率を誇っています。  

橋詰大央騎手

Kitty Flash号に騎乗した橋詰大央騎手は、2018年に騎手デビュー。 2021/22年シーズンには自己最高の25位となり、2023/24年シーズンは更に躍進し、トップ10入りを果たしました。  

マイケル・マクナブ騎手

Tardelli号に騎乗したマイケル・マクナブ騎手は、競馬一家に生まれ、幼い頃から騎手を目指していました。 2019年のTarzino Trophy DayではMelody Belle号に騎乗してG1 Tarzino Trophy (1400m)を制覇するなど、活躍を続けています。  

その他の馬

Domain Ace号は、先行策から粘りましたが4着。Ridefromtheashes号は、中団から伸び切れず5着。Suit Yourself号は、Savaglee号をマークする形でレースを進めましたが6着。Wingman号は、後方から追い上げましたが7着。Tycoon Prince号は、終始後方のまま8着に終わりました。

Levin Classicの歴史

Levin Classicは、ニュージーランド競馬界において重要なレースの一つです。過去の優勝馬には、Cox PlateとDerbyを制したBonecrusher (1985)や、後に多くのG1馬を輩出した種牡馬O’Reilly (1996)、そして長距離G1レースで活躍したVeandercross (1991)など、多くの名馬が名を連ねています。 近年では、Imperatriz (2022)やMadison County (2019)といったG1馬も輩出しており、3歳世代のトップホースを決めるレースとして定着していました。  

しかし、近年はKaraka Million 3YO (1600m)といった新しいレースの台頭により、Levin Classicに出走する有力馬が減少傾向にありました。 その結果、レースのレベルが低下し、2025年にはG2へと降格となってしまいました。 これはニュージーランド競馬界にとって大きな損失であり、今後のレースのステータス維持が課題となっています。  

Levin Classicの降格に伴い、賞金の一部はOaksへと分配され、Oaksの賞金総額は100万NZドルに増加しました。 また、Gr.1 New Zealand 1000 Guineas (1600m)もG1ステータスを維持するための警告を受け、Gr.1 New Zealand 2000 Guineas (1600m)も同様の状況にあります。 これらの状況は、ニュージーランド競馬界全体が、変化の波に直面していることを示唆しています。  

まとめ

2025年のLevin Classicは、Savaglee号が圧勝。今後の活躍が期待される若きスターホースの誕生を予感させるレースとなりました。

一方、レース自体はG2に降格となり、Levin Classic、そしてニュージーランド競馬界全体にとって、そのステータスをいかに維持していくかが、今後の大きな課題と言えるでしょう。

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