2025年1月3日、ドバイのメイダン競馬場にて、ドバイワールドカップカーニバル開幕戦となるDubawi Stakes(G3、ダート1200m)が開催されました。昨年このレースとドバイゴールデンシャヒーンを制したTuzが、今年も圧倒的な強さを見せつけ、見事優勝を飾りました。
レース結果速報
着順 | 馬名 | 騎手 | 年齢 | 馬体重 | 単勝オッズ | 着差 |
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1 | Tuz | T・オシェア | 8歳 | 1.1倍 | ||
2 | Colour Up | P・ドブス | 7歳 | 20.0倍 | 4 3/4馬身 | |
3 | Strobe | J・ドイル | 6歳 | 9.0倍 | 7馬身 | |
4 | Eastern World | C・ベースレイ | 8歳 | 18.0倍 | 3/4馬身 | |
5 | Rawy | D・タドホープ | 6歳 | 40.0倍 | 4馬身 | |
6 | Desperate Hero | B・ピネイロ | 5歳 | 18.0倍 | 3 1/4馬身 |
レースタイム: 1:10.34
昨年、TuzはこのDubawi Stakesを制し、その後ドバイゴールデンシャヒーン(G1)も圧勝。ドバイを代表するスプリンターとしての実力を世界に知らしめました。 今年もその勢いは留まることを知らず、圧倒的なパフォーマンスでDubawi Stakes連覇を達成しました。
レース展開
Desperate Heroが好スタートを切り、ハナを奪います。Tuzはスタート直後こそ2番手でしたが、すぐに先頭に並びかけ、2ハロン過ぎには完全に先頭に立ちました。 Eastern World、Rawyがそれに続き、Colour Upは中団後方、Strobeは最後方からのレースとなりました。
レース中盤、Tuzは軽快な走りでリードを広げます。Eastern Worldが必死に食らいつきますが、その差は徐々に開いていきます。3ハロン過ぎ、Colour Upが徐々に進出を開始。Strobeも後方から追い上げますが、上位陣との差は大きいままです。
最後の直線に入ると、Tuzは独走状態に。そのまま後続を突き放し、4 3/4馬身差をつけて圧勝しました。2着争いはColour Upが制し、Strobeが3着となりました。
各馬の走りの分析
1着:Tuz
Tuzは、抜群のスタートダッシュとスピードでレースを支配しました。 騎乗したT・オシェア騎手は、不利な外枠からのスタートでしたが、Tuzのスピードを活かして先行集団に取り付き、内ラチ沿いを確保する見事な騎乗を披露しました。 「Tuzは絶好調で、世界最速の馬の一頭と言えるでしょう。昨年よりもさらに強くなっていると感じます。誰よりも速く、どんな馬をも引き離すことができる。それがTuzの強みです。」とオシェア騎手は語っています。
2着:Colour Up
中団後方からのレースとなったColour Upは、道中じっくりと脚を溜め、最後の直線で力強い末脚を披露しました。 Tuzの強さに屈したものの、着実に順位を上げて2着を確保したことは評価できます。
3着:Strobe
最後方からのレースとなったStrobeは、直線で追い上げを見せましたが、上位2頭との差を詰めることができませんでした。 展開が向かなかった点は否めませんが、今後の巻き返しに期待したいところです。
4着:Eastern World
先行集団につけたEastern Worldは、Tuzに食らいつく粘り強い走りを見せました。しかし、最後は力尽きて4着。それでも、G1馬としての意地を見せたと言えるでしょう。
5着:Rawy
Rawyは、重賞初挑戦で健闘しましたが、最後は上位陣との力の差を見せつけられました。 今後の経験を積むことで、さらなる成長に期待したいところです。
6着:Desperate Hero
Desperate Heroは、果敢にハナを切りましたが、Tuzのスピードに屈してしまいました。 ダート初挑戦だったことを考慮すれば、今後の走りに注目です。
出走馬の詳細情報
Tuz
- 血統: 父Oxbow、母Suede Shoe
- 年齢: 8歳
- 主な戦績: 2024年 ドバイゴールデンシャヒーン(G1)優勝、Dubawi Stakes(G3)優勝
- 騎手: T・オシェア
- 調教師: ブパット・シーマー
- 馬主: Dakki Stable
- 特徴: アメリカ産のOxbow産駒。 抜群のスピードを武器に、ドバイ競馬界を代表するスプリンターへと成長。 昨年はドバイゴールデンシャヒーンを6馬身半差で圧勝するなど、圧倒的な強さを見せている。 父Oxbowは、アメリカのクラシック競走であるプリークネスステークスを制した名馬。 母Suede Shoeは、アメリカのG1馬Tiznowの全妹Tizdubaiを祖母に持つ良血馬です。
Colour Up
- 血統: 父Mehmas、母Tifariti
- 年齢: 7歳
- 主な戦績: 2024年 ジェベル・アリ・スプリント(L)優勝、アル・ガルhoudスプリント(L)優勝
- 騎手: P・ドブス
- 調教師: ダグ・ワトソン
- 馬主: Sayed Hashish
- 特徴: アイルランド産のMehmas産駒。 メイダン競馬場での成績が良く、10戦して2勝、4着以下は1回のみ。 前走のアル・ガルhoudスプリントではTuzに敗れたものの、今回は巻き返しを狙う。 父Mehmasは、ヨーロッパのリーディングサイアーにも輝いた実績を持つ種牡馬。 母Tifaritiは、イギリスでG3レースを制したZumbiを輩出しています。
Strobe
- 血統: 父Into Mischief、母Flashing
- 年齢: 6歳
- 主な戦績: 2022年 ナッソーカウンティステークス(G3)優勝
- 騎手: J・ドイル
- 調教師: サイモン&エド・クリスフォード
- 馬主: Rabbah Racing
- 特徴: アメリカ産のInto Mischief産駒。 2歳時にデビュー戦を勝利し、3歳時にはG3を含む3勝を挙げるなど、早い時期から活躍を見せている。 父Into Mischiefは、2019年から2023年まで北米リーディングサイアー5連覇を達成した、現代競馬を代表する種牡馬。 母Flashingは、アメリカのG1レースを2勝した名牝です。
Eastern World
- 血統: 父Dubawi、母Eastern Joy
- 年齢: 8歳
- 主な戦績: 2023年 マクトゥームチャレンジラウンド3(G1)3着
- 騎手: C・ベースレイ
- 調教師: A・ビン・ハルマッシュ
- 馬主: 不明
- 特徴: アイルランド産のDubawi産駒。 過去の戦績から、ダートへの適性も高いと見られる。母Eastern Joyは、ドバイワールドカップを制したThunder Snowの全姉です。
Rawy
- 血統: 父Frosted、母Graceful Rage
- 年齢: 6歳
- 主な戦績: なし
- 騎手: D・タドホープ
- 調教師: ダグ・ワトソン
- 馬主: 不明
- 特徴: アメリカ産のFrosted産駒。 今回は重賞初挑戦となる。父Frostedは、アメリカのG1レースを制した実力馬。 母Graceful Rageは、不出走馬ですが、G1馬Tiznowを父に持つ良血馬です。
Desperate Hero
- 血統: 父Captain Gerrard、母El Che
- 年齢: 5歳
- 主な戦績: なし
- 騎手: B・ピネイロ
- 調教師: サレム・ビン・ガデイヤー
- 馬主: 不明
- 特徴: イギリス産のCaptain Gerrard産駒。 今回はダート初挑戦となる。父Captain Gerrardは、イギリスのG3レースを制したスプリンター。 母El Cheは、不出走馬です。
Dubawi Stakesの歴史と傾向
Dubawi Stakesは、ドバイワールドカップカーニバルの開幕を告げるスプリントG3競走です。2014年に創設された比較的新しいレースで、当初はリステッドレースとして施行されていましたが、2018年にG3に昇格しました。 レース名は、名馬であり、種牡馬としても世界的な成功を収めているDubawiにちなんで名付けられました。
Dubawiは、現役時代、イギリスのG1競走ナショナルステークスを制覇。種牡馬入り後は、世界各地でG1馬を多数輩出しており、その産駒は、芝・ダートを問わず活躍しています。 近年では、ドバイワールドカップを制したPrince Bishop、凱旋門賞を制したAlpinista、日本のG1競走を制したリアルスティールなど、数々の名馬を輩出しています。
Dubawi Stakesは、まさにDubawiの偉大さを象徴するレースと言えるでしょう。 過去10年間の優勝馬を振り返ると、以下の傾向が見られます。
- 年齢: 4歳から11歳まで幅広い年齢の馬が優勝しており、ベテラン馬にもチャンスのあるレースです。
- 血統: 欧州の種牡馬の産駒が中心ですが、近年ではアメリカの種牡馬の産駒も活躍しています。
- 脚質: 先行馬が有利な傾向にありますが、差し馬や追い込み馬の勝利も少なくありません。
- リピーター: Reynaldothewizardが3連覇を達成するなど、リピーターの活躍が目立つレースです。
過去のDubawi Stakes優勝馬
年 | 優勝馬 | 年齢 | 騎手 | 調教師 | 馬主 | タイム |
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2014 | United Color | 5 | James Doyle | Dhruba Selvaratnam | Ahmed Al Maktoum | 1:11.75 |
2015 | Reynaldothewizard | 9 | Richard Mullen | Satish Seemar | Zabeel Racing International | 1:12.23 |
2016 | Reynaldothewizard | 10 | Richard Mullen | Satish Seemar | Zabeel Racing International | 1:10.97 |
2017 | Reynaldothewizard | 11 | Richard Mullen | Satish Seemar | Zabeel Racing International | 1:10.66 |
2018 | Comicas | 5 | William Buick | Charlie Appleby | Godolphin | 1:12.44 |
2019 | Raven’s Corner | 6 | Richard Mullen | Satish Seemar | Touch Gold Racing & Sean Ewing | 1:11.68 |
2020 | Gladiator King | 4 | Mickael Barzalona | Satish Seemar | Rashid bin Humaid Al Nuaimi | 1:11.29 |
2021 | Switzerland | 7 | Tadhg O’Shea | Satish Seemar | RRR Racing | 1:10.86 |
2022 | Al Tariq | 6 | Pat Dobbs | Doug Watson | Abdul Mohsen Al Abdul Kareem | 1:11.75 |
2023 | Switzerland | 9 | Tadhg O’Shea | Bhupat Seemar | RRR Racing | 1:10.82 |
2024 | Tuz | 7 | Tadhg O’Shea | Bhupat Seemar | Dakki Stable | 1:10.42 |
今後のレース展望
ドバイワールドカップカーニバルは、世界最高峰のレースであるドバイワールドカップ(G1)を最終目標とした、国際的な競馬の祭典です。 11月から3月にかけて、メイダン競馬場を舞台に、様々なカテゴリーのレースが開催されます。 今年のドバイワールドカップは4月5日に開催予定で、 総額はなんと3,050万ドル!世界中からトップホースが集結し、熱戦が繰り広げられます。
Dubawi Stakesを制したTuzは、3月30日に開催されるドバイゴールデンシャヒーン(G1)の有力候補となります。 昨年もこのレースをステップにゴールデンシャヒーンを制しており、今年も同じローテーションで臨むことになります。 Tuzの最大のライバルは、同厩舎のSwitzerland。 昨年はゴールデンシャヒーンでTuzに敗れましたが、今年は雪辱を期して臨むでしょう。
この2頭の対決は、今年のドバイワールドカップカーニバルにおける最大の注目ポイントの一つです。Tuzは、圧倒的なスピードと先行力が武器。一方のSwitzerlandは、先行力と粘り強さが持ち味です。両馬の直接対決は、まさに「スピード対決」となり、目が離せない展開になるでしょう。
注目馬
今後のドバイワールドカップカーニバルで注目すべき馬は以下の通りです。
- Tuz: ドバイゴールデンシャヒーン連覇を狙う、ドバイスプリント界の王者。
- Switzerland: ゴールデンシャヒーンでTuzに挑む、実力派スプリンター。
- Colour Up: Dubawi Stakesで2着と好走。スプリント路線でさらなる活躍が期待される。
- Strobe: G1制覇を目指し、今後のレースで巻き返しを図る。
- Algiers: アル・マクトゥームチャレンジラウンド1を制した実力馬。 今後の活躍に注目が集まる。
- Nations Pride: G1馬で、ドバイミレニアムステークスで始動予定。 中距離路線での活躍が期待される。
まとめ
ドバイワールドカップカーニバル開幕戦、Dubawi Stakes 2025は、Tuzの圧勝で幕を閉じました。Tuzは、ドバイゴールデンシャヒーン連覇に向けて、最高のスタートを切ることができました。 今後のドバイワールドカップカーニバルでは、Tuzをはじめとする有力馬たちの活躍から目が離せません。 世界最高峰のレース、ドバイワールドカップに向けて、各馬がどのような走りを見せるのか、今から楽しみでなりません。