二十四万石賞2025予想
過去10年の傾向・血統・コース適性から有力馬を徹底分析!
はじめに
高知競馬の春の訪れを告げる重要な一戦、二十四万石賞。高知競馬場を舞台に、ダート1900mで争われるこのレースは、年明けから黒船賞(JpnIII)に向けて短距離路線が中心となる高知競馬において、年末の高知県知事賞以来となる古馬中・長距離路線の主要競走として位置づけられています。1985年に現競馬場の開設記念として創設されて以来、高知の競馬ファンにとって見逃せない一戦となっています。
レースの歴史と意義
二十四万石賞は、1985年に高知市桟橋にあった旧競馬場から現在の長浜への移転・新設を記念して創設されました。レース名は、江戸時代の土佐藩の石高「二十四万石」に由来します。創設当初から春の古馬中距離重賞として定着しており、現在は1900mで施行されています。
かつては中国・四国・近畿地区の交流競走として他地区の所属馬も参戦していましたが、現在は高知所属馬限定のレースとなっています。また、レースの賞金も大幅に増額され、2015年の1着賞金100万円から現在は1000万円と10倍になっています。この変更により、地元高知の実力馬がこのレースに目標を定めやすくなり、レースレベルの向上にも寄与しています。
過去10年の傾向分析
人気別傾向
1番人気の強さ: 近年、1番人気馬の信頼度が非常に高いのが最大の特徴です。2020年から2024年まで、5年連続で1番人気馬が勝利しています。
ヒモ荒れの可能性: ただし、2着・3着には中位人気馬が食い込むケースも多く、「ヒモ荒れ」の傾向が見られます。2019年には11番人気のエイシンファイヤーが勝利する大波乱もありました。
年齢・斤量傾向
勝ち馬の年齢: 過去10年間では4歳から9歳まで幅広い年齢層の馬が勝利していますが、直近2年(2023年、2024年)はともに4歳馬が制している点が注目されます。
斤量: 牡馬・セン馬は57kg、牝馬は2kg減の55kgという定量戦です。同性間の斤量差がないため、純粋な能力比較がしやすい条件と言えます。
所属厩舎傾向
田中守厩舎: このレースで抜群の成績を誇ります。過去5年間で【1-3-1-3】と、毎年馬券に絡む活躍を見せています。2024年の勝ち馬ユメノホノオも同厩舎の管理馬です。
打越勇児厩舎: 2022年の勝ち馬ララメダイユドールを管理。2025年は1番人気が予想されるプリフロオールインを送り出します。
近年の傾向まとめ
1番人気馬の勝率は非常に高いものの、2着・3着には中穴〜人気薄の馬が絡む可能性も十分考慮すべき結果が出ています。特に馬連や3連単では、1番人気を軸にしつつも、相手には手広く構えるのが有効かもしれません。
過去10年の上位3着馬
年 | 1着馬 | 騎手 | 人気 | 調教師 | 2着馬 | 3着馬 |
---|---|---|---|---|---|---|
2024 | ユメノホノオ | 吉原寛(金沢) | 1 | 田中守 | ガルボマンボ | デシジョン |
2023 | ガルボマンボ | 林謙佑(高知) | 1 | 細川忠 | ナムラゴロフキン | モダスオペランディ |
2022 | ララメダイユドール | 宮川実(高知) | 1 | 打越勇 | グランデラムジー | エイシンピストン |
2021 | スペルマロン | 倉兼育康(高知) | 1 | 別府真 | ショートストーリー | ブラゾンダムール |
2020 | ウォーターマーズ | 西川敏弘(高知) | 1 | 大関吉 | ヴァルム | カイロス |
血統分析:高知1900mで注目すべき血統
過去の勝ち馬の父
過去10年の勝ち馬の父を見ると、多様な種牡馬が名を連ねていますが、ゴールドアリュール、シンボリクリスエス、ロージズインメイ、フレンチデピュティといったダートでの実績が豊富な種牡馬や、その系統が目立ちます。スタミナとパワーを要求される高知の深いダート、そして1900mという距離をこなせる血統背景が有利に働いています。
2025年出走予定馬の血統
ニクソンテソーロ
父: コパノリッキー(ゴールドアリュール系)
母父: シンボリクリスエス(ロベルト系)
父コパノリッキーはダートG1を11勝した名馬。スタミナとパワーは豊富で、血統構成はこのレースへの適性が非常に高いと考えられます。
エスポワールガイ
父: エスポワールシチー(ゴールドアリュール系)
母父: シンボリクリスエス
父エスポワールシチーもダートG1・9勝馬。ニクソンテソーロと似た配合で、スタミナ豊富なダート血統と言えます。
プリフロオールイン
父: アニマルキングダム
母父: スペシャルウィーク(サンデーサイレンス系)
父アニマルキングダムは芝やオールウェザーでの活躍馬ですが、Leroidesanimaux系はスタミナを伝える傾向があります。高知優駿、黒潮菊花賞と1900mの重賞を2勝している実績が、血統背景だけでは測れない適性を示しています。
注目すべき血統傾向
過去の勝ち馬の傾向を見ると、ゴールドアリュール系や、パワーとスタミナに優れたロベルト系の血を持つ馬の活躍が目立ちます。2025年のメンバーでは、ニクソンテソーロやエスポワールガイが血統的には非常に魅力的です。
ローテーション分析:好走馬の前走・レース間隔
主要な前哨戦
黒船賞 (JpnIII, 1400m)
高知最大のレース。距離は短いが、レベルの高い相手と戦ってきた経験は無視できません。今年はニクソンテソーロ(4着)、ティアップエックス(7着)がここからの参戦です。
だるま夕日賞 (重賞, 1600m)
黒船賞へのステップレースの一つ。今年はティアップエックス(1着)、プリフロオールイン(4着)、グラティアスグー(5着)が出走していました。
高知県知事賞 (重賞, 2400m)
年末の大一番。距離が長く、スタミナが問われるレースであり、ここでの好走歴は長距離適性の証明になります。ロッキーサンダーは昨年2着でした。
レース間隔
多くの好走馬は、2月や3月のレースを使われてから臨んでいます。今年の有力馬の多くは、2月か3月にレースを使われており、順調なローテーションと言えます。
直近(特に2月~3月)の高知の重賞や、それに準ずる特別戦で好走していることが、このレースで好走するための重要な指標となります。黒船賞は距離こそ違えど、そこで善戦した馬は評価が必要です。また、高知県知事賞での実績はスタミナの証明として価値があります。
コース適性:高知ダート1900m攻略の鍵
コース形態
ダート1900m 右回り。1周1100mと地方競馬の中でも比較的小回りなコースです。第1・第2コーナーよりも第3・第4コーナーの半径が大きい、おむすび型(またはスパイラルカーブ)の形状をしています。
砂質と直線の特徴
海砂を使用しており、水分を含むと黒っぽくなる、非常に時計のかかる深い砂です。特に内ラチ沿いは砂が深く、騎手たちは意図的に内側を避けて通る傾向があります。ゴール前の直線距離は約230m(実質的な追い比べ部分は200m)と短いのが特徴です。
有利な脚質
短い直線と深い砂のため、基本的には先行した馬が有利です。後方から差すのは難しく、追い込み馬にとっては厳しいコースと言えます。ただし、ペースが速くなった場合や、向こう正面や3コーナーあたりから早めに進出できる差し馬ならチャンスはあります。
枠順の影響
高知競馬場は全体的に外枠有利の傾向があります。これは、内側の砂が極端に深いため、各馬が内を避けて走るからです。1900m戦でもその傾向は残り、内枠を引いた場合は、スタートからハッキリと位置を取りに行くか、逆に後方に下げるか、明確な戦略が求められます。
2025年 二十四万石賞 出走予定馬分析
出走馬一覧
馬番 | 馬名 | オッズ | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ロッキーサンダー | 6.6 | 牡8 | 57.0 | 赤岡修次 | 田中守 |
2 | グラティアスグー | 8.0 | 牡5 | 57.0 | 郷間勇太 | 川野勇馬 |
3 | プリフロオールイン | 3.2 | 牡4 | 57.0 | 永森大智 | 打越勇児 |
4 | エスポワールガイ | 25.6 | 牡6 | 57.0 | 岡村卓弥 | 雑賀正光 |
5 | ナムラボス | 36.4 | 牡8 | 57.0 | 多田羅誠也 | 工藤真司 |
6 | ニクソンテソーロ | 4.2 | 牡5 | 57.0 | 加藤翔馬 | 田中守 |
7 | ティアップエックス | 6.0 | セ5 | 57.0 | 岡遼太郎 | 細川忠義 |
8 | エクセレントタイム | 16.8 | セ7 | 57.0 | 妹尾浩一朗 | 川野勇馬 |
9 | グッドヒューマー | 19.7 | セ11 | 57.0 | 井上瑛太 | 打越勇児 |
10 | ダノンジャスティス | 51.2 | セ9 | 57.0 | 畑中信司 | 別府真司 |
11 | ネオブレイブ | 20.3 | 牡9 | 57.0 | 塚本征吾 | 目迫大輔 |
12 | カツベンケイ | 60.1 | 牡6 | 57.0 | 木村直輝 | 雑賀正光 |
有力馬紹介
3プリフロオールイン
性齢: 牡4
騎手: 永森大智
調教師: 打越勇児
父: アニマルキングダム
戦績: 昨年の高知三冠馬。高知優駿、黒潮菊花賞と同距離1900mで圧勝。
近況: 前走のマイル特別戦を快勝し、復調気配。得意の距離で中心的存在。
6ニクソンテソーロ
性齢: 牡5
騎手: 加藤翔馬
調教師: 田中守
父: コパノリッキー
戦績: 前走の黒船賞(JpnIII)で、JRAの強豪相手に4着と大健闘。
課題: 6走ぶりの中距離での折り合いがクリアできるか。
7ティアップエックス
性齢: セ5
騎手: 岡遼太郎
調教師: 細川忠義
父: アジアエクスプレス
戦績: 2月のだるま夕日賞(1600m)を9番人気で制し、重賞初制覇。
特徴: 追い込み脚質が持ち味。距離とコース形態が課題か。
1ロッキーサンダー
性齢: 牡8
騎手: 赤岡修次
調教師: 田中守
父: ダノンレジェンド
戦績: 前走の特別戦でプリフロオールインに半馬身差の2着。
長所: 昨年末の高知県知事賞(2400m)でも2着。長距離での実績十分。
2グラティアスグー
性齢: 牡5
騎手: 郷間勇太
調教師: 川野勇馬
父: ノヴェリスト
戦績: 昨秋は重賞戦線で活躍。だるま夕日賞では勝ち馬から0.1秒差の5着。
期待: 距離延長が良い方に出れば、巻き返しも可能。
8エクセレントタイム
性齢: セ7
騎手: 妹尾浩一朗
調教師: 川野勇馬
特徴: JRAでは芝の中長距離で3勝を挙げたステイヤー。
近況: 高知移籍後、ダートにも対応し、前々走で初勝利(1600m)。
評価: 距離延長は間違いなくプラス材料。不気味な存在。
まとめ:予想のポイント
過去5年連続で1番人気が勝利しており、今年も最有力候補であるプリフロオールインの信頼度は高いと考えられます。
1番人気は堅実でも、2・3着には中位人気以下の馬が食い込む可能性は十分あります。馬連や3連単では手広く相手を拾う戦略が有効かもしれません。
直近2年の勝ち馬は4歳馬。今年も4歳のプリフロオールインには特に注目です。
このレースで抜群の実績を誇る田中守厩舎の管理馬、ロッキーサンダーとニクソンテソーロは高く評価すべきです。
ダートでのスタミナとパワーを伝える血統が有利。特にゴールドアリュール系、ロベルト系の血を持つニクソンテソーロ、エスポワールガイは血統的に魅力があります。
高知ダート1900mは先行有利。短い直線と深い砂を考慮すると、好位で競馬ができる馬や、早めに動けるタイプが有利。追い込み脚質のティアップエックスは展開の助けが必要か。枠順では外枠の方がやや有利です。